だいぶ秋めいてきました。この時期になると、無意識に買ってしまうものがあります。それはクリです。全く意識にないのに、ついつい見つけて、買ってしまうのです。もう習性に近いレベルです。
クリ(栗、学名:Castanea crenata)
ブナ科クリ属の木の一種。クリのうち、各栽培品種の原種で山野に自生するものは、シバグリ(柴栗)またはヤマグリ(山栗)と呼ばれる、栽培品種はシバグリに比べて果実が大粒である。また、シバグリもごく一部では栽培されている。
2020年、去年もクリを買っています↓
クリを見ると秋を感じます。ちなみに日本語ではクリですが、海外では
- 日本語 クリ(栗)
- 英語 チェストナッツ(Chestnut)
- フランス語 マロン(marron)
と呼ぶそうです。チェストナッツはあまり訊きませんね。でもマロンはよく耳にします。たとえば↓
harasho.66さんのヘアアレンジ・ショート・ショートボブに関するスナップフォト(ID:359027) | ARINE [アリネ]
こんな素敵な髪色をマロンベージュと言うそうです。赤茶色っていうんでしょうか。マロン色って独特の色合いですね。
マロン(仏: marron)
フランス語で、ブナ科クリ属の木であるシャテニエ(仏: châtaignier、ヨーロッパグリ、学名Castanea sativa)の実、または、トチノキ科トチノキ属の木であるマロニエ(marronnier、セイヨウトチノキ、学名Aesculus hippocastanum)の実のことである。
通常マロンと呼ばれるのは、シャテニエの実、つまりクリである。ただし、シャテニエの実はシャテーニュ (仏: châtaigne) とも呼び、使い分けられる。概してニホングリのようにイガの中に2個から3個の小さな種子が入っているのがシャテーニュ、1つの大きな種子が入っているのがマロンと呼ばれる。マロングラッセに使われるのはマロンである。シャテーニュは皮を剥くのが大変で食べにくいため、一部はペーストやパウダーに加工されるが、そうしたシャテーニュを原料とした加工食品も「マロン何々」と呼ばれることが多い。
もちろんマロングラッセも有名ですね。
マロングラッセと私が作ろうとしている渋皮煮って何が違うのでしょう。
マロングラッセと渋皮煮の大きな違い
渋皮がついているかどうかです。 栗のつやつやした茶色い鬼皮を剥くと、渋皮と呼ばれる栗表面にぴったりくっついた皮が現れます。 この渋皮を丁寧に剥いて、砂糖漬けにしたのがマロングラッセ。 渋皮煮は、渋皮をつけたまま砂糖と一緒に煮込みます。
- 渋皮が付いている・・・・・渋皮煮
- 渋皮が付いていない・・・・マロングラッセ
ということ。皮の有り無しで、急にオシャレになったり和風風味になったりするんですね。
ところでコレ↓ってイガグリって呼ぶじゃないですか。
イガグリって漢字にすると「毬栗」って書くそうです。
毬(音キュウ)(訓まり・いが)
①まり。けまり。「毬子」類鞠(キク) ②まりのようにまるいもの。「毬果」「花毬」 ③いが。果実を包むとげのある外皮。「毬栗(いがぐり)」
クリの毬(マリ)、まさに文字通りです。漢字自体も「球」という字の王の部分が「毛」になっているんですね、でもマリって丸くてトゲトゲなどないイメージですよね。なのにトゲのある外皮を毬と書いてイガと読むってちょっと違和感あります。
このカタチにとても似ているものがあります、ウニです。
ウニ(海胆、海栗、英: Sea urchin)
ウニ綱に属する棘皮(きょくひ)動物の総称。別名にガゼなど。なお、「雲丹」の字をあてるときはウニを加工した食品を指す。日本の俳句では春の季語。
タイトル通り、そっクリ!です。漢字でも海のクリと書いて海栗と書くこともあるそうで、本当に似ています。
と、思っていたら、同じように思って色々な実験?をしているサイトを見つけました。
左の黒いのがウニ。右の茶色いのがイガグリ。
↑このサイト見ると、本当に見分けが付かないことが判ります。クリを海の中に入れると、本当にウニにしか見えません!
もちろん外見はそっクリ!でも中身は全く違います。栄養価を見てみると、
クリ
分量 100 g あたり
- カロリー ・・・・・・・・・・164 kcaL
- 脂質・・・・・・・・・・・・ 0.5 g
- 飽和脂肪酸・・・・・・・・・0.1 g
- ナトリウム・・・・・・・・・ 1 mg
- カリウム・・・・・・・・・・ 420 mg
- 炭水化物・・・・・・・・・・ 37 g
- 水溶性食物繊維・・・・・・ 0.3 g
- 不溶性食物繊維・・・・・・ 3.9 g
- タンパク質・・・・・・・・・ 2.8 g
- ビタミンC・・・・・・・・・ 33 mg
- カルシウム・・・・・・・・・23 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・・・ 0.8 mg
- ビタミンB6・・・・・・・・・ 0.3 mg
- マグネシウム・・・・・・・・ 40 mg
カリウム・・・・・・血圧低下効果など
葉酸・・・・・・・・造血作用など
ビタミンC・・・・・皮膚の再生など
食物繊維・・・・・・腸の働きを助けるなど
一方、
ウニ
分量 100 g あたり
- カロリー ・・・・・・・・・・120 kcaL
- 脂質・・・・・・・・・・・・ 4.8 g
- 飽和脂肪酸・・・・・・・・・ 0.6 g
- コレステロール・・・・・・・ 290 mg
- ナトリウム・・・・・・・・・ 220 mg
- カリウム・・・・・・・・・・ 340 mg
- 炭水化物・・・・・・・・・・ 3.3 g
- 水溶性食物繊維・・・・・・ 0 g
- 不溶性食物繊維・・・・・・ 0 g
- タンパク質・・・・・・・・・ 16 g
- ビタミンC・・・・・・・・・ 3 mg
- カルシウム・・・・・・・・・ 12 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・・・ 0.9 mg
- ビタミンD・・・・・・・・・・ 0 µg
- ビタミンB6・・・・・・・・・ 0.2 mg
- コバラミン・・・・・・・・・ 1.3 µg
- マグネシウム・・・・・・・・ 27 mg
カリウム・・・・・・血圧低下効果など
葉酸・・・・・・・・造血作用など
β-カロテン・・・・・抗酸化作用
ビタミンB2・・・・・代謝に関わるなど
脂肪酸・・・・・・・エネルギー源など
という感じです。と、言っている間に、渋皮煮2021、できました!
★モゥー!ポイント★
クリとウニ。こうやって改めて見比べると区別がつかない程に似ていますね。もちろんクリは植物ですし、ウニは海に生きる動物です。でも、生物としての種は違っていても、陸上と水中という環境が違っていても、これだけ似ているって、こうして全身にトゲを纏う必要性があったって、不思議ですね。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。