あなたの居間にはコタツはありますか?コタツは人をダメにする発明品です(経験者)。なので、私の部屋にはありませんが、実家にはあります。
そんな悪魔的電気製品の上に決まってあるのが、丸くてオレンジ色のフルーツ、ミカンです。
ウンシュウミカン(温州蜜柑、学名:Citrus unshiu)
ミカン科の常緑低木またはその果実のこと。柑橘類の一種。様々な栽培品種があり、果実が食用にされる。
栄養成分表 100 g あたり
- カロリー・・・・・・・・・・・ 44 kcaL
- 脂質・・・・・・・・・・・・・0.1 g
- コレステロール・・・・・・・・0 mg
- ナトリウム・・・・・・・・・・1 mg
- カリウム・・・・・・・・・・・130 mg
- 炭水化物・・・・・・・・・・・12 g
水溶性食物繊維・・・・・・・0.3 g
不溶性食物繊維・・・・・・・0.4 g- タンパク質・・・・・・・・・・0.5 g
- ビタミンC・・・・・・・・・・35 mg
- カルシウム・・・・・・・・・・17 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・・・・0.1 mg
- ビタミンD・・・・・・・・・・0 µg
- ビタミンB6・・・・・・・・・・0.1 mg
- コバラミン・・・・・・・・・・0 µg
- マグネシウム・・・・・・・・・11 mg
温州ミカンって英語でなんて言うか知っていますか?
ーーーミカンはOrangeでしょう。
それがOrangeでは通じないらしいのです。上の説明文では「Citrus unshiu」とありますが、これは学名、一般的ではありません。ちなみに温州うんしゅうとは、どこかと言うと、
みかんの名産地といえば、和歌山県を思い浮かべる人も少なくないだろうが、和歌山県の旧名は「紀州国」。温州の“う”の字も出てこない。
……じゃあ、「温州」って一体どこの地名なのだろうか?
調べてみると意外や意外。温州は、中国の東シナ海に面した浙江省(せっこうしょう)にある市の名前。日本ではなく中国の地名だったのだ。温州は、中国では「ウェンジョウ」と発音されており、それが日本で「うんしゅう」と読まれるようになったらしい。
温州とは、中国の地名で日本国内の事ではないのです。
温州ミカンの意外な英単語
話を戻して温州ミカンを英語圏では、なんと言うのでしょう。
まず日本で「みかん」と言うと一般的には「温州みかん」のことを指すかと思います。ずばり「温州みかん」のことを伝えようとした場合、「Satsuma」(特にヨーロッパ)、もしくは「Mikan」が一般的です。(orangeを後ろに付ける場合もよくあるようです)
みかん 蜜柑
【植物, 植物学】 a mandarin (orange)
a tangerine
《主に英国で用いられる》 a satsuma (orange)
mandarin (orange):マンダリン(オレンジ)
a tangerine :マンダリンの仲間で「タンジェリン」
a satsuma (orange):サツマ(オレンジ)
え?マンダリンは判るけど、何故「サツマ」・・・。英会話のサイトからの引用なのでまず間違いありません。satsumaと温州ミカンを言うようなのです。
なぜ「サツマ」なのか
「サツマ」と訊いて日本人なら誰もが西郷どんを思い浮かべると思います。
薩摩藩(さつまはん)
江戸時代の藩。藩庁は鹿児島城(鹿児島市)、藩主は島津家。薩摩・大隅の2か国および日向国諸県郡の大部分(現在の鹿児島県全域と宮崎県の南西部)を領有し、琉球王国(現在の沖縄県)が服属した。
「Satsuma」と呼ばれる理由、探すとたくさん見つかりました。ここではこちらを紹介します↓
1878年頃、当時横浜に駐在していたアメリカの高官、Robert Van Valkenburg が、奥方と九州を旅行した時、薩摩ミカンのあまりにも甘くて美味しい味に感激し、奥方の故郷であるフロリダへ土産として送り出したという記録が残っているらしい。それと相前後して、フロリダからテキサス一帯にこの薩摩ミカンが紹介され、一気に薩摩ミカンの栽培が広がったようだ。アラバマのイチジクを栽培していた地域が、薩摩ミカンの栽培拡大と共に、1915年に薩摩ミカンに因んで名前を変えて今日に至っている。
(中略)
まず1876年に Dr. George R. Hall なる人物によって温州ミカンがアメリカに持ち込まれた.その後,別途,1878年に駐日高官 Van Valkenburg 夫妻により温州ミカンがアメリカに導入され,それが satsuma と呼ばれることになったということだ.
なお,Alabama には Satsuma と呼ばれる地名がある.同市のHPによると,確かに1878年に同州にみかんが紹介されたとある.同町は,以降30年くらいの間にみかんの栽培で知られるようになり,1915年に Satsuma と命名された.ほかにも似たような背景で,Florida, Texas, Louisiana にも Satsuma という地名がある.
温州ミカン、ここでは薩摩ミカンが薩摩=今の鹿児島からアメリカへ渡ったから、ということのようです。
ちなみに上記にあるようにアメリカには「サツマ」という地名が4箇所もあるそうです↓
ではSatsumaはご存じだろうか。実は4カ所もある。フロリダ、テキサス、アラバマ、ルイジアナの各州だ。もちろん薩摩に由来する。本書『大学的鹿児島ガイド』(昭和堂)には、鹿児島に関する小知識が詰まっている。
伝わってきた地名にちなんで「サツマ」と呼んでいるんですね。でも、それって温州ミカンですよね、温州は中国の・・・(ry
サツマと言えばサツマイモ
温州ミカンの産地と訊いてあまり鹿児島は思い浮かびません。農林水産省のサイトにある温州ミカンの主な産地としては、
和歌山県、静岡県、愛媛県が上位で鹿児島県は残念ながら完敗の様子。だから私たち日本人的には、サツマと訊けばサツマイモを連想しちゃうのかもしれません。
サツマイモ(薩摩芋、学名: Ipomoea batatas)
ヒルガオ科サツマイモ属の多年草植物。あるいはその食用部分である塊根(養分を蓄えている肥大した根、芋)。別名で、甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも)ともよばれる。中南米の原産で、ヨーロッパ、中国、日本などへ広まり、各地で栽培されている。食用される塊根はデンプンやビタミン類を豊富に含み、焼酎原料や飼料にも利用される。また食物繊維が多く、便秘改善にも役立てられる。
栄養成分表 100 g あたり
- カロリー ・・・・・・・・・・・131 kcaL
- 脂質・・・・・・・・・・・・・0.2 g
- 飽和脂肪酸・・・・・・・・・・0 g
- コレステロール・・・・・・・・0 mg
- ナトリウム・・・・・・・・・・4 mg
- カリウム・・・・・・・・・・・470 mg
- 炭水化物・・・・・・・・・・・32 g
水溶性食物繊維・・・・・・・0.5 g
不溶性食物繊維・・・・・・・1.8 g- タンパク質・・・・・・・・・・1.2 g
- ビタミンC・・・・・・・・・・29 mg
- カルシウム・・・・・・・・・・40 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・・・・0.7 mg
- ビタミンB6・・・・・・・・・・0.3 mg
- マグネシウム・・・・・・・・・25 mg
ところで、呼び方繋がりでサツマイモのことを「おさつ」と呼ぶことがあるそうです。
お‐さつ【▽御×薩】
「薩摩芋(さつまいも)」をいう女性語。
おさつって、言われたらやっぱり、コレ↓ですよね。
というか、チップスのことならしっくりこないでもないですね。
温州ミカンが「Satsuma」ならサツマイモは?
あれ?温州ミカンが「Satsuma」と呼ばれるならサツマイモは英語圏ではなんて呼ばれているのでしょうか。調べてみると2通りの呼び方があるそうです↓
- sweet potato
「さつまいも」は英語で sweet potato といいます。
発音と読み方:スウィート ポテイトゥ
じゃがいものように黄色または白の果肉と甘い味わいのピンク色の野菜。
黄色またはオレンジ色の果肉を持つ茶色またはオレンジ色の野菜。- yam
「さつまいも」は英語で yam といいます。
発音と読み方:ィヤーム
熱帯のつる植物からのジャガイモのような根。食べることができる。
熱帯のつる植物。
えええええええ?????スイートポテト??????
使い方として
- Sweet potato pie
- Sweet potato tart
- Sweet potato cake
という感じで「スイートポテト」というようです!
日本人にとって「スイートポテト」っていえば
↓コレ、ですよね。
スイートポテト、スウィートポテト(sweet potato)
サツマイモを主材料とした日本発祥の洋菓子。なお、英語では「sweet potato」はサツマイモ自体を指す。日本でいう菓子のスイートポテトは日本発祥のため海外ではあまり浸透していない。
歴史
スイートポテトは日本が発祥である。考案者や発祥地域が国内のどこなのかといった詳細は記録がなく、明らかになっていない。サツマイモを洋菓子の主材料とするのは明治時代に始まった。元々、サツマイモに鶏卵と砂糖をまぜて、サツマイモの皮に盛って料理としていたものが、1887年(明治20年)に小さく作って表面に卵黄を塗って焼く菓子に変わった。戦後、各地の有名な複数の菓子店がスイートポテトを売り出し、スイートポテトが全国に定着していった。
そうだったんですね!日本発祥で海外には浸透していないため、同じ「スイートポテト」という言葉が日本では洋菓子、海外ではサツマイモを意味する言葉になってしまっているんですね!これはおもしろい!
話がかなり飛んでしまったのでここらで元にミカンの話に戻りましょう。
ミカンについてる白いアレ
ミカンを食べるとき、実の部分についてあの白いスジのようなもの、あなたはどうしていますか?取る派?それともそのまま食べちゃう派?
ところであの白いスジに名前があるって知ってましたか?
実のまわりやオレンジ色の外皮の内側についているあの白いスジはアルベドという名前が付いているそうで、
ちなみに外皮にも名前が付いていてフラベドと言うそうです。
みかんの果肉についている白いすじは「アルベド」と言って、ラテン語で「白」を意味する「アルベド(Albedo)」が由来になっています。ちなみにみかんの外側の皮はラテン語で「黄色」を意味する「フラベド(Flavedo)」と言うそう。アルベドはきれいに取って食べる人もいれば、気にせず食べる人もいますよね。アルベドには腸内環境を整えてくれる食物繊維が豊富なので、全部取ってしまうのはちょっともったい気もしますが、口の中でモソモソして食べづらいのも分かります…。ところで、みかんを食べすぎて手が黄色になってしまった経験はありませんか? みかんの黄色い成分であるカロテノイドの一種「β--クリプトキサンチン」の過剰摂取が原因で、やがて自然に戻るので心配しなくても大丈夫ですよ。
なんだかもの凄く化学的な名前な気がします・・・。
国が勧めるミカンのいただき方
今回温州ミカンについてアレコレ調べていたら、なんと農林水産省のサイトでミカンの選び方・食べ方が紹介されていました。
ご存じですか? みかんの選び方・食べ方
みかんの皮をむくのが面倒、といってみかんをあまり食べない方もいるのでは?実は、温州みかん一つ取っても、皮のむき方はいろいろあります。楽しみながら、食べてみませんか。
私的ミカンを紹介する動画を公開中
10種類のミカンを集めてひとつひとつ食べ比べています。
★がぉー!ポイント★
中国の地名に由来する温州ミカンが薩摩ミカンとして栽培されていて、それを食べて祖国アメリカに持ち帰って「Satsuma」という名前になったこと。
サツマイモは英語圏では「Sweet Potato」と呼ばれていて、日本では洋菓子を意味するはスイートポテトという菓子が日本発祥で世界的に浸透していないから。
という意外なことが判りました。
ミカンもサツマイモも寒い冬が旬。ぜひ美味しく楽しく楽しんでください★
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。