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適材適食 -てきざいてきしょく-

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1885食目「わざと黄色くしているのです!」黄ニラ

今週のお題「ビフォーアフター」

「わざと黄色くしているのです!」黄ニラ【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

先日、2022年12月10日に岡山に講演で出張した日の夕食。せっかくなので岡山名物が食べたくて立ち寄ったお店↓

そこで頂いたのが鰆と黄ニラの餡かけ

「わざと黄色くしているのです!」黄ニラ【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

そ、岡山名産の黄ニラ

岡山滞在中に探し回ってようやくゲットできました↓

「わざと黄色くしているのです!」黄ニラ【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

さて、この黄ニラ。なぜ黄色いのか気になったので調べてみました。

まずは基本のニラから

「わざと黄色くしているのです!」黄ニラ【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ニラ(韮、韭、Allium tuberosum)

ネギ属に属する多年草。中国原産で欧米では栽培されておらず東洋を代表する野菜である。

名称
『古事記』では「加美良」(かみら)、『万葉集』では「久々美良」(くくみら)、『正倉院文書』には「彌良」(みら)とそれぞれ記載されている。このように、古代においては「みら」と呼ばれていたが、院政期頃から不規則な転訛形「にら」が出現し、「みら」を駆逐して現在に至っている。近世の女房言葉に二文字(ふたもじ)がある。
別名はフタモジ。日本の地方による方言では、フタモジ(二文字:千葉県上総地方)、ジャマ(新潟県中越地方)、ニラネギ(韮葱:静岡県、鳥取県などの一部)、コジキネブカ(乞食根深:愛知県、岐阜県の一部)、トチ(奈良県山辺郡、磯城郡)、ヘンドネブカ(遍路根深:徳島県の一部)、キリビラ(沖縄県島尻郡)、チリビラ(沖縄県那覇市)、キンピラ(沖縄県那覇市)、ンーダー(沖縄県与那国島)などがある。
英名はチャイニーズ・チャイヴ(Chinese chive)、仏名はアイユオドラン(ail odorant)中国植物名は韮菜(きゅうさい)という。

ニラ - Wikipedia

別名の「フタモジ」ってスゴいですよね。ニ・ラ、だから2文字なんでしょうか。那覇市ではなぜか「キンピラ」と呼んでますし、新潟では「ジャマ」って、、、酷い・・・。もっと酷いのは愛知や岐阜ですね・・・(ここでは書きません)。

いずれにせよ、ニラの特徴のひとつはあの深い緑色。なのになぜ黄ニラはわざわざ緑色じゃないのでしょうか。

黄ニラはなぜ黄色い

理由を調べてみました。

「わざと黄色くしているのです!」黄ニラ【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

見た目の美しさだけじゃない!

甘く柔らかい、シャキシャキ食感が特徴
黄ニラは、普通のニラで光を遮断して栽培することによって、葉緑素の発生を抑えて黄色にし、収穫した後は太陽光に当てることで鮮明な黄色になります。見た目が美しいだけでなく、生で食べられるほど柔らかく甘みもあります。

独特の臭気があることから中国語の「においきらう(香嫌)」これが「にら」に変化したとも、また、おいしいという意味の「みら(美辣)」これが「にら」に変化したとも言われています。

黄ニラが黄色な理由!
黄ニラはニラの葉が伸びる前にシートで覆い光を遮って栽培します。収穫した後は太陽光に当てることで鮮明な黄色になります。4月~12月は露地、11月~5月はハウスで一年中収穫でき、乾燥にも強い野菜です。

黄ニラ | JA晴れの国岡山

黄ニラは品種名ではありません

黄ニラは品種名ではなく、栽培方法によって生まれた黄色いニラの事で、ニラの芽が出る前の根株に覆いを被せて光を制限することで軟白化させた中華料理の食材です。ニラ特有の臭みがなく、より柔らかく、甘みが有る。日本では岡山県が主産地。

黄ニラ(黄韮):旬の野菜百科

芽を出す前のニラに覆いを被せて光が当たらないようにして育てると黄ニラになる、つまりニラも黄ニラも育て方が違うだけで同じニラなのです。このような育て方を軟白栽培と言うそうです。

軟白なんぱく

軟白とは、

軟白栽培(なんぱくさいばい)
 野菜類の茎葉を白く柔らかく育てること。軟化栽培ともいう。野菜を暗黒化で栽培すると一般には黄化ないし白化し、組織は柔軟になり、味もまろやかになるため、通常では硬かったり、苦味が強かったりするものでも美味しく食べられるようになる。同じ種類の野菜でも軟白栽培をすることにより、食べられるようになったり、別の楽しみ方ができたりする。
 軟白の方法には、被覆、結束、土寄せ、覆土、日よけ、板囲い、水浸、むろ入室などいろいろあり、遮光の程度も対象作物によりさまざまである。最も遮光程度の強いものがモヤシで、播種から収穫まで全期間、暗黒下で栽培される。カイワレも同様であるが、収穫前に着色のため光にあてる。これらは種子の養分だけで生育する。根株を養成してその養分で生育させるものとして、ウド、チコリー、黄ニラなどがある。露地で養成した根株を掘り上げ、密植して加温むろ(暗室)に入れ、3~5週間で収穫する。最近は水耕も利用されている。黄ニラは根株床に植えたまま地上部を刈り取り、畝全体を遮光することが多い。ホワイトアスパラガスは覆土による場合が多かったが、最近では簡易な筒状遮光資材を用いるようになった。そのほか、簡易な軟白法として土寄せがあり、白ネギで一般に行なわれているが、遮光資材による株ぎわ被覆も行なわれるようになった。

ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA

軟白栽培、実は以前このブログでも紹介しています、そ、ホワイトアスパラです。

他にもあって、

軟白(軟化)
完全あるいは部分的遮光下で野菜を生育させて黄化徒長させ、品質を高めることを「軟白」あるいは「軟化」といい、そのような軟白物を栽培することを軟白(化)栽培という。しかし自然状態でも、作物の特性により軟白される自己軟白・結球軟白などと呼ばれるものがある。軟白した作物は組織の分化が不十分で、一様な柔細胞からなり、節間が伸び、全体が軟らかく多汁質となる。また糖分が多く、特殊成分の辛味・苦味・香気も弱く、葉緑素が少なく苦汁がなくなる。
軟白栽培法は、その手段により次のように分けられる。

  • 自己軟白 ハナヤサイ・セロリなど、心部に葉緑素を形成しないもの。
  • 結球軟白 キャベツ・結球ハクサイなど、結球性を有するものは結球により自然に軟白される。
  • 成熟軟白 セロリ・ネギ・ワケギ・ハスイモなど、生育中や生育後期にこれらを結束・土寄せ・密植などをして軟白する。
  • 若芽軟白 アスパラガス・ウド・ミツバ・ショウガ・ミョウガ・フキ・ニラ・チコリー・タケノコなど、根株や根茎から出てくる芽や、若芽を軟白する方法をいう。萌芽前に盛り土して、春に萌芽軟白したものを収穫する場合と、根株や根茎を貯蔵しておいて適時遮光して軟白する方法がある。
  • 芽物 ダイズ・リョクトウ・ダイコン・タデ・シソ・マツナなど、双葉が展開したとき利用するもの。マメ類はモヤシとし、ダイコン・タデなどは密播し、遮光して栽培する。

軟白(軟化) | なるほど園芸用語 | カルチベ – 農耕と園藝ONLINE

と、このように様々な野菜に使われる栽培方法のひとつ、なのです。最も身近なのは、モヤシ↓

「わざと黄色くしているのです!」黄ニラ【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

モヤシ(もやし、糵、萌やし)

主に穀類や豆類の種子を人為的に発芽させた新芽。ただし、単に発芽させたものでなく、暗所で発芽させ、徒長軟化させたものである。

モヤシ - Wikipedia

★がぉー!ポイント★

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太陽の光を遮ることで新しい価値を生みだす。スゴいですよね、黄ニラ。

とても美味しかったのですが、あまり一般的ではないのは何故でしょう。手間の問題でしょうか。ホワイトアスパラは結構見かけるのに・・・。

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。