先日、ホワイトアスパラを頂きました↓
こんな立派な感じです。いい機会なのでアスパラガスについて少し調べましたのでお話したいと思います。
アスパラガス
ところで、普通のアスパラガスとホワイトアスパラの違いってなんでしょう。まずはアスパラガス、緑の方について。
アスパラガス(竜髭菜、Asparagus spp.)
被子植物の中の単子葉植物に属する多年生草本植物である。クロンキスト体系ではユリ科に含めているが、分子系統学によるAPG植物分類体系ではキジカクシ科に属している。雌雄異株である。葉のように見えるものは実際は極端にほそく細かく分枝した茎であり、本来の葉は鱗片状に退化している。
アスパラガスって植物のどこの部分かと思ったら、茎なんですね。え?じゃあどんな風に生えているんだろうと思って調べてみると、
↑こんな感じ。ほっそーーーーい茎と枝と葉っぱ。とても頼りない感じに見えます。ところが成長してくると↓
↑わっさあーって感じで細い体?を活かして、もう生えまくってる感じです。別カットを見ると↓
↑もうこれ、なんか妖怪とかそういう感じにしか見えません。ちょっと怖いです。アルパラガスは花を付けるそうで↓
↑こんな感じのかわいくて小さなお花のようです。
ちなみにアスパラガスなんて不思議な名前の由来は、
名の由来は、原産地のギリシアの古名でアスパラゴス(甚だしく裂けるの意)とよばれ、植物学上の枝で葉のように見える部分が細かく裂けているようにみえることから名付けられている。
なるほど、小さな裂け目がたくさんあるように見えますね。別名が竜髭菜というのも同じ発想に感じます。
緑と白の違いは?
アスパラガスの生長の姿にすっかり衝撃を受けてしまいましたが、本題。グリーンアスパラガスとホワイトアスパラの違いってなんでしょうか。
ホワイトアスパラガスとは
一方、ホワイトアスパラガスは芽が出る春先に土を盛り芽を日に当てずに伸ばし、いわゆる軟白栽培をしたものです。栽培方法はいろいろあるようですが、完全にフィルムで遮光してマッシュルームのようにして栽培する方法もあるようです。
味的には、グリーンの方はやや青臭みがありまが、その分栄養価は高く、カロテンなども多く含まれています。ホワイトアスパラガスはというと、軟白栽培というだけに、食感が柔らかく、ほんのりと甘みがあって、青臭さがありません。その分逆に栄養面ではグリーンのものより劣ります。 でも、栽培に手間がかかる上、傷みやすいので流通量が少なく値段も高くなります。
かつては輸出向けに盛んに缶詰が作られ、国内でも一般的だった時代もあり、ホワイトアスパラといえば缶詰という印象が強いですが、採れたてのものを茹でたものは非常においしいです。少々高いのですが、春には是非使いたい食材です。
ホワイトとグリーン、実は両者は品種の違いではなく、栽培方法が違うだけだったんですね。
ホワイトアスパラは日を当てずに延ばしたから白くなっている、という事です。なんで白くしているのかというと、
軟白栽培(なんぱくさいばい)
野菜類の茎葉を白く柔らかく育てること。軟化栽培ともいう。野菜を暗黒化で栽培すると一般には黄化ないし白化し、組織は柔軟になり、味もまろやかになるため、通常では硬かったり、苦味が強かったりするものでも美味しく食べられるようになる。同じ種類の野菜でも軟白栽培をすることにより、食べられるようになったり、別の楽しみ方ができたりする。
軟白の方法には、被覆、結束、土寄せ、覆土、日よけ、板囲い、水浸、むろ入室などいろいろあり、遮光の程度も対象作物によりさまざまである。最も遮光程度の強いものがモヤシで、播種から収穫まで全期間、暗黒下で栽培される。カイワレも同様であるが、収穫前に着色のため光にあてる。これらは種子の養分だけで生育する。根株を養成してその養分で生育させるものとして、ウド、チコリー、黄ニラなどがある。露地で養成した根株を掘り上げ、密植して加温むろ(暗室)に入れ、3~5週間で収穫する。最近は水耕も利用されている。黄ニラは根株床に植えたまま地上部を刈り取り、畝全体を遮光することが多い。ホワイトアスパラガスは覆土による場合が多かったが、最近では簡易な筒状遮光資材を用いるようになった。そのほか、簡易な軟白法として土寄せがあり、白ネギで一般に行なわれているが、遮光資材による株ぎわ被覆も行なわれるようになった。
柔らかくするため、のようです。確かにグリーンアスパラガスは歯ごたえがあります、が、ホワイトアスパラガスは柔らかいですよね。
グリーンアスパラガスが硬いから柔らかくしたのかと思いきや、
太陽の光を遮って作った白色のもの(左:ホワイトアスパラガス)と、日に当てて緑色にしたもの(右:グリーンアスパラガス)がある。
江戸時代にオランダ船から鑑賞用として日本にもたらされたが、食用として導入されたのは明治のことである。本格的な栽培が始まったのは大正からで、欧米への輸出用缶詰に使うホワイトアスパラガスが始まりであった。その後国内でも消費されるようになり、昭和40年代以降はグリーンアスパラガスが主流となった。現在では生のホワイトアスパラガスや調理しやすいミニアスパラガスなどが店頭に並んでいる。
江戸時代に入ってきた時は観賞用、つまり先程のもっさーっとした葉っぱを眺めるだけのアスパラガスでしたが、大正時代になって、輸出向けの缶詰用としてホワイトアスパラが最初に栽培されたんだそうです。ちょっと驚きですね。グリーンアスパラガスが一般化したのは昭和も40年代というから、ずいぶん後になってからのようです。
アスパラガスって緑と白だけではなく紫色のものもあります↓
パープルアスパラガスは表皮の部分にアントシアニン系の色素を多く含み、鮮やかな紫色をした品種です。ただ、ある程度成長するとグリーンになってしまうため、収穫時期がシビアでちょっとタイミングを逃すと商品価値がなくなってしまいます。非常に生産量が少なく、主にレストラン向けや百貨店での扱いとなっています。味的にはグリーンアスパラに比べ少しやわらかく甘みも強いのが特徴です。
貴重な紫アスパラガスです。
アスパラガスの栄養
アスパラガスと言えばアスパラギン酸。
アスパラギン酸
アミノ酸の一種で新陳代謝を促し、疲労回復やスタミナ増強に効果があるそうです。また、利尿作用により、腎臓や肝臓の機能回復にも効果があると言われています。
その名でも判るようにアスパラガスから発見されました。
アスパラガスから発見!アスパラギン酸
アスパラギン酸はアミノ酸の一種で、19世紀にアスパラガスから発見されました。この成分は穂先に多く含まれるといわれています。体内の新陳代謝に重要な役割を果たし、糖質や脂質をエネルギーに変換します。そのため、疲労回復やスタミナ増強などに効果が期待されています。また、ビタミンB群・C、β-カロテン、カリウムのほか、毛細血管を強化するといわれるルチンなども含まれており、食物繊維やオリゴ糖も豊富です。
アスパラガスの旬
グリーンアスパラガス:3月〜6月
ホワイトアスパラガス:4月〜6月
アスパラガスの主な生産地は、
- 北海道 14%
- 長野県 12%
- 佐賀県 9%
- 長崎県 7%
- 熊本県 7%
- 福岡県 6%
となっているようで、北海道や長野県など涼しいところが産地かと思えば、佐賀、長崎、熊本、福岡と九州で盛んに栽培されているようです。
★がぉー!ポイント★
ということで、ホワイトアスパラのリゾットを作りました。これがとっても美味しかったです★
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。