今週のお題「マメ」
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。2月の役菜はカラシナです。
カラシナ
カラシナの旬は2月〜3月です。
カラシナ(芥子菜、辛子菜、Brassica juncea、英: Mustards)
アブラナ科アブラナ属の越年草。「芥」でカラシナを意味し、「芥子」はカラシナの種子の意味。別名ともされるセイヨウカラシナは、カラシナの原種である野生種が、明治期以降に帰化植物となったもの。
野菜(からし菜)として栽培され、旬は2 - 4月ごろとされる。葉や種子に特有の辛味があり、葉菜として食用にするもの、香辛料や油を採るものに分けられる。葉茎は長さ20 - 30 cmぐらいものがやわらかく、油炒めやおひたし、漬物、和え物、煮物、浅漬け、サラダなど幅広く利用される。
カラシナの名の通り、辛味を感じる野菜です。その辛味を利用した商品が↓
和からし
からし商品は、アブラナ科の『からし菜』という植物の種子を原料として使用しています。からしの種子はそのまま噛んでも辛みをあまり感じませんが、すりつぶして水を加えて練ると、種子に含まれる「ミロシナーゼ」という酵素が働き辛みを感じるようになります。
カラシナの花の種子をすり潰して、和からしは作られるのです。
ちなみにWikipediaには「和からし」という項目がみあたらなくて、何故か英語版にはありました。その翻訳が面白かったので載せます↓オモシロポイントは太字にしておきます。
芥子(芥子、辛子、からし、またはカラシ)は、鬼烏丸子とも呼ばれ、日本料理の調味料または調味料として使用されるマスタードの一種です。カラシはブラシカジュンセア(ブラウンマスタード)の砕いた種子から作られ、通常は粉末またはペーストの形で販売されています。粉末状のカラシは、ぬるま湯とペーストに混ぜて、数分間覆ったままにしておくことによって調製されます。
唐石は、よくとんかつ、おん、ナト、シュウマイを添えます。カラシマヨネーズと呼ばれるマヨネーズ、またはカラシス味噌と呼ばれる酢と味噌と混ぜると、ディップソースの一部として使用できます。
また、カラシナスと呼ばれる日本のナスのピクルスを作るのにも使われます。
熊本で最も有名な名物(地域の名物)の1つは、カラシレンコンです。蓮根にカラシ風味の味噌を詰め、揚げ、スライスして出します。
↑だいたい合ってる気がするけど、なんだか間違っている。
- 鬼烏丸子・・・・・・鬼(カラシを鬼って呼ぶっけ?)
- 唐石・・・・・・・・カラシ(誤翻訳)
- おん・・・・・・・・おでん(誤翻訳)
- ナト・・・・・・・・納豆(誤翻訳)
- カラシス味噌・・・・カラシ味噌(誤翻訳)
だけど、ちゃんとニュアンスは伝わっていると思われます。
カラシとワサビ
辛い調味料として「カラシ」と「ワサビ」があるように、ワサビナもあります。
ワサビナ(わさび菜、別名:愛彩菜、あいさいな、英:Wasabina)
アブラナ科アブラナ属の栽培品種である。
ワサビナはカラシナの変種なのです。
タカナ(高菜)やザーサイ(搾菜)はカラシナの変種。久住高菜や阿蘇高菜などを利用した漬物はカラシナの一族として「カラシ菜漬」に分類されることがあり、福岡県北野町特産の山潮菜漬も「カラシ菜漬」の一種とされている。
↑タカナやザーサイもワサビナと同じようにカラシナの変種のようです。
アブラナとクロガラシの自然交雑腫で日本へ伝わったのは9世紀ごろです。
西アジア、インド、北アフリカなどでは香辛料や油料として用いられ、中国や東アジアなどでは野菜用として用いられてきました。日本の古書では『加良之』や『多加菜』などの文字が見られ、そこからカラシナが関東地方で発達しタカナは関西より南側で進展していくようになりました。関西では『タカナ』と 呼ぶことが多いようですが野菜の分類では中型以下のものをカラシナ類、大型のものをタカナ類と呼んでいます。
カラシナとワサビナの両方を自分で育てて味の違いを確かめている、そんなブログを見つけました↓
わさび菜とからし菜の
味に違いはあるのか?ちょっと味見
違いがわかりません 💦
だそうです。そんなものかも知れません。
カラシナの栄養
からし菜は非常に栄養価の高い緑黄色野菜です。
葉酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分などのミネラルに加えビタミンKやβカロテンなどのビタミン類を豊富に含みます。
葉酸はたんぱく質や細胞をつくるときに必要なDNAなどを合成する重要な役割があり細胞分裂が活発な胎児の成長に役立ちます。
カリウムはナトリウムとバランスをとりながら血圧を正常に保ちます。
カルシウム、マグネシウムは骨を形成する上で欠かせない成分です。
からし菜のピリッとした辛味は、植物にとっては昆虫などからの食害を防ぐ防御物質ですが人間には食欲増進、免疫力強化といった働きがあります。この成分は耐熱性があるため、加熱しても変化しません。軽くもんだり熱い湯をさっとかけると一層辛味と風味が引き立ちます。
辛いだけ、ではなく、身体に必要な栄養素も多く含まれています。
β-カロテンを多く含む緑黄色野菜で、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどの栄養素を含んでいる。茹でて食べるときは、さっと茹でるようにするとビタミンCの流出が少ない。
茹でてしまうと水に溶けやすいビタミンCは減ってしまいますが、カラシナの持つ辛味成分は熱に強い上、むしろ辛味が引き立つのです。
★ぴょん!ポイント★
辛いものが苦手な人には「カラシナ」という名前だけで敬遠されてしまいそうですが、和からしのような感じではなく、葉っぱに辛味のちょっとあるドレッシングをかけていると思って食べたら結構いけるかも知れません。独特の味わいを持つカラシナ、今が旬です。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。