今週のお題「夢」
今週のお題「急に寒いやん」
▼静岡編 前回まで
2023年9月26日火曜日。時刻は5時過ぎ。早起きしました。
朝焼けが綺麗です。
身支度を調え、現在8時前。自転車で通学中の学生さんの向こうに霊峰富士山が見えます。とても気持のよい朝です。そして到着。
順天堂大学医学部附属静岡病院
順天堂大学医学部附属静岡病院(じゅんてんどうだいがくいがくぶふぞくしずおかびょういん、英語: Juntendo University Shizuoka Hospital)
静岡県伊豆の国市長岡1129にある医療機関。学校法人順天堂が運営する病院である。旧称は順天堂大学医学部附属伊豆長岡病院。総合周産期母子医療センター(静岡県では他に2カ所)、肝疾患診療連携拠点病院(静岡県では他に1カ所)などを有し、静岡県東部の基幹病院と位置づけられている。
昨夜の講演会で座長を務めてくださった野見山 崇 先生が、私のわがままを聞き入れてくださり、順天堂大学医学部附属静岡病院を見学することが適いました!
▼昨日の講演会の様子
野見山崇先生とは以前福岡にいらっしゃった頃、弊院 二田哲博クリニック[ 姪浜 ]で診察をされていたこともあったのですが、私も管理栄養士としての業務があるので野見山崇先生の診察風景を見るという機会はまったくありませんでした。
今回のような機会はたぶん多くはないので、ご迷惑になることは重々承知の上ですが、思い切ってお願いしたところ、野見山崇先生は快く引き受けてくださいました!
ということで念願の「野見山崇先生の診察風景を見学」することとなりました。
今回は私視点での順天堂大学医学部附属静岡病院についてのレポートです。なお、私が感じたことをベースに書いていきますのでご了承ください。
透析予防外来
まずは管理栄養士、看護師(特定看護師)のよる、患者へ透析予防のためのカウンセリングを見学。
管理栄養士と看護師の部屋が隣同士になるようにレイアウトされていました。食事の話を中心に管理栄養士が聞き取った内容をそのまま看護師に引き継がれるため、スムーズな連携が行われていました。
予約制なので患者自身が食事や生活について見直すという予め心の準備ができるため、医療関係者と患者間で共通した目的を持ちやすく、そのため内容が充実していました。
透析予防は私も管理栄養士として重要なテーマとしている課題。透析を必要としないための食事カウンセリングを常に心がけています。透析は生活を一変させてしまいます。見学の中で学んだことは「患者自身との目的の共有が重要」ということ。患者がその目的をしっかり把握し、認識することが予防へ繋がる強い力だと感じました。
待合
循環器内科、呼吸器外科、心臓血管外科の待合。多くの人がいました。さすが、静岡の中核病院。
特定看護師
特定看護師の渡邉 あつ子 先生。
↑この背中に書かれた「特定看護師」の文字、かっこよすぎます・・・。かっこよいのは名前やユニフォームだけではもちろんありません。
特定看護師(とくていかんごし)日本で導入が検討されている医療従事者の呼称。
概要
日本の看護師は、医師の指導の下、医療行為を行うことができるが、今後、医療の高度化や高齢化が進み、医療現場の負担が増えることが予想されているため、より高度な医療行為に携わることができるよう高い能力と実務経験を持つ看護師を特定看護師として認定しようとするもの。2011年現在、厚生労働省により検討が進められている。なお、日本医師会からは、安全性を理由に制度の導入に反対する意見が出されている。特定行為研修制度とは
「特定行為に係る看護師の研修制度」は、保健師助産師看護師法に位置付けられた研修制度で、2015年10月から開始されています。手順書により特定行為を行う場合は、本研修の受講が必要となります。研修を修了した看護師には、患者さんの状態を見極め、タイムリーな対応をすることなどが期待されています。
と、まさに「プロフェッショナル・ナース」なのです。その業務範囲は広くしかも重要な医療行為ばかりです。現場実務のドクターって感じです。
そんなスゴイ!人のお時間を頂戴してしまい本当に恐縮、です・・・。野見山崇先生が信頼しているんだろうなーってすぐに判りました。
野見山 崇 先生
いよいよ、野見山崇先生の診察を見学です。
野見山 崇 のみやま たかし
順天堂大学医学部附属静岡病院 糖尿病・内分泌内科 教授出身大学
- 順天堂大学卒(1995年)
認定医・専門医など
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医
- 日本内分泌学会内分泌代謝科指導医
- 日本糖尿病学会専門医
- 日本糖尿病学会研修指導医
- 日本糖尿病協会療養指導医
- 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
専門分野
- 糖尿病・内分泌代謝疾患
- 糖尿病と血管障害、がん
- 糖尿病治療薬の臓器保護作用
- 糖尿病アドボカシー活動
最初からびっくりしました。患者さんが診察室に入ってきてからすぐに「距離」を縮めていました。まるで毎日顔を合わせているかのように、野見山崇先生はどんな患者さんの懐に飛び込んで行く、そんな感じでした。どの患者さんもみなさん、そんな野見山崇先生に素直に日々の出来事を話していました。(ちょっとたとえが合ってないかも知れませんが)まるで友達とだべっている、そんな雰囲気。『ゴルフどうだった?』『ダイエットドリンクどうしたの?』と言った感じでどんどん患者さんの生活を人懐っこい感じ、そんな親しい感じの会話の中でもしっかり要点を拾い、改善アドバイスを明確に話していました。そんなもの凄く内容の詰まった時間ですが、あっという間なのです。診察にムダがない。何より、診察後の患者さんの誰もがみなさん満足して帰って行くのです、ひとりの例外もなく「笑顔」で。さすが野見山崇先生。講演会でも魅惑?!のトークで会場を魅了されているだけのことはあります。
折角なので野見山崇先生に色々質問してみました!
私)野見山崇先生は私たちメディカルスタッフにどんな事を求めていますか?
野見山崇先生)「お母さん役」になってほしいんだよね。医師は言わば「お父さん役」。診察室で会話するには制限がありどうしても限界がある。他人に思っていることを話すことはとても大切なこと。自分の思っていることをメディカルスタッフに伝えることで解決することもたくさんある。だからお父さんには話せないことでも、お母さんには話せることもあるでしょ?だから、患者さんには「お母さん」のように接して欲しい。何でも話せるそんな関係になって欲しい。
とても納得しました。
管理栄養士
今回院内を案内してくださったのは管理栄養士の人。私としては同業?仲間?同志?なので色々と質問もさせて頂きました。以下、要点です。
- 栄養指導は1日に7〜8件程度。ゼロの時はその他の業務に当たっている。
- 糖尿病内科からの依頼が多く、次いで循環器。
- 糖尿病診断されていても、糖尿病内科で治療しているとは限らない。例えば当院の循環器を最初に受診した患者で、そこで糖尿病診断されたらで循環器と併せて糖尿病治療をしている。
- 栄養指導のオーダーが多い順は 糖尿病>循環器>腎臓内科>消化器、肝臓
- コロナ前は術前や血糖コントロール目的で2週間の教育入院でフットケアなど集団での講義を行っていたが、実現が難しくなったため、病院給食を食べて調整する感じで行っている。
- コロナ前は患者の食事会などを開催していた。
- 初回の栄養指導で ①5回立ち上がりテスト ②握力 ③Inbody測定 を行っている。
- 管理栄養士1年目の仕事 事務作業、検品、発注。病棟でアレルギーの聞き取りなどを担当してもらっている。
とのこと。私の勤務する糖尿病専門クリニックと地域の中核を担う大病院を比較すること自体ナンセンスですが、それでも多くのヒントを頂いてしまいました。
野見山崇先生についても管理栄養士さんに訊ねてみました。
野見山崇先生が順天堂大学静岡病院に赴任されてから医師が患者に「〇〇してください」という治療ではなく、患者のペースに合わせて、患者を受け入れる尊重する治療に大きく変化しました。野見山崇先生は、この患者は「今」こうなので、その中でどういうことが「ベスト」なのかを考えて患者に常に提案し続けています。特に患者に積極的に栄養指導の必要性を伝えてくれているので、話す前から患者の中で受け入れ体制ができているので、話をスムーズに聞き入れてくれるようになりました。
野見山崇先生には内緒にしておきます(謎)。
★ぴょん!ポイント★
講演会での活躍しか知る機会がなかったのですが、臨床の現場を目の当たりにして、やはり野見山崇先生の凄さを痛感しました。それは診察室だけに留まらず、医療機関全体に影響を与え、そして医療スタッフの誰もがそれを受け止め、行動に移している。それらは、患者さんが証明していると感じました。
最後になりましたが、野見山崇先生をはじめ、順天堂大学医学部附属静岡病院のみなさん、お忙しい中、ありがとうございました。
そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。