2024年、新年あけましておめでとうございます。
2024年=令和6年、今年の干支は「たつ」。
たつ年。あなたはどちらの「たつ」の漢字を使いますか?↓
実際どっちの漢字が正しいのでしょうか。
「龍」を簡単にした字が「竜」です。
現在,「龍」は人名用漢字で,「竜」は常用漢字です。歴史人物の表記については,統一のルールがあるわけではありません。複雑で難しい字ではなく,できるだけ常用漢字を使うべきだという考えと,本人が使った字を使うべきだという考えの両方があります。
- 龍・・・人名用漢字
- 竜・・・常用漢字
なんだそうです。
常用漢字(じょうようかんじ)
「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として、内閣告示「常用漢字表」で示された現代日本における日本語の漢字である。現行の常用漢字表は、2010年(平成22年)11月30日に平成22年内閣告示第2号として告示され、2,136字、4,388音訓(2,352音、2,036訓)から成る(一覧)。
人名用漢字(じんめいようかんじ)
日本における戸籍に子の名として記載できる漢字のうち、常用漢字に含まれないものを言う。法務省により戸籍法施行規則別表第二(「漢字の表」)として指定されている。
常用漢字は一般的に使われる漢字で、人名用漢字は文字通り名前用として使える漢字のようです。
「龍」と「竜」の漢字の違い
さらに「龍」と「竜」の漢字の違いについて調べてみました。
「竜」と「龍」というのは、こだわりを持つ人が多い漢字で、「芥川竜之介」などと書こうものなら、「そんなんじゃ芥川じゃない!」と怒り出す人がいるくらいです。しかしこの2つの漢字、いわゆる異体字の関係にあって、「竜」が新字体、
「龍」が旧字体であること、ご質問をくださった方がおっしゃるとおりです。
033601旧字体というからには、当然ながら「龍」の方が古いものと思われます。しかし、最も古い時代の漢字の形を伝えている甲骨文字では、この字は図の左側のような形をしています。さらに、甲骨文字の次に古いとされる金文(きんぶん)では、右側のような形になります。これらの形を見ている限り、どちらかと言えば「竜」の方が本来の形に近いものと思われます。
しかしよく見てみると、甲骨文字では、右側に背びれ(?)のようなものが突き出ていることがわかります「龍」という漢字は、この背びれの部分を強調して書いたものだと言われています。つまり、「竜」は甲骨文字の直系の子孫なのに対して、「龍」はかなり誇張された子孫だ、というわけです。なんだか、紅白歌合戦の某歌手の衣装を思わせるほどの誇張のされ方ですよね。
このように考えると、「竜」と「龍」とは、どちらかが親でどちらかが子という関係ではなく、兄弟の関係だということになります。にもかかわらず、「竜」が新字体で「龍」が旧字体だというのは、歴史的にはずっと「龍」の方が正字だとされてきたからに他なりません。純朴な長男よりも、派手好きな次男の方が世間の受けはよかった、というわけです。
「龍」は「竜」の旧字体だそうですが、元々は「竜」の方が正しいのだという話を聞いたことがあります。本当ですか?|漢字文化資料館
つまり、どちらが旧字体なのかすらよく判っていない、ということのようです。
「辰」の文字
では干支に使われている「辰」の漢字はどんな文字なのでしょうか。
辰(たつ、しん)
十二支のひとつである。通常十二支の中で第5番目に数えられる。
では、龍や竜と辰の文字の違いは何でしょうか?
「辰」は十二支の一つで、動物としては竜が当てられていますが、架空の動物としての竜の意味では「辰」は使いません。
十二支としては「辰」の漢字。
しかし
「竜」の意味で「辰」は使わない!
とのことです。
では「辰」とはどういう意味を持った漢字なのでしょうか?
なお、「辰」は貝が貝殻から足を出している様子を表した象形文字です。それを部首とする漢字の一つ「蜃」はおおはまぐりの意味ですが、蜃気楼を起こすという伝説上の動物の意味もあります。しかし、「辰」が十二支の一つで動物として竜が当てられたものの意味で使われるようになった理由は、私の漢和辞典によると、よくわかっていないとのことです。
「辰」について
諸橋轍次『大漢和辞典 巻10』修訂版 大修館書店, 1985【813.1/モ1-2/10タR】
p.1093「辰」の「解字」の項「會意形聲。十二支のたつの意。(中略)象形。二枚貝が殻から足を出してゐる形に象る。」「竜」「龍」「辰」の漢字について辞典によって解説が異なっている。自宅の辞典で調べたところ,『漢語林』... | レファレンス協同データベース
なんと「辰」は貝の象形文字、なんだそうです。
「龍」と「竜」の違い
ここで改めて「龍」と「竜」の文字について調べてみます。
たつ【龍】
〘名〙 想像上の動物。体は大蛇に似て、背に八一の鱗(うろこ)があり、四足に各五本の指、頭には二本の角があり、顔が長く耳を持ち、口のあたりに長いひげがあり、喉下(のどもと)に逆さ鱗を有する。水に潜み、空を飛んで雲を起こし雨を呼ぶ霊力があるとされる。りょう。りゅう。
竜(りゅう、りょう、たつ、龍)
神話・伝説の生きもの。西洋のドラゴンとの違いについては当該項目参照。
旧字体では「龍」で、「竜」は「龍」の略字であるが、古字でもある。「龍」は今日でも広く用いられ、人名用漢字にも含まれている。中華人民共和国で制定された簡体字では「龙」の字体が用いられる。「りょう」は正音、「りゅう」は慣用音となる。
龍or竜は伝説の行き物。その特徴は、
- 体は大蛇に似ている
- 背に八一の鱗(うろこ)がある
- 四足に各五本の指
- 頭には二本の角がある
- 顔が長く耳がある
- 口のあたりに長いひげがある
- 喉下(のどもと)に逆さ鱗を有する
- 水に潜む
- 空を飛んで雲を起こし雨を呼ぶ霊力がある
ということのようです。ということは、
干支の「たつ」のイメージにぴったり!ですね。
やはり、干支の「たつ」とは龍/竜のことだったんですね。でも、文字としては「辰」と書き、辰は龍/竜の意味はなく、貝の象形文字、ということのようです。
判ってきましたが、何だか腑に落ちない感じがしますね。では英語の場合はどうなんでしょう。
英語のDragon
ドラゴン(英: dragon)
ヨーロッパ文化圏で共有されてきた伝承や神話における伝説上の生物である。その姿はトカゲあるいはヘビに似、かつては実在する生き物とされていた。
漢語・日本語の竜と英語の dragon は翻訳上の対応関係にあり、竜/ドラゴンのモチーフは世界各地の文化に共通しているという考え方もあるが、西欧世界のそれは、竜という語が本来的に指し示す東アジアの竜/ドラゴンとは明確に異なった特徴を有する。本項目では主に英語圏で "European dragon"(ヨーロッパのドラゴン、cf. en)、"Western dragon"(西洋のドラゴン)とも呼ばれるドラゴン、および、関連する蛇の怪物や蛇の精霊を扱う。
対応関係とありますが、Dragonの特徴を見ていきます。
ドラゴン 特徴
ドラゴンは鱗に覆われた爬虫類を思わせる体、鋭い爪と牙を具え、しばしば口や鼻から炎や毒の息を吐く。典型的なドラゴンは有翼で空を飛ぶことができるが、地を這う大蛇(サーペント)のような怪物もドラゴンに分類され、とくにゲルマン系の伝説ではしばしば地下の洞穴をすみかとしている。角を持つ者もいる。体色は緑色、黄金色、真紅、漆黒、濃青色、白色などさまざまである。ドラゴンは炎を吐き、蛇の尾、鳥の翼と魚の鱗を有するハイブリッドな動物であり、四大元素を体現する存在でもあった。とはいえ、ドラゴンは常に定まった形象を具えていたわけではなく、時代を経るにしたがってさまざまな属性を付与されてイメージが肥大化していった。
Dragon(ドラゴン)の特徴は、
- 鱗に覆われた爬虫類を思わせる体
- 鋭い爪と牙を持っている
- しばしば口や鼻から炎や毒の息を吐く
- 典型的なドラゴンは有翼で空を飛ぶことができる
- 地を這う大蛇(サーペント)のような怪物もいる
- 角を持つ者もいる
- 体色は緑色、黄金色、真紅、漆黒、濃青色、白色など
- 炎を吐く
- 蛇の尾
- 鳥の翼
- 魚の鱗
とあります。
龍/竜との1番の違いは「翼を持っている」点でしょうか。龍/竜には翼はありませんが、空を飛べるようです。
さらに、
英語の dragon(や他の西洋諸語におけるこれに相当する単語)の訳語として「竜」が用いられるように、巨大な爬虫類を思わせる伝説上の生物を広く指す場合もある。さらに、恐竜をはじめとする爬虫類の種名や分類名に用いられる saurus(σαῦρος、トカゲ)の訳語としても「竜」が用いられている。このように、今日では広範な意味を持つに至っている。
トカゲもドラゴンと呼ばれていることがあるそうです。そういえば、コモドドラゴンとかいますね。
コモドオオトカゲ(Varanus komodoensis)
爬虫綱有鱗目オオトカゲ科オオトカゲ属に分類されるトカゲ。別名、コモドドラゴン。
これってトカゲというよりもワニじゃないのかなーって思ってしまいます。
ワニ(鰐、鱷)
爬虫綱ワニ目(ワニもく、学名: Crocodilia) に属する、肉食性で水中生活に適応した爬虫類の総称。扁平な体や顔の上に位置する感覚器官、側方に付き出した四肢、強靭な尾、背中を覆う鱗板骨などが特徴である。ワニ目は正鰐類の1グループとして中生代後期白亜紀に出現した。祖先である基盤的新鰐類や基盤的正鰐類よりもさらに半水棲の生活に適応している。その形態ゆえに、全ての時代を通して、淡水域の生態系の生態ピラミッドにおける最高次消費者の地位を占めてきた動物群である。ワニ目はアリゲーター科、クロコダイル科、ガビアル科の3科に分類される。
現在生存する生きものの中で、ワニが1番「龍/竜」の姿に似ていると思うのですが、それは?
実際にワニが龍/竜では?説があるようです↓
水に棲む爬虫類たるワニが竜の正体を成すのも想像に難くない。というより、竜はかなりワニである、竜の顎の下にある逆鱗(げきりん)に触れると必ず殺されるというが、ワニは顎の下に下顎腺という臭腺があり、興奮すると反転して外に突出し、よくわかるようになる。こうした特徴も竜の正体がワニであることを示す。ワニは恐竜や飛行性爬虫類、鳥と系統的に同じグループであり、トカゲとは別系統であることが最近の進化学で判明しているが、西欧の竜も、ワニの一族であることがますます明らかである。
十二支暦も併用していたトルコ民族は、辰年も当然使用していた。カシュガルル=マフムードによる「トルコ語集成」には、辰にワニの訳語を与えている。
~「辰」を食べる~竜はおいしく食べられる | 千石正一 十二支動物を食べる 世界の生態文化誌 | ダイヤモンド・オンライン
やっぱりそう思いますよね???
ただ、今まで生きてきた中で、ハトやスズメ、カラスなどの鳥類、犬や猫は見かけても、ワニは日本ではまず見かけません。動物園にでも行かないと見ることはできません、が、実は日本昔話の中に「ワニ」が登場します。それが因幡の白兎の話です。
因幡の白兎
今日では、「稻羽之素菟(いなばのしろうさぎ)が淤岐島(おきのしま)から稻羽(いなば)に渡ろうとして、和邇(ワニ)を並べてその背を渡ったが、和邇に毛皮を剥ぎ取られて泣いていたところを大穴牟遲神(大国主神)に助けられる」という部分だけが広く知られている。
因幡の白兎のお話全編はこちら↓
と、和邇(ワニ)が登場するのです。この話のロケーションは日本海側。とてもワニが棲めるほど暖かい海ではありません。ではこの和邇(ワニ)とはなんなのか、というのが議論されているようです。
和邇(ワニ)
日本の昔話には海のワニがあちらこちらにでてきます。
例えば、因幡の白ウサギは、ウサギがワニを騙そうとして失敗するという話です。山幸海幸の話では、ワニにのって主人公が海の宮殿から地上に帰還します。浦島太郎では亀に乗って往復しますが似たような話です。さて、このワニがなにをさすのかという解釈は議論がやかましいのでちょっとのぞいてみましょう。
主に、ワニ=ワニ(爬虫類)説とワニ=サメ(魚類)説がバトルになっています(笑)
1.ワニ=ワニ(爬虫類)説
これは素直に読む説です。アフリカ・東南アジア等々に生息する爬虫類のワニであるという説です。これは物語をそのまま採用する説です。2.ワニ=サメ(魚類)説
これは、日本近海にはワニはいないのでサメ(魚類)のことと解釈する説です。3.ワニ=龍(幻獣)説
これは古事記でワニがでてくる話が日本書紀では龍になってるという話からです。神話世界の話なので現実世界のワニとは別ものであるとして解釈する説です。
さて、ワニ=サメ説について考えてみましょう。確かにサメ(魚類)をさしてワニと呼ぶ地域があることは事実です。ただ、今の日本にワニ(は虫類)はいないというのが主な根拠になっているようです。そうすると「今の日本にワニ(爬虫類)はいない」という自分の現実に物語をあわせる解釈になります。この論理で神話のワニをサメ(魚類)と解釈するのは「視野の狭い」説といえます。過去の情報と自分の現実が対立した時に、自分の現実のほうにあわせるという話だからです。
ワニ=サメって考えると、うーん、これは納得いきますねー。
でも、挿絵なんかを見ると↓
↑こちらは「サメ」ですが、
↑こちらは「ワニ」です。
辰は貝ではなく、ドラゴンに1番姿形が似ている「ワニ」がいいかなーと何となく思います。それに昨年2023年がウサギ年、そして今年2024年が辰年をも考えると「ウサギを追いかけるワニ」って感じがして干支の並びにも意味が見いだせそうです。
話がかなり逸れてきたので「龍/竜」に戻します。
龍の咆哮
咆哮
読み方:ほうこう
別表記:咆吼
獣が激しい勢いで咆えること。猛って啼くさま。通常は「咆哮」の字が用いられるが、「獅子吼」などでは「吼」も含まれる。
伝説上の生きもの「龍/竜」ですが、どんな鳴き声をイメージしますか?
実はその咆哮、鳴き声を聞くことができるそうです!場所はこちら↓その名も龍城神社。
龍城神社(たつきじんじゃ)
愛知県岡崎市康生町にある神社。岡崎城の跡地に鎮座し、東照宮の一つである。
龍/竜の咆哮、YouTubeで公開されていました↓
さて、あなたにはどんな風に聞こえたでしょうか?
私には「グォーーーーーーーー!」と聞こえたので、2024年は↓
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
にしたいと思います。
改めまして、2024年は「辰年」。伝説の生きものにあやかって私も伝説を残したい!というのは身分不相応なので、私にあった私のペースでやっていきたいと思います。
龍は正しさを軸に生きる、正義感が強い生きものとされているようです。自分の才能を追い求め、高い理想を持ち、しっかりとやっていきたいです。
龍の強さは優しさ。そんな1年になるように頑張りたいと思います。2024年もどうぞよろしくお願い致します。
ーーーあなたにとって2024年がよい年でありますように。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。