特別お題「わたしがブログを書く理由」
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役魚」。
私は健康なカラダづくりに役立つ海の幸・魚介類を【役魚やくぎょ】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える魚たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。9月の役魚はタチウオです。
タチウオ
タチウオは7月から11月と旬が長いのが特徴です。
タチウオ(太刀魚、立魚、帯魚、魛、学名:Trichiurus lepturus、英名:Largehead hairtail)
スズキ目サバ亜目タチウオ科に属する魚類。回遊魚。
こうしてみるとやっぱり細長ーーーいですね。細長い魚と言えば、ウナギやアナゴがいますが、
タチウオはキラキラ輝く銀色のウロコがより魚感を感じますね。
タチウオという名前
その細長く銀色に輝く体。どう考えてもフォルムが「刀」に似ているから?
タチウオ 名前の由来
その外観が銀色で太刀に似ていることより、「太刀魚」(タチウオ)と名づけられた(「刀」の字を取って「魛」と表記することもある)。別名にタチノウオ、タチ、ハクナギ、ハクウオ、サワベル(福島県での呼び名でサーベルが由来)、シラガ、カトラスなどがある。英名の由来は、和名の由来と同じようにその外観が「カットラス(舶刀)」と呼ばれる湾曲した刃を持つ剣に似ていることから、「カットラスフィッシュ」 (Cutlassfish) と呼ばれる。また、「サーベルフィッシュ」と呼ばれることもある。
やっぱり!そうでした。でも刀は刀でも「太刀」。
太刀(たち)
日本刀のうち刃長がおおむね2尺(約60 cm)以上で、太刀緒を用いて腰から下げるかたちで佩用(はいよう)するものを指す。平均的な刃長は約80 cmほどである。なお、刃を上向きにして腰に差す打刀とは区別される。佩用でも差して用いるものも、その際の刃の左側(左腰での体の外側)が表であり(佩表と差表)、茎の表へ刀工の「銘」を切ることから、両者は区別可能だが、少なからず例外も存在する。なお古墳出土品や正倉院伝来品などの上古の直刀については区別して「大刀」の字を当てるが、同じく「たち」と読ませている。
太刀の種類 長さによる分類
太刀
現代では刀身が2尺(60 cm)以上、3尺(約90 cm)未満のものを指す。刀身が2尺6寸(76 cm)以上のものが多い。大太刀
野太刀とも呼ばれ、刀身が3尺以上の太刀を指す。大型のものでは10尺(約3.3 m)以上になるものも存在する。鎌倉時代に好んで作られたが、後に摺り上げられて通常の長さに直されてしまったものが多く、現存するものは少ない。小太刀
刀身が2尺未満のもの。形状は直線的なものが多い。現代では脇差との違いは曖昧であり、その存在理由については各説ある。刀身長による分類の方法には、文献や研究者によって違いがあり、大太刀が刀身が5尺(約150 cm)程度のものを、野太刀が刀身が3尺以上のものとすることもある。一般的には大型の太刀をまとめて大太刀と呼び、別称して「野太刀」とも呼ぶことが主流である。
日本刀にも種類があるようです。ちなみに、タチウオの体長は成熟したもので 100 cm。サイズもぴったりです!
大きなタチウオは「ドラゴン」!
タチウオの中でも大きなものを「ドラゴン」と呼ぶそうです。
確かに「ドラゴン」に見えます。それにしても、大きい!!!ビッグ過ぎてビックリ!
釣り人民のみなさんには大人気のようです。
実はカタナだけじゃない!?
すっかり太刀に似ていることが由来かと思っていたら、別の説もあるのを見つけましたので紹介します。
伝家の宝刀 「 タチウオ 」
太刀魚と表記されるように、体型が太刀に似ていることから命名されました。立って泳ぐから立ち魚だという説もありますが、明るい昼間は沖の深場に潜んでいます。夜になって岸近くまで来たとしても、外灯がない時代にその姿を見ることは難しかったでしょう。普段人々が目撃しにくいその姿勢よりも、流通時に目につく特徴的な体型からきたと考えるほうが自然です。江戸時代末期の 「 魚鑑 」 という書物にも 「 太刀の魚 」 として、「 鱗はなく、色は雲母紙のごとく、状狭長にして刀剣に似たり 」 と紹介されています。
タチウオのタチは「太刀」だけでなく、立って泳ぐから「立ち魚」から「タチウオ」という説もあるそうです。ということで、追加情報を探してみると↓
夏から秋にかけては防波堤からもよく釣れるため、釣り人にも人気の魚で、大きなものは「ドラゴン」と呼ばれたり、体の幅を「指3本」「指5本」といったり、独特の尺度で大きさを表現します。
もうひとつ釣りに関連したところでは、タチウオは幽霊魚とも呼ばれることがあります。魚群探知機に写っていた太刀魚の群れが、スッと消えてしまったり、昨日まで多く釣れた場所で今日は全く釣れず、遠く離れた場所で釣れたりと、神出鬼没な魚のためのようです。
面白いくらい、不思議なくらい、立っています↑ こんな姿を見ると「カタナ」も「立ち泳ぎ」もどちらも由来って感じがしますね。
タチウオの銀色の秘密
実はタチウオの銀色には秘密があるようです。
タチウオの一番の特徴である、あの光輝く銀色はグアニン(太刀箔/魚鱗箔)と呼ばれる成分です。鱗を持たないタチウオは、グアニン質の層で体の表面を保護しています。このグアニンという物質は、模造真珠やマニキュア、アイシャドウのラメなどの銀粉の原料。
現在、銀粉は人工的に合成されたものがほとんどですが、今でも一部、グアニンから採れた銀粉が使われ続けています。
グアニンってDNAで使われている物質!
グアニン (guanine)
分子式が C5H5N5O の、核酸を構成する5種類の主な塩基のうちのひとつ。プリン塩基である。分子量は 151.13。グアニンから誘導されるヌクレオシドはグアノシン。右図の構造に対応するIUPAC名は 2-アミノ-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン (2-amino-1,9-dihydro-6H-purin-6-one) であるが、ほかに互変異性として、1,7-、3,7-、3,9-ジヒドロ体をとることができる。DNA、あるいはRNAの二重鎖構造の中ではシトシンと3本の水素結合を介して塩基対を作っている。サケ科やタチウオ、サンマ等の魚類の銀白色部位を構成する主要成分でもある。名称の由来は、海鳥の糞の堆積物(グアノ)中から発見されたことによる。
グアニンなら、私もそしてあなたの身体の中にも必ずある物質です。
タチウオの栄養
タチウオにはグアニン以外にも多くの栄養を含んでいます、特に注目したいのは、
タチウオの身はさっぱりとした白身の印象とはうらはらに、DHAやEPAといった健康のために積極的に摂りたい油であるオメガ3系脂肪酸を豊富に含んでいます。
たちうお/生 可食部100g中
- オメガ3系脂肪酸・・・3.15 g
- DHA・・・・・・・・1400 mg
- EPA・・・・・・・・970 mg
(出典:日本食品標準成分表2020年度版(八訂))
宮崎のタチウオ
タチウオと言えば、私には思い出があります。それは宮崎の漁港で水揚げされたタチウオたちです↓動画もありますよ。
バケツに入れられたタチウオたち・・・。忘れられません。
★ぴょん!ポイント★
鋭い牙のような歯、大きな口、ギロっとした眼。なかなかの悪役顔のタチウオ。でもその身は白身で淡泊、とっても美味しいです。ぜひ旬の今、タチウオを味わってください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。