今週のお題「最近ゲットしたもの」

毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。11月の役菜はカボチャです。
カボチャ
カボチャの旬は10月〜12月です。

カボチャ(南瓜)
ウリ科カボチャ属に属する果菜の総称である。原産は南北アメリカ大陸だが、主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカである。皮を含む果実を食用とし、不飽和脂肪酸、ミネラル、たんぱく質、βカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、これらのビタミンを含む。種には炭水化物と脂肪が含まれる。若葉、茎、花も可食可能である。種は油、カリウム、マグネシウム、カルシウムを含み、パンプキンシードオイルの原料となる。

カボチャは本来夏野菜!?

カボチャの収穫は夏ですが、追熟させることで糖度が増し、秋から冬にかけておいしくなります。
カボチャは収穫後追熟させて美味しくなります
カボチャは鮮度が良い物が美味しいという訳ではありません。逆に、しっかりと熟成され、でんぷんが分解されて糖分に変わり、ホクホクとした食感と甘みを感じられるようになったもの選びます。冬至にカボチャを食べるという習慣があるように、たいへん貯蔵性のよい野菜です。冬至にカボチャを食べる理由は、栄養が高いカボチャを食べて「風邪の予防」や、現代のように食料が豊富ではなかった時代では、夏に収穫したカボチャを保存して食べていたことも理由のひとつといわれています。

カボチャの保存方法
カボチャはちゃんと保存すると長持ちする上に美味しくなるのです。

貯蔵方法
まるごと置いておく場合
新聞紙でくるんでなるべく涼しい風通しの良いところに置いておく。カットした物
種とワタの部分から傷み始めるので、ワタと種を掻きだし、ラップでピッタリと包んで冷蔵庫に入れます。STUDY-11 今回はカボチャについて学んでみましょう!|緒方湊の誌上セミナー|とうきょうの恵みTOKYO GROWN

カボチャとはカンボジアのこと!?
「カボチャ」って発音、ちょっと変わっていますよね。他にない独特な感じ。特に最後が「ちゃ」というのが何だかかわいい。カボチャの語源について調べました。

カボチャという名前
日本語
「カボチャ」は、16世紀にポルトガル船が九州に渡来した際に寄港地のカンボジアからもたらされた野菜と伝えられ、ポルトガル語で「カンボジア」を意味する「Camboja」(カンボジャ)に由来し、「カンボジャ瓜」が転じて「カボチャ瓜」「カボチャ」」となった。「柬埔寨瓜(かぼちゃ)」などと記載された[8]。方言では「ぼうぶら」「ボーボラ」とも呼ばれ、これもポルトガル語で「カボチャ」や「ウリ類」を意味する「abóbora」(アボボラ)に由来する。江戸時代後期の『和漢三才図会』(1713年)では、ポルトガル船の寄港地であった中国の南京に由来して「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」とも呼ばれる。現代の漢字表記「南瓜」は中国語: 南瓜 (ナングァ; nánguā)による。なお、中国では健康、豊穣の象徴として、「庭園の皇帝」とも呼ばれている。
なんと「カンボジア」なんですね!言われれば「カボチャ」と「カンボジア」、確かに似てます!

カンボジア王国(カンボジアおうこく、クメール語: ព្រះរាជាណាចក្រកម្ពុជា)
通称カンボジアは、東南アジアのインドシナ半島南部に位置する立憲君主制国家[8]。東南アジア諸国連合加盟国であり、通貨はリエルである。人口1671万人、首都はプノンペン都。南はタイランド湾に面し、西はタイ、北はラオス、東はベトナムと国境を接する。国民の90%以上が、クメール語(カンボジア語)を話し、仏教(上座部仏教)を奉ずるクメール人(カンボジア人)である。国歌は『王国』である。

Pumpkin(パンプキン)の語源
カボチャは英語で「pumpkin」。パンプキンの語源は何でしょう。

英語
オックスフォード英語辞典によれば、「pumpkin」は「メロン」を意味する古代ギリシア語「πέπων」に由来するという。ラテン語の「peponem」、中期フランス語の「pompon」を経て、初期近代英語の「pompion」に転化した。17世紀、イングランドからやってきた人植者たちが、現在のアメリカ大陸の北東部に到着してまもなくこの植物を発見したのち、「pumpkin」と呼ばれるようになった。「pumpkin」の語源はマサチューセッツ州の言葉「pôhpukun」で、意味は「丸く育つ」。この言葉は、マサチューセッツ州の「Wôpanâak」の方言を話すワンパノアグ族(Wampanoag)が、現在のマサチューセッツ州プリマス入植地の入植者たちにカボチャを紹介する際の言葉として使われたようである。英語の「squash」もマサチューセッツ州の言葉に由来し、「askꝏtasquash」、「ashk8tasqash」、ナラガンセット語(Narragansett Language)では「askútasquash」と、様々な表記がある。「pumpkin」という言葉は、植物学の分野でも科学の分野においても意味が定まっておらず、「Squash」や「Winter Squash」と同じ意味で使われている。アメリカ合衆国とイギリスにおいては「pumpkin」は「クークルビータ・ペポ」(Cucurbita Pepo)に由来するオレンジ色をした丸い品種の「Winter Squash」を指すが、オーストラリアやニュージーランドにおいては「Winter Squash」全般を指す。オーストラリアとニュージーランドにおいては、「pumpkin」も「squash」も同じ意味で使われることが多い。
- 「メロン」を意味する古代ギリシア語「πέπων」→「pumpkin」
- 古代ギリシア語「πέπων」→ラテン語の「peponem」→中期フランス語の「pompon」→初期近代英語「pompion」
- pumpkin=squash(スクワッシュ)=カボチャを含むウリ科カボチャ属の野菜の総称
ということのようです。

カボチャの色々な呼び方
英語では色々な呼び方があって定まっていないってありましたが、日本でも色々な呼び方があるようです。

カボチャの色々な呼び方
かぼちゃ
16世紀にカンボジアに寄港したポルトガル船が、大分に漂流した際に持ち込んだことがきっかけ。「カンボジア」がいつの間にかなまって「かぼちゃ」になったといわれています。南京
中国の南京に寄港した日本船から広まったことから「南京」と呼ばれるようになったといわれます。ボウブラ
ポルトガル語の「abobora(ウリ科の植物)」に由来するといわれています。富山県の五箇山地方では、ボウブラに似た「ぼべら」と呼ばれます。
カボチャを漢字で「南瓜」と書き表すのは、南京の瓜からだと考えると納得できます、ね。

ボウブラ
熊本伝統野菜には「ボウブラ」というのがあって、ウリ科、カボチャの仲間なんだそうです。
「ぼうぶら かぼちゃ」は、「ぼうぶら」という熊本の伝統野菜のことで、ひょうたんのような形をしています。この「ぼうぶら」は一般的なかぼちゃとは品種が異なり、水分が多く、甘くてクリーミーな味わいが特徴で、スープやサラダ、ジャムなどに適しています。一方、似た言葉の「坊ちゃんかぼちゃ」は、手のひらサイズのミニかぼちゃの品種です。
ぼうぶらについて
- 地域性 熊本県で古くから栽培されてきた伝統野菜で、「ひご野菜」にも認定されています。
- 形 ひょうたん型や、首が長い鶴首かぼちゃに似た形など、種類があります。
- 特徴 水分が多く、滑らかな食感。甘い香りがし、糖度が高く甘みが強い。果肉が柔らかく、鮮やかな黄色

古代人が食べていたのはカボチャの「種と皮」!?
調理前のそのままのカボチャの皮はかなり硬くて包丁を入れる時はかなり気を付けて力を入れなければなりません。でも茹でたり熱を入れるとちょうどいい硬さになりますね。そう、私たちはカボチャの実の部分を食べています、時には皮も含めて食べますが、古代では違っていたようです。

大昔、種だけが食べられていた野菜とは?紀元前5000年ごろの古代の人々が、実を捨てて、種だけを食べていたといわれている野菜があります。(美味しい大部分を捨てていただなんて…)
古代人が利用したのは、種と皮だけ。これじゃあ、実もフタもない?
答えはかぼちゃ。メキシコの古代遺跡から、発見された化石から、古代アステカ、インカ、マヤの人々が、かぼちゃの種だけを食べていたことが判ってきました。また、実をくり抜いた後の固い皮を天日で干して、水や食料を入れる容器にしていたことも判っています。とことん、果肉は無視されていたのですね!でも、これには訳があって、かぼちゃの原種は、果肉が苦く、食べられる部分が少なかったのだそうです。今のようにホクホクしていて甘いかぼちゃは、ずっと後になってから、突然変異で誕生したのだそうですよ。

どうやら私たちが普段食べているカボチャは古代のカボチャと違って品種改良されたもの、のようです。それにしても当時のカボチャの「種」とはどんなものだったのでしょうか。
ちなみに↓

種にも栄養がある?

かぼちゃの種にどれくらい栄養が含まれているか、カリウム、マグネシウム、β-カロテン、葉酸、食物繊維総量を下のグラフにまとめました(可食部100gあたり)。
出典:文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」第2章 果実類
グラフの試料としたかぼちゃの種は、煎って食塩で味付けをした種の数値のため、ミネラルの量にはその影響があると考えられますが、栄養価は高く、葉酸(79 µg)、食物繊維(7.3g)のほか、たんぱく質(26.5g)、亜鉛(7.7mg)を多く含んでいます。西洋かぼちゃの果肉と比較すると、β-カロテンは少ないのですが、葉酸と食物繊維は果肉よりも多く含みます。

カボチャの旅
実はカボチャは世界を旅してきたそうです。

かぼちゃの歴史
原産地は、アメリカ大陸。アメリカ大陸からヨーロッパに伝わり、日本には江戸時代末期に、ポルトガルからカンボジア経由で伝来しました。そのため「カンボジア」から「カンボチャ」「カボチャ」と呼ばれるようになったといわれています このとき伝来した品種は、今でいう日本かぼちゃ。その後、明治時代に入ってきた西洋種を西洋かぼちゃと呼び、2つは区別されています。昭和のはじめ頃は、かぼちゃといえば日本かぼちゃのことでしたが、甘みが濃く、ホクホクした西洋かぼちゃが、日本かぼちゃよりも栄養価が高いことが知られるようになり、食の洋風化とともに広まって、今では市場に出回るかぼちゃの90%以上を西洋かぼちゃが占めるようになりました。
カボチャたちは日本に地球の真裏からはるばるやってきたのですね。

冬至にカボチャを食べる理由
毎年12月の終わりに訪れる冬至。冬至にはゆず湯に入ったり、カボチャを食べたりします。でもなぜカボチャを食べるのでしょうか。
冬至(とうじ、英: winter solstice)
二十四節気の第22大雪の次。
天文・平気法・周正などの節切りでは第1となり、年界を子節の大雪もしくは冬至(太陽高度に基づいた判断)とする説があるが、先天・後天八卦論においては冬至時点ではまだ陰の氣が陽の氣を上回っており、先天・後天八卦論に基づいた判断では二十四山の艮(甲領域)から陽の氣が陰の氣を上回る事象に基づいて立春が年界となる等、年界には諸説が存在する。

冬至に食べるものといったら、かぼちゃですよね!冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかないと言われています。 でも、なぜ冬至に食べられるようになったのか知っていますか?今でこそ一年中野菜が手に入りますが、 昔は冬に収穫できる野菜が少なかったうえ、保存できる野菜もあまりありませんでした。 そんな中で「かぼちゃ」は長期保存ができて、しかも保存中でもほかの野菜に比べて栄養素が失われにくいというメリットがあります。なので、冬至の時期の貴重な栄養源だったのです。 この時期に不足しがちなビタミン類を補給するため、江戸時代中期から「かぼちゃ」を冬至に食べる風習が 根付いたと考えられているんですよ。
長期保存できること。栄養価が高いこと。そんなカボチャだから冬場に好まれて食べていたのですね。

カボチャには仲間がたくさーん!
カボチャの仲間はたくさんあります。

カボチャの種類
- 西洋カボチャ
- 日本カボチャ
- ペポカボチャ
カボチャには大きく分けて「西洋カボチャ」「日本カボチャ」「ペポカボチャ」の3種類があります。現在最も多く流通しているのは西洋カボチャ。色や形はさまざまですが、甘みが強く粉質でホクホクした食感が魅力。味や食感が栗に似ていることから「栗カボチャ」と呼ばれる系統が人気です。一方、日本カボチャはねっとりとした舌触りで甘さは控えめ、特に煮物に適しています。ペポカボチャは別名「おもちゃかぼちゃ」ともよばれ、形や色のバリエーションが豊富。観賞用の品種も多く、ハロウィンでおなじみのジャックオーランタンに使われるオレンジ色の大型の品種、柄や形、皮や縞の色が特徴的で可愛いらしいものもあります。ズッキーニもここに分類されます。
ちなみに3つの大きなカテゴリの味の特徴は、
- 西洋かぼちゃ:ほくほくとした食感で、甘味が強い。
- 日本かぼちゃ:ねっとりした食感で、甘味が少ない。
- ペポかぼちゃ:ユニークな形が多く、淡泊な味わい。
と言われています。
以下、3つの大きなカテゴリ毎の代表的なものを紹介していきます↓

西洋カボチャ
セイヨウカボチャ(西洋南瓜、学名:Cucurbita maxima)
ウリ科カボチャ属の一年生植物。南アメリカが原産。
九重栗南瓜

九重栗南瓜(くじゅうくりかぼちゃ)
カネコ種苗が育成したセイヨウカボチャの品種。商標登録は「九重栗」。カネコ種苗からは、「くじゅうくりEX」、「九重栗イレブン」も発売されているが(2023年時点)、市販される際にはいずれも「九重栗」として扱われていることも多い。皮が白い「白い九重栗」も販売されている。
カネコ種苗が開発したセイヨウカボチャの品種で、ホクホクとした粉質の食感と強い甘みが特徴です。果肉は濃黄色で、果皮は濃緑色に光沢のあるストライプが入っており、やや甲高のハート形をしています。商標登録されており、「九重栗」のほか「くじゅうくりEX」や「九重栗イレブン」、「白い九重栗」などバリエーションが存在しますが、市販時には「九重栗」として扱われることもあります。
主な特徴
- 食味 強い甘味と、栗のようなホクホクとした粉質の食感。
- 果肉 濃黄色。
- 果皮 濃緑色で光沢があり、細いストライプが入る。
- 形 やや甲高のハート形。
- 栄養 ビタミンC、E、β-カロテンなどが豊富。
- 栽培 家庭菜園にも適しており、比較的栽培しやすい。
- その他 外皮が比較的柔らかく、皮ごと調理しやすい。
えびす えびすかぼちゃ

えびす(えびすかぼちゃ)
1964年にタキイ種苗により育成された黒皮系の西洋カボチャのF1品種。生産・消費人気の両面から日本国内市場で大半を占める定番種で、重さは1.7 - 1.9 kgになる。栗のようなホクホクした肉質が特徴。
日本で最もポピュラーな西洋カボチャの一つであり、やや粘質でホクホクとした食感と、甘みが強いのが特徴です。果肉が厚く、煮崩れしにくいことから、様々な料理に使える万能なカボチャです。
主な特徴
- 食感と味 やや粘質でホクホクしており、甘みが強いです。
- 用途 煮物、スープ、天ぷら、蒸し料理など、幅広い料理に適しています。
- 外観 果皮は濃緑色に淡いちらし斑が入り、果形は扁円球です。
- 育てやすさ 環境への適応力が広く、着果も安定しているため栽培がしやすい品種です。
- 収穫時期 交配後45~50日程度で収穫できます。
- 品種 1964年にタキイ種苗が開発したF1品種です。
みやこ みやこかぼちゃ

「えびす」と同じく日本市場を代表する品種。育てやすく、脇枝が少ないので家庭菜園にも向いている。皮は濃緑色で、ホクホクした食感で甘みが強い。
粉質でホクホクとした食感と上品な甘みが特徴の、人気の高い品種です。特に、茨城県の「総和みやこかぼちゃ」や、札幌特産の「大浜みやこ」などが有名で、どちらも味の良さで知られています。
「みやこ」の主な特徴
- 食感と風味 粉質で甘みが強く、加熱するとホクホクとした食感になります。
- 栽培しやすさ 側枝の発生が少ないため、育てやすく、家庭菜園やプロの生産者の間で人気があります。
- 果実の特徴 やや小ぶりで扁円形をしており、果皮は濃い緑色で斑模様が入るものが多いです。
- 「大浜みやこ」札幌市手稲区の特産品で、糖度が19度にもなるという甘さが特徴です。
- 「総和みやこかぼちゃ」 茨城県古河市の特産品で、繊維が少なく、粉質の黄肉が特徴です。
坊ちゃんかぼちゃ

坊ちゃんかぼちゃ
坊ちゃんかぼちゃとは、重さ500g前後の手のひらサイズのミニかぼちゃです。一般的なかぼちゃの成長過程で収穫したものではありません。坊ちゃんかぼちゃと一般的なかぼちゃは品種が異なります。小さくコロコロとした見た目が可愛らしく、縦に筋のようなくぼみがあるのが特徴です。坊ちゃんかぼちゃは皮が赤や白のものもあります。手のひらサイズのミニかぼちゃは、坊ちゃんかぼちゃ以外にも複数あります。ハロウィンの時期に出回るおもちゃかぼちゃは、主に観賞用として栽培されています。名前の由来
見た目が「坊ちゃん刈りの小さな子供の頭」に似ていることから名前がついたといわれています。坊ちゃん刈りとは、昭和時代の小さな男の子がよくしていた髪型で、耳にかからない長さに切り揃えられた形です。
手のひらサイズの西洋かぼちゃの一種です。昭和の男の子の髪型「坊ちゃん刈り」に形が似ていることから名付けられました。小さくて可愛らしい見た目とは裏腹に、甘みが強くほくほくとした食感が特徴で、調理も簡単です。
主な特徴
- サイズと見た目 重さは約500g前後で、手のひらサイズです。
- 食味 栗かぼちゃに似て濃厚な甘みがあり、加熱するとホクホクとした食感になります。
- 栄養価 一般的なかぼちゃよりもたんぱく質、糖質、β-カロテンが豊富です。
- 調理法 丸ごと電子レンジで加熱したり、中をくり抜いてグラタンやスイーツの器にしたりと、様々な調理法で楽しめます。
名前が「坊ちゃん」である理由
「坊ちゃん刈り」という、昭和時代の男の子に多く見られた、耳にかからないように短く切り揃えられた髪型に似ていることから名付けられました。
ロロン

ロロン
タキイ種苗が育成した品種で、育成者のロマン(浪漫)とマロン(栗)のような甘さや食味から命名された。楕円形の大玉で重量は1.8 - 2 kg程で、果皮は濃緑色地にちらし斑がはいっている。肉質はきめ細かく、上品な甘さ、粉質でホクホク感がある。
ラグビーボールのようなユニークな形と、上品な甘さ、滑らかな舌触りが特徴の品種です。果皮は濃い緑色でちらし斑が入り、大きさは$1.8~2kg$程度の大玉になります。名前は、育成者の「ロマン」と、マロンのような甘さから来ています。
特徴
- 形 ラグビーボールのようなラグビーボールのような形をしています。
- 味と食感 上品な甘さで、きめ細かく滑らかな舌触りが特徴です。加熱するとホクホクとした食感も楽しめます。
- 由来 育成者の「ロマン」と、まるで「マロン」のように甘くおいしい食感から名付けられました。
- 利用法 きめ細かい肉質を活かして、ポタージュやプリンなどのペースト状にする料理、コロッケや揚げ物、煮物、焼き物など、さまざまな調理法に適しています。
宿儺(すくな)かぼちゃ

宿儺かぼちゃ(すぐなかぼちゃ)
かぼちゃの一品種である。岐阜県高山市丹生川町(旧大野郡丹生川村)の特産品であり、宿儺南瓜、すくなかぼちゃともいう。元々は、高山市丹生川町で自家用野菜として栽培されていたカボチャである。2001年(平成13年)、宿儺かぼちゃと命名される。名前は、飛騨国に伝わる伝説上の「両面宿儺(りょうめんすくな)」から。
岐阜県高山市の丹生川地区が原産の細長い形が特徴の伝統野菜です。ヘチマのように細長く、表面は灰緑色で滑らかです。加熱するとホクホクとした食感で甘みが強く、煮物やスイーツなど幅広く活用されます。
宿儺かぼちゃの特徴
- 形と色 ヘチマのように細長い形をしており、薄い灰緑色の表皮は滑らかです。
- 果肉 濃い黄色の果肉で、甘みが強くホクホクした食感が楽しめます。
- 味 糖度が高く、上品な甘みがあります。
- 用途 煮物、天ぷら、スープ、パスタソース、プリン、ケーキ、テリーヌなど、多様な料理に使えます。
- 利用のしやすさ 細長い形を活かして、使う分だけ切って使えるという利便性もあります。
- 名前と歴史 「宿儺」の由来:飛騨に伝わる伝説の「両面宿儺(りょうめんすくな)」にちなんで命名されました。
- 伝統野菜 長年、丹生川地域で自家用野菜として栽培されてきた飛騨の伝統野菜です。
- 品種の安定 現在は、品種の安定化のため、種子の選抜・固定化が進められています。
夢味 ゆめみ

美しい白皮と栗のような食感が特徴の西洋カボチャの品種です。着果が良く多収で栽培しやすく、収穫後は長期貯蔵が可能です。
- 外見 ツヤのある美しい白皮で、果肉は鮮やかな濃いオレンジ色です。
- 食感・味 収穫後約1ヶ月で甘みと粉質がバランスよく仕上がり、「栗のような食感」と表現されることが多いです。
- 栽培 栽培しやすく、着果が安定しているため収量も上がります。
- 貯蔵性 日持ちに優れており、長期貯蔵が可能です。
雪化粧

雪化粧
サカタのタネが育成した白皮系F1品種の栗カボチャで、重さ2.3 kgほどになる。北海道や新潟県で栽培される。完熟すると甘くなり、粉質で菓子の材料にも向く。
白い皮が特徴的な、サカタのタネが開発した品種の栗かぼちゃです。粉質が強くホクホクした食感と濃厚な甘みが特徴で、貯蔵性が高く冬に旬を迎えます。
主な特徴
- 外観 雪化粧をした山のように、白っぽい灰色または灰白色の皮をしています。
- 食感・味 粉質が強く、ホクホクとした食感と強い甘みが特徴です。
- 栽培方法 1株から1玉のみを大切に育てる「一果採り」という方法が一般的です。
- 貯蔵性 貯蔵性が高く、冬までおいしく食べられます。
- 希少性 栽培に手間がかかるため、一般家庭ではなかなか手に入らない希少な品種です。
白爵 はくしゃく

株式会社渡辺採種場|良いタネは明日への希望。松島交配の渡辺採種場ウェブサイトです。
白い皮を持つ栗カボチャの一種です。果肉は淡黄色で粉質、ホクホクとした食感と甘みが特徴で、煮物、フライ、天ぷらなどに適しています。貯蔵性に優れており、収穫後しばらく置くことで甘みが増します。
特徴
- 外観 果皮が白色で光沢があり、ハート形をしています。
- 果肉 厚く淡黄色で、粉質でホクホクした食感です。
- 味 甘みに富んでおり、貯蔵することでさらに甘みが増します。
- 大きさ 重さは約$2kg$前後のものが多く、よく揃います。
- 貯蔵性 長期間の貯蔵が可能で、収穫後1ヶ月以上置くと美味しくなります。
打木赤皮甘栗

打木赤皮甘栗かぼちゃ(うつぎあかがわあまぐりかぼちゃ)
日本の石川県金沢市打木町を産地とするカボチャである。オレンジ色がかった色鮮やかな果皮が特徴で、丸みのある果実からヘタの部分が飛び出した形状をしている。1933年(昭和8年)に金沢市打木町の篤農家・松本佐一郎が福島県から持ち込んだ「赤皮栗」を育成し選抜した。会津地方の「会津栗」や「甘栗」とよばれた西洋系カボチャなどからつくられ、1943年(昭和18年)ごろに品種が固定化された。第二次世界大戦後は金沢市安原地区での栽培が広まった。1952年(昭和27年)頃からは関西・関東にも出荷するようになった。一般には煮物にするが、スープや菓子にも適している。厚みのある果肉は甘味があり、しっとりした口当たりが特徴で、鮮やかな色は加賀料理の彩りに重宝されている。
打木赤皮甘栗かぼちゃ(うつぎあかがわあまぐりかぼちゃ)は、石川県金沢市が発祥の加賀野菜で、鮮やかな朱色の皮を持つ西洋カボチャです。果肉は甘みが強く、しっとりとしたねっとりした食感が特徴で、煮崩れしにくいため煮物に適しており、皮も薄いため皮ごと調理もできます。
特徴
- 外見 丸みのある円錐栗型で、鮮やかな朱色の皮をしています。
- 食感 日本カボチャと栗カボチャの中間のような、しっとりとした食感です。
- 味 名前の通り甘みが強く、ねっとりとした味わいです。
- 用途 煮物やスープ、天ぷら、お菓子など幅広く使われます。
- 栽培 1933年(昭和8年)に金沢市打木町で、福島県から導入した「赤皮栗」を改良して作られました。
コリンキー

コリンキー
サカタのタネが育種した果皮が黄色くなる西洋カボチャ。皮も果肉もやわらかく、あっさりしていて甘味も少ない。若採りして生食や漬物に向いている。
鮮やかなレモンイエローの見た目が特徴で、主に生食で楽しむための品種です。 一般的なかぼちゃとの違いは以下の通りです。
- 生食できる 普通のかぼちゃと違い、完熟前の未熟な状態で収穫されるため、生で食べることができます。
- 皮ごと食べられる 皮もやわらかいので、むく必要がありません。
- クセがない 特有のクセがなく、シャキシャキとした歯触りが楽しめます。
- 調理法 サラダや浅漬けに向いていますが、完熟したものは、煮物やスープ、ジャムなどにしてもおいしいです。
なお、コリンキーは2002年に日本で品種登録されたもので、生食用のカボチャとして開発されました。アメリカなどでは「Colinky squash」として知られています。
芳香青皮栗南瓜 ほうこうあおかわくりかぼちゃ

芳香青皮栗南瓜(ほうこうあおかわくりかぼちゃ)
セイヨウカボチャの品種の1つ。東京南瓜(とうきょうかぼちゃ)とも呼ばれる。日本市場で流通量の9割を占めるようになったセイヨウカボチャの先駆けとされる。
特徴
- 歴史 宮城県の渡辺採種場が1934年(昭和9年)に育成・発表した、日本における西洋カボチャの元祖とされる品種です。
- 形状と重さ 少し小ぶりで、腰高の扁平な形をしています。重さは1.1~1.3kg程度です。
- 皮と果肉 皮は灰緑色で、果肉は鮮やかな濃黄色です。
- 食味 粉質でホクホクした食感が特徴です。栗のように甘みが強く、風味豊かで非常においしいとされています。
- 調理 煮物や天ぷらなどに適しています。
- 栽培 栽培がしやすく、低温や日照不足の環境でも雌花がつきやすいという特徴があります。

日本カボチャ
ニホンカボチャ(日本南瓜、学名: Cucurbita moschata)
ウリ科カボチャ属の一年生植物。中央アメリカもしくは南アメリカ北部が原産。菊かぼちゃや鶴首かぼちゃなどの品種がこのかぼちゃに含まれる。ニホンカボチャの品種は一般的に、セイヨウカボチャやペポカボチャのものよりも高温多湿な気候に強く、病虫害に対してもより大きな抵抗性を示す。市販のパンプキンパイミックスの原材料にはニホンカボチャの種類が最もよく使われている。カボチャ属の祖先種は人類が到達する以前のアメリカ大陸に自生していた。進化的に言えば、カボチャ属内で遺伝学的に孤立している種がなく、この属の起源は比較的最近である。ニホンカボチャは属内の遺伝学的な橋渡しとなり、カボチャ属の祖先に最も近い。
黒皮かぼちゃ

黒皮かぼちゃ(別名:ちりめんかぼちゃ)
日本カボチャの代表種で、表面がゴツゴツしているのが特徴で、現在では市場にほとんど出回らない。水気が多く甘味は少ないが、じっくり煮るとおいしく食べられる。この品種を元に、数々の系統が育成された。
日本かぼちゃの一種で、黒に近い濃い緑色の皮とねっとりとした肉質が特徴です。代表的な品種に宮崎県の「日向かぼちゃ」があり、上品な甘みとさっぱりした味わいが魅力です。煮崩れしにくく味が染み込みやすいため、煮物によく使われます。
主な特徴
- 見た目 皮が黒に近い濃い緑色で、溝が深くゴツゴツした見た目をしています。
- 食感 ねっとりとして滑らかな肉質が特徴です。
- 味わい 上品な甘みと、さっぱりとした風味があります。
- 調理 煮崩れしにくく、味が染み込みやすいため、煮物に適しています。皮ごと食べられる料理もあります。
代表的な品種
- 日向かぼちゃ(宮崎県) 黒皮かぼちゃの代表的な品種で、「黒皮かぼちゃ」と呼ばれることもあります。
- 備前黒皮かぼちゃ(岡山県) 伝統的な品種で、深い味わいがあります。一般的にスーパーなどで広く流通している西洋かぼちゃとは異なる、日本の伝統的な品種です。 煮物など、日本の伝統的な料理によく使われます。
会津小菊南瓜

会津菊かぼちゃ
福島県会津若松市で栽培されている日本カボチャの在来種。赤茶色の皮、ねっとりした食感が特徴。
津小菊南瓜(あいづこぎくかぼちゃ)は、福島県会津地方を中心に江戸時代から栽培されている伝統的な日本かぼちゃです。直径15cmほどの小ぶりな形で、真上から見ると菊の花のように見えることからその名がつけられました。
主な特徴
- 形状 直径15cm前後で、菊花の形に似ている。
- 食感 ねっとりとした粘質で、煮崩れしにくい。
- 味 淡白でほんのりとした甘みがあるため、味がしみ込みやすい。
- 保存性 皮が硬いため、長期保存が可能です。
- 歴史的背景 会津の厳しい気候で育ち、特に戊辰戦争の際には、籠城食として会津の人々の命をつないだと言われています。
鹿ヶ谷(ししがたに)かぼちゃ

鹿ケ谷かぼちゃ(ししがたにかぼちゃ)
カボチャの一品種で京野菜(京都府の地域伝統野菜)の一つである。
京の伝統野菜で、ひょうたんのような独特の形が特徴です。江戸時代に東北地方から持ち帰られた種が元となり、京都の鹿ケ谷で栽培されるうちに、その形に変化したとされています。
特徴
- 形 中央がくびれたひょうたん型で、表面には縦に筋やコブがあります。
- 食感・味 あっさりとした淡泊な味わいで、煮崩れしにくく、出汁が染み込みやすい粘質で緻密な肉質です。
- 色 若い時は濃い緑色ですが、完熟すると黄褐色になります。
- 用途 煮崩れしにくいので、煮物や「おかぼの炊いたん」など、和食によく合います。
その他 ユニークな形から、食用だけでなく観賞用としても用いられることがあります。 - 歴史 江戸時代の文化年間(1804〜1818年頃)に、津軽から持ち帰られたかぼちゃの種を鹿ケ谷の農家が栽培したのが始まりとされています。かつては「土用に鹿ケ谷かぼちゃを食べると中風にならない」という言い伝えもありました。
- 現在 鹿ケ谷以外にも綾部市や亀岡市などが主な産地となっています。
鶴首かぼちゃ

鶴首かぼちゃ
愛知県特産の伝統野菜。細長いひょうたん型で、上の部分が鶴の首のように見えることから名付けられたといわれる。繊維質が少なく、味が濃厚で、加熱調理するとなめらかで甘い風味が味わえる。
鶴の首のように長い形が特徴の日本カボチャの一種です。果肉はきれいな黄色で、もっちりとした食感と濃厚な甘みがあります。日本古来の品種で、さっぱりとした味わいを楽しめます。
特徴
- 形状 細長く、まるで鶴の首のよう。ひょうたんの形に似ていることから「ひょうたんかぼちゃ」と呼ばれることもあります。
- 肉質 繊維質が少なく、なめらかでねっとりとした食感が特徴です。
- 味わい 濃厚な甘みがあります。
- 用途 ポタージュやプリンなどのなめらかな料理に向いています。
- その他 下部のふっくらした部分に種があり、上部の細い部分は種がありません。このため、下部は煮物やグリル、ポタージュに適し、上部はポタージュやプリンなどに使うのがおすすめです。
- 産地 愛知県の伝統野菜として知られています。徳島県や千葉県などでも栽培されています。
バターナッツ

バターナッツ・スクワッシュ(英: butternut squash、豪・新: butternut pumpkin/gramma)
つるになるカボチャの一種。ニホンカボチャ(学名: Cucurbita moschata)の品種の一つである。熟した実を秋に収穫する「冬カボチャ」(winter squash)に分類される。ひょうたん型の実は重さが500グラムから1キログラムで、黄褐色の果皮と汁気のある果肉を持つ。上部はやや水っぽく、膨れた下部に種が入っている。一般のカボチャ同様、甘味とナッツの風味がある。繊維質が少なく、ねっとりした食感に特徴がある[2]。熟すと次第にオレンジ色が深くなり、甘味が増して濃厚な味になる。食物繊維、ビタミンC、マンガン、マグネシウム、カリウムなどの栄養素を含み、ビタミンAとビタミンEは特に豊富である。食材とするのは果実だが、野菜として調理される。調理法としては、ロースト(オーブン焼き)やソテー、カリカリに炙る、ピュレにしてスープに用いるなどがある。マッシュしたものをキャセロールに入れたりパンやマフィンの生地に混ぜることもある。
ひょうたんのようなユニークな形をした、ウリ科カボチャ属の冬カボチャの一種です。なめらかな食感とナッツのような風味、濃厚な甘みを持つことが特徴です。 主な特徴は以下の通りです。
- 名前の由来 「バターのように滑らかで、ナッツのような風味」から名付けられました。
- 形と色 細長い首と膨らんだ底を持つひょうたんのような形をしており、皮は黄褐色です。果肉は鮮やかなオレンジ色で、熟すにつれて色が濃くなります。
- 食感 日本カボチャのようなねっとりした食感と、西洋カボチャのほくほく感をあわせ持つ、しっとりとしたなめらかな食感です。繊維が少ないため、生食も可能です。
- 種 種は膨らんだ部分に集まっているため、調理がしやすいです。
- 栄養 ベータカロテンやビタミンA、C、E、カリウム、マグネシウムなどが豊富に含まれており、一般的なカボチャよりも低カロリーです。
- 調理法 スープやピューレ、煮物、ロースト、グラタン、パスタなど、幅広い料理に使われます。生でサラダにしてもおいしく食べられます。
島かぼちゃ

島かぼちゃ
沖縄在来種といわれる日本カボチャで、丸形とひょうたん型がある。地元では「ナンクワー」や「チンクァー」とよばれている。主に糸満市で栽培されている。果肉は薄いオレンジ色で比較的水分が多く、あっさりした甘さで、煮物に向いている。
沖縄在来種の日本かぼちゃで、地元では「チンクワー」や「ナンクヮー」とも呼ばれます。夏の暑さや病害虫に強く育てやすいのが特徴で、水分が多めで甘さは控えめなあっさりした味わいです。煮崩れしにくいため、煮物や炒め物、スープなどに適しています。
特徴
- 種類 日本かぼちゃの系統で、沖縄の気候に適した在来種です。
- 味と食感 甘みが控えめで水分が多く、あっさりした味わいです。煮崩れしにくい粘質です。
- 形 丸いもの、ひょうたん型、細長いものなど多様です。
- 育てやすさ 暑さや病害虫に強く、家庭菜園でも栽培しやすいです。
- 栄養 ビタミンA、B1、Cが豊富です。
万次郎(まんじろう)カボチャ

万次郎(まんじろう)カボチャ
種間交雑種と言われる、日本かぼちゃと西洋かぼちゃの間で人工的に作られた、とても希少なかぼちゃです。高知県出身の偉人で、日本と西洋(アメリカ)の懸け橋になったジョン万次郎からその名がつけられました。高知県で片山育種場を営む片山邦冨さんが西洋かぼちゃの「K号デリシャス」と、日本かぼちゃの「北回帰地」を組み合わせ、「万次郎」の名称で1990(平成2)年に品種登録されました。生産量が多いのは熊本県ですが、高知県で無農薬栽培され、「有機万次郎かぼちゃ」として生産されています。日本かぼちゃに近い粘質ですが、日本かぼちゃのデメリットである貯蔵性の低さを克服しています。また、西洋かぼちゃよりも甘く、成熟すると糖度20度前後になり、収穫後2ヶ月くらいかけて完熟させると食べ頃になります。
高知県で誕生し、ラグビーボールのようなユニークな形と濃厚な甘み、ねっとりとした食感が特徴の品種です。ジョン万次郎にちなんで名付けられ、貯蔵性が高く、ポタージュやスイーツ、お菓子作りに向いています。
万次郎かぼちゃの特徴
- 見た目 ラグビーボールのような楕円形で、全体に濃緑色のチラシ斑があります。
- 食感・味 果肉はオレンジ色で、しっとりねっとりとした粘質です。糖度が高く、上品な栗のような甘みがあります。
- 貯蔵性 貯蔵性が非常に高く、日持ちが良いのが特徴です。
- 栽培 強い生命力と病気に強い性質を持ちますが、種間交雑種のため一般の種苗店では販売されておらず、苗での流通が主です。
- 用途 濃厚な甘みとねっとりとした食感を活かし、ポタージュや蒸したものの裏ごし、パンプキンパイやプリン、ムースなどの菓子材料として特に適しています。
由来 「ジョン万次郎」にちなんで名付けられました。1987年に発表され、品種登録されています。

ペポカボチャ
ペポカボチャ(Cucurbita pepo)
カボチャ属の園芸作物である。かぼちゃの多くの園芸用品種を含む。日本でおもちゃカボチャと呼ばれる品種もある。
金糸瓜(キンシウリ / そうめんカボチャ)

キンシウリ(金糸瓜、錦糸瓜、学名: Cucurbita pepo)
ウリ科カボチャ属ペポ種に属する一年生のペポカボチャの一変種。アメリカ大陸原産。
名称
ほぐした果肉の形状にちなむ名称が各国語でつけられている。日本語では、ソウメンカボチャ(素麺南瓜)、ソウメンウリ(素麺瓜)、イトカボチャ(糸南瓜)ともいう。ヘタと先を切り落として適当な大きさに輪切りにし、水から茹で、20分弱経ったら冷水に入れると、果肉の部分がほぐれて素麺状になるため、「ソウメンカボチャ」や「ソウメンウリ」の名がある。中国語では、「金糸瓜」(繁体字: 金絲瓜、簡体字: 金丝瓜、拼音: jīnsīguā)のほか、ほぐした果肉がほぐしたフカヒレ(魚翅)に似ていることから「魚翅瓜」(繁体字: 魚翅瓜、簡体字: 鱼翅瓜、拼音: yúchìguā)とも書く。また英語においても、spaghetti squashの名前がつけられている。
金糸瓜(キンシウリ)、別名そうめんカボチャは、茹でると果肉が麺状にほぐれることからそう名付けられたカボチャの一種です。シャキシャキとした食感で、さっぱりとした味わいが特徴です。ズッキーニと同じペポカボチャの仲間で、酢の物、炒め物、サラダなどさまざまな料理に使われます。
特徴
- 名前の由来 茹でると果肉がそうめんのような細い糸状にほぐれるため。
- 食感と味 シャキシャキとした食感で、ほのかな甘みがある。
テーブルクイーン

ペポカボチャの一種で、外皮も果肉も真っ白で直径6~7cmほどの可愛らしいミニカボチャです。皮ごと食べられ、ズッキーニのように炒めたり、中をくり抜いて詰め物をしたりと、調理法が多彩です。味は淡白でほんのりとうもろこしのような香りがし、シャキシャキと柔らかい食感とかすかな甘みが特徴です。
主な特徴
- 見た目 外皮も果肉も真っ白で、直径6~7cmほどの可愛らしいミニカボチャです。
- 食べ方 皮ごと食べられ、ズッキーニのように炒め物や、中をくり抜いて肉詰めにする料理などに適しています。
- 食感・味 淡白で、加熱するとほんのりとうもろこしのような香りが立ちます。シャキシャキとした食感で、わずかな甘みがあります。
- その他 完熟させずに若採りにすると、生食も可能です。
プッチィーニ

プッチィーニ(通称:ミニかぼちゃ)
サカタのタネが1998年育成した重量200 - 300グラム程度の極小型の早生種で、皮は黄色くオレンジ色の縞模様が入り、果肉も淡い色のペポカボチャ。皮が薄く、肉質は西洋カボチャのように粉質で、特有の甘味がある。日持ちが良く、観賞用にもなる。
サカタのタネが開発した、手のひらサイズのミニカボチャの一種です。黄橙色の地にオレンジ色の縦縞模様があり、かわいらしい見た目が特徴です。甘みが強く、ねっとりとした食感で、電子レンジで加熱するだけで手軽に食べられるほか、くり抜いて器にする料理などにも適しています。
特徴
- 大きさ 200~300gの、手のひらサイズです。
- 見た目 黄橙色の果皮にオレンジ色の縦縞模様が入っています。
- 食感 粉質で、ねっとりとしています。
- 味 栗やさつまいもを思わせる甘みがあります。
- 調理法 電子レンジで加熱するだけで簡単に食べられます。くり抜いてグラタンやプリンを作る器としても使われます。
- 保存性 収穫後、室内で2~3ヶ月保存可能です。
- 開発元 株式会社サカタのタネによって1998年に品種登録されました。
品種名 「プッチィーニ」はカボチャの品種名です。
ズッキーニ

ズッキーニ(英: zucchini、学名: Cucurbita pepo 'Melopepo')
ウリ科カボチャ属の一年生の果菜である。果実の外見はキュウリに似るが、カボチャ(ペポカボチャ)の仲間で、主に緑果種と黄果種がある。夏野菜のひとつで、一般のカボチャよりも低カロリーであるのが特徴。
ズッキーニはカボチャの仲間です。見た目からキュウリに間違われることがありますが、実際はウリ科カボチャ属の「ペポカボチャ」の一種です。一般的なカボチャと違い、成熟する前の未熟な果実を食べるため、皮が柔らかく、種も硬くないのが特徴です。
ズッキーニとカボチャの主な違い
- 食べる部分 カボチャは果実が完熟してから食べますが、ズッキーニは花が咲いてから4〜5日後(長さ約20cm)の未熟なうちに収穫します。
- 形状と食感 一般的なカボチャは丸いですが、ズッキーニは細長い形が主流です。未熟果を食べるため、果肉が柔らかく、種も硬くなっていません。
- 分類 ズッキーニはカボチャ属の「ペポカボチャ」に属します。ペポカボチャの仲間には、カボチャや、金糸瓜(そうめんかぼちゃ)などがあります。
- 旬の時期 ズッキーニは日持ちしないため、初夏から夏(6月〜8月)に収穫されることが多く、旬が短いです。
- 見た目は違う キュウリのような見た目をしていますが、分類上はカボチャの仲間です。
- まとめ ズッキーニ=カボチャの仲間:ズッキーニはカボチャの仲間ですが、一般的なカボチャのように完熟させずに未熟な状態で収穫して食べます。

カボチャは種類によって栄養価が違う
西洋カボチャ、日本カボチャ、ペポカボチャ。それぞれ特徴がありますが、栄養価も違います。
種類による栄養の違い
西洋かぼちゃ、日本かぼちゃ、ペポかぼちゃ(ズッキーニ)に含まれる主な栄養を比較しました(生、可食部100gあたり)。下はそのグラフです。
出典:文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」第2章 野菜類
カリウム、β-カロテン、ビタミンC、食物繊維は、西洋かぼちゃが最も多く含んでいます。特にβ-カロテンは、日本かぼちゃの5倍以上、ビタミンCは2倍以上です。一方、ビタミンKは、ペポかぼちゃ(ズッキーニ)が最も含んでおり、西洋かぼちゃと日本かぼちゃはほぼ同じです。葉酸は、日本かぼちゃが最も多く含んでいます。
種類 |日本カボチャ|西洋カボチャ|そうめんカボチャ|
カロリー | 41 | 78 | 25 |kcaL
糖質 | 8.1| 17.1| 4.6 |g
炭水化物 | 10.9| 10.6| 6.1 |g
食物繊維総量| 2.8| 3.5| 1.5 |g
カリウム | 420 | 430 | 260 |mg
β-カロテン |1400 |2500 | 49 |µg
ビタミンC | 16 | 43 | 11 |mg
ビタミンE | 2.2| 3.9| 0.2 |mg
西洋かぼちゃは、炭水化物や糖質が多く、カロリーはそうめんかぼちゃの約3倍もあります。β-カロテンをはじめとする微量栄養素についても、西洋かぼちゃが一番多いのが特徴です。そうめんかぼちゃは、水分を多く含んでおり、栄養素の含有量は他のかぼちゃに比べて少なくなっています。生の状態での水分量は、そうめんかぼちゃが一番多く、次が日本かぼちゃで、西洋かぼちゃが一番少ないです。
※ビタミンEはα-トコフェロールについての値を、食物繊維総量はプロスキー変法での測定値を記載。
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を元に計算

カボチャの注目したい栄養素

ビタミンE|強い抗酸化作用がある
ビタミンEには、強い抗酸化作用があります。細胞を作る膜の働きを守るだけでなく、赤血球の破壊を防ぎ、生殖機能を保つ役割も担っています。さらに、老化を防ぐ効果もあります。西洋かぼちゃ可食部100gあたりには3.9mg、日本かぼちゃ可食部100gあたりには2.2mgのビタミンE(α-トコフェロール)が含まれています。
ビタミンA(主にβ-カロテン)|目や皮膚を守る
かぼちゃは、ビタミンAの中でもβ-カロテンが多く含まれます。β-カロテンは、摂取するとその一部が体内でビタミンAに変換される、プロビタミンA(ビタミンA前駆物質)の一種です。β-カロテンには強い抗酸化作用があり、肌の健康維持やがん予防に役立つといわれています。西洋かぼちゃ可食部100gあたりには210μg(うちβ-カロテンが2,600μg)のビタミンAが、日本かぼちゃ可食部100gあたりには120μg(うちβ-カロテンが1,400μg)のビタミンAが含まれています。
葉酸|赤血球の生産を助ける
葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助ける栄養素です。細胞の生産や再生を促すことから、身体の発育にも役立ちます。そのため、特に妊娠中の女性にとっては、胎児の発育にも関わる重要な栄養成分です。西洋かぼちゃ可食部100gあたりの葉酸の含有量は42μg、日本かぼちゃ可食部100gあたりの葉酸の含有量は80μgです。
ビタミンK|血液の凝固や骨の形成を促す
ビタミンKは、血液凝固に作用する栄養素です。この栄養素が不足すると血が固まるのに時間がかかり、出血が止まりにくくなります。また、ビタミンKは骨に存在するたんぱく質であるオステオカルシンを活性化し、カルシウムを骨に沈着させ骨の形成を促す働きもあります。西洋かぼちゃ可食部100gあたりには37μg、日本かぼちゃ可食部100gあたりには26μgのビタミンKが含まれています。
ビタミンC|コラーゲンの生成に必須
ビタミンCは、水溶性ビタミンの一種です。体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。骨や腱などの結合組織を構成する、コラーゲンというたんぱく質の生成にも必須の栄養素です。また、毛細血管や歯、軟骨などを正常に保つほか、皮膚のメラニン色素の生成を抑えて日焼けを防いだり、ストレスや風邪などに対する抵抗力を高めたりする作用もあります。加えて抗酸化作用があり、がんや動脈硬化の予防、老化防止にも有効です。西洋かぼちゃ可食部100gあたりには43mg、日本かぼちゃ可食部100gあたりには16mgのビタミンCが含まれています。
食物繊維|腸内環境を改善する
食物繊維は体内に吸収されないものの、健康維持に重要な役割を果たしていることから「第六の栄養素」として注目されている成分です。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は小腸での栄養素の吸収スピードを緩め、食後の急激な血糖値の上昇を抑制します。また、コレステロールを体外に排出することで、血中のコレステロール値を下げてくれるのも特徴のひとつです。ナトリウムを排出する作用もあり、高血圧を予防する効果も期待できます。一方、不溶性食物繊維は水分を吸収して便のかさを増やします。大腸が刺激され、スムーズな排便につながるのです。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のいずれも大腸内の細菌によって発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌のエサになって増殖を促し、腸内環境を整えます。西洋かぼちゃ可食部100gあたりに含まれる食物繊維は3.5g、日本かぼちゃ可食部100gあたりに含まれる食物繊維は2.8gです。
カリウム|身体の各機能を維持する
カリウムは、ナトリウムとともに体内に必要な水分量を保つ、体内のpHバランスを一定の範囲に維持する、運動機能や思考などを正常に保つなどの働きがある栄養素です。心臓や筋肉の機能を調節したり、体内のさまざまな生命活動を適切に保ったりする作用もあります。さらに、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑え、体外への排出を促すことで血圧を下げる効果があります。西洋かぼちゃ可食部100gあたりのカリウム含有量は430mg、日本かぼちゃ可食部100gあたりのカリウム含有量は420mgです。
ビタミンB6|アミノ酸の代謝を助ける
ビタミンB6は、たんぱく質の構成成分であるアミノ酸の代謝を助ける栄養素です。そのため、皮膚や粘膜、髪、歯、爪などを健康に保つのに役立ちます。そのほか、体中に酸素を運搬するヘモグロビンを作ったり、神経の働きを助けたりする役割があります。また、脂肪の代謝にも関わっています。西洋かぼちゃ可食部100gあたりに、0.23 mgのビタミンB6が含まれています。
かぼちゃに含まれる栄養素は?簡単にできるおすすめレシピも紹介! | ピエトロラジオ | 「いただきます!」を楽しくするwebマガジン

カボチャの主な産地

かぼちゃの収穫量は、23万トン(平成15年産)と果菜類ではトマト、きゅうり、なすに次いで第4位です。かぼちゃの生育適温は25~30℃と高温で、かつて、夏以外はほとんど出回らなかったのですが、近年は、日本で収穫が難しい冬から春にかけては輸入物が盛んに出回ります。かぼちゃは、初夏には鹿児島県、茨城県、夏から秋は北海道を中心に出荷されていますが、この期間以外は、メキシコ、ニュージーランドからの輸入物によって、供給の周年化が進んだ野菜です。
▼東京都中央卸売市場における「かぼちゃ」の月別入荷割合及び県別割合(平成16年)
▼大阪中央卸売市場における「かぼちゃ」の月別入荷割合及び県別割合(平成16年)

カボチャ関連の過去記事↓


農林水産省のカボチャの紹介文がこちら↓
カボチャの品種について教えてください。
こたえ
日本で栽培(さいばい)されているのは、日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャの3種類です。
日本カボチャは、ねっとりとしているので醤油(しょうゆ)との相性が良く、日本料理に向いています。ただ、食生活の洋風化とともに、現在は調理法の多い西洋カボチャが主流となりました。
西洋カボチャは、加熱するとホクホクするので、クリカボチャともよばれます。「えびす」「みやこ」の2品種で全体の生産量の50%以上を占めます。
ペポカボチャは主に飼料(しりょう)用に栽培されています。寒さや病気に強いので、栽培しやすいです。ズッキーニや、種の周りがそうめんのようになっている金糸ウリは、ペポカボチャの一種です。
ちなみに、2023年産の野菜生産出荷統計(しゅっかとうけい)によると、全国の収穫量(しゅうかくりょう)は、約16万トンで、主な生産地は、北海道が約48%で、次いで鹿児島県、長野県です。

★にょろにょろポイント★

想像以上に種類の多いカボチャ。夏からゆっくり寝かせて迎える旬の秋。煮物にも、色づけにも、デザートにも大活躍なカボチャ。旬の今の時期にお楽しみください!ただし、緑黄色野菜とは言え、糖質が多めなので、美味しくても食べ過ぎにご注意ください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。





