今週のお題「わたしの体調管理法」
毎月季節の果物を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役果」。
私は健康なカラダづくりに役立つ果物を【役果やくか】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える果物たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。10月の役果はクリです。
クリ
クリの旬は9月から10月頃です。
クリ（栗、学名：Castanea crenata）
ブナ科クリ属の落葉高木。クリのうち、各栽培品種の原種で山野に自生するものは、シバグリ（柴栗）またはヤマグリ（山栗）と呼ばれる、栽培品種はシバグリに比べて果実が大粒である。また、シバグリもごく一部では栽培されている。クリの仲間は日本種、中国種、アメリカ種、イタリア種があるが、植物分類学上の種としてのクリは、日本種（ニホングリ）のことを指す。
クリは果物？
ーーーあれ？！クリって果物？？？野菜じゃないの？？？
そう思った人も多いと思います。なので調べました↓
栗は野菜ではなく果物（果実）です。
農林水産省の定義では、果実を食用とする木本植物（木になるもの）を果樹とし、栗はこれに該当するためです。生で食べられないことや、栗ご飯などの料理に使われることが多いことから野菜と誤解されることもありますが、木に実る点は果物・果実の条件を満たしています。
分類上の理由
木に実る植物であること
農林水産省やJAグループによると、栗は木に実るため、野菜とは異なり果物に分類されます。
果実の定義
植物の種子を広げるために作る、甘みのある部分を果実といい、栗もこの定義に当てはまる植物の果実です。
一般的な誤解
生で食べられないこと
りんごやみかんのように、すぐに生で食べられないことから野菜のように感じられることがあります。
料理での使われ方
栗ご飯や煮物、渋皮煮など、調理して食材として使われることが多いため、食材としての印象が強く、野菜に分類されがちです。しかし、これらの理由で分類が野菜になるわけではなく、植物学的な分類では木の実である栗は果実（果物）に当たります。
クリのイガイガ
クリと言えば「イガイガ」。それとも「ちくちく」？でなければ「トゲトゲ」？あのピンピン立った針はなんのためにあるのでしょうか。
栗の「イガ」って一体何なの？
栗はブナ科の木です。雌花と雄花があり、受粉した雌花が実をつけます。もともと雌花にはトゲがあって、これが実をつけたときにイガになるそうです。イガは、他の果物で言う「皮」にあたります。また栗について、外側の固い皮のことを「鬼皮」と言います。栗の場合、「鬼皮」が他の果物の果肉にあたります。鬼皮をむいて出て来る、薄い皮がついたものは種です。つまり、私たちが実だと思って食べている部分は、実は「種」なのです。ちなみに、種についている薄い皮のことを「渋皮」と言います。
栗にイガがある理由は諸説ありますが、「虫から守るため」という説が有力とされています。栗をゆでたとき、まれに小さな虫がなかから出て来ることがあります。これは「クリシギゾウムシ」というゾウムシの仲間の幼虫です。もしもイガがなかった場合は、もっと多くの虫から狙われていた……と考えられているそうです。
やはり外敵から身を守るためのもの、だったようです。そして一般的には「イガ」というようです。そして漢字で「毬」と書き表すようです↓
植物の毬（いが）とはクリ（Castanea crenata）やセイヨウトチノキ（Aesculus hippocastanum）などの種子を覆う棘のついた外皮をいう。植物学上、毬は総苞がカプセル状に発達したもので、熟すと開裂する。棘は総苞片の腋から出る腋芽の発達したものである。
クリの毬
クリの毬はカプセル状に発達した総苞により形成されており、その中にクリの種子が包まれている。クリの古毬に寄生する菌類として、ユーラシア大陸のLanzia echinophila と北アメリカ大陸のCiboria americanaの二種が知られている。
鬼皮
おに‐かわ‥かは【鬼皮】
〘 名詞 〙 栗などの木の実の外側の厚く堅い皮。内側の薄い皮に対していう。
渋皮
しぶ‐かわ‥かは【渋皮】
〘 名詞 〙
① 樹木や果実の表皮の内側にある薄い皮。タンニンを多く含むため渋く、そこからの呼称。あまかわ。しぶりかわ。〔多識編（1631）〕
クリの食べている部分は果肉ではない！？
みんなが果肉だと思っている部分は種
栗の木には雌花と雄花があり、受精した雌花が実をつけます。もともと雌花にはトゲがあり、これが実をつけたときにイガになります。イガは他の果物でいう皮に当たり、その中にある栗が果肉と種です。一般的に栗の皮だと思われている鬼皮が、他の果物の果肉にあたる部分。表面の皮（鬼皮）だけむいた渋皮つきのものが種。
茹でたクリの「ほくほく」した部分は果肉、ではなく、なんと「種」なんだそうです！美味しい種、ですねー。リスの気持が判る気がします！
イガ1つの中にいくつクリが入ってる？
これはトリビア、です。クリのイガ1つにクリの実はいくつ入っているでしょうか。
1つのイガには通常3個の栗が入っている
雌花にあるトゲの部分は総苞（そうほう）といい、その中には将来、種となる子房が、通常3つずつ入っています。受精すると総苞はイガになり、子房が栗となります。そのため、一般的な品種ではイガの中に3個の「3つ栗」です。ただ、茨城県のブランド栗「飯沼栗」のように、栽培技術によって、1つのイガに栗が1つだけ入った大粒の栗も生産されています。
検証します、画像を見ると↓
仲良く3つ入ってますね！
クリの由来
ところで「クリ」の名前の由来とは何でしょうか。
「栗 - くり」の語源
栗の語源は、「黒い実」を表す「クミ」がもとになったという説が有力ですが、その他にも梵語の表現「黒=クリ」や、「ク(組み合わさる)+リ(もの、状態)=殻の中にいくつかの栗の実が並んでいる様子」を表現したというような諸説があります。栗の字は毬を表す象形文字から由来しており、いづれにしてもかなり古くから「くり」という音として暮らしの中で親しまれてきました。
クリというのは「黒」という意味だったんですねー。んー、でも、言うほど黒い、でしょうか。
「栗」の漢字
象形文字です。「くりのいがのついている木」の象形から、「くり」を意味する「栗」という漢字が成り立ちました。
象形文字の左、上、右の枝の先に付いているのは「イガ」を表しているのだそうです。現代の「栗」の字の「西」の部分は「イガ」を表しているんですね。
クリの各部位の名称
↑これがクリの花なんだそうです。意外な感じがします。
クリの色って？
クリの色って何ていいますか？
「栗色」って言いませんか？
栗色
読み / 綴り くりいろ
由来 / 概要 栗の実の表皮の色
系統色名 dg-O (暗い灰みの黄赤)
マンセル値 2YR 3.5/4
webcolor #762e05
RGB R(赤)：118 G(緑)：46 B(青)：5
CMYK C(シアン)：0 M(マゼンタ)：70
Y(イエロー)：80 K(ブラック)：65
もしくは「マロン」って言いませんか？
マロン
色の名前 マロン
読み / 綴り Marron
マンセル値 1.25YR 3.5/7
webcolor #663228
RGB R(赤)：102 G(緑)：50 B(青)：40
CMYK C(シアン)：56 M(マゼンタ)：83
Y(イエロー)：85 K(ブラック)：35
そして「栗色」と「マロン」を並べて見ると↓
同じ色ではない、ですね。あれ？クリとマロンって同じですよね？？？
クリはマロン！？
「マロン」について調べてみました。
マロン（仏: marron）
フランス語で、ブナ科クリ属の木であるシャテニエ（仏: châtaignier、ヨーロッパグリ、学名 Castanea sativa）の実、または、トチノキ科トチノキ属の木であるマロニエ（marronnier、セイヨウトチノキ、学名 Aesculus hippocastanum）の実のことである。通常マロンと呼ばれるのは、シャテニエの実、つまりクリである。ただし、シャテニエの実はシャテーニュ (仏: châtaigne) とも呼び、使い分けられる。概して日本のクリのように毬の中に2個から3個の小さな種子が入っているのがシャテーニュ、1つの大きな種子が入っているのがマロンと呼ばれる。マロングラッセに使われるのはマロンである。シャテーニュは皮を剥くのが大変で食べにくいため、一部はペーストやパウダーに加工されるが、そうしたシャテーニュを原料とした加工食品も「マロン何々」と呼ばれることが多い。マロニエの実は、マロン・ダンド（仏: marron d'Inde、インドのマロン）とも呼ぶ。弱毒のサポニンを含み、普通食用にはされない。なお英語で栗色を表すマルーン（maroon）はフランス語のマロン（marron）に由来する。
↑とても複雑な説明ですねー。
マロン＝フランス語＝①シャテニエ（ブナ科）
＝②マロニエ（トチノキ科）
①シャテニエの実＝シャテーニュ＝クリ
ということのようです。
クリ（栗、学名：Castanea crenata）
ブナ科クリ属の落葉高木。
トチノキ（学名: Aesculus turbinata）
ムクロジ科トチノキ属の樹木である。
あれ？マロンは別の2種類の木の実のようです。
マロンとクリは違う？
日本の「栗」にあたる一般的なフランス語は「châtaigne（シャテーニュ）」と呼ばれ、そしてその実がなる栗の木のことは「châtaignier（シャテニエ）」と呼びます。
つまりクリはマロンではなくシャテーニュ、クリとマロンは違うもの、と言えそうです。ちなみに、クリの実とマロンの実の違いを画像や説明を確認したい場合はこちらのサイトはいかがでしょうか↓
マロン＝トチノキの実＝とちの実
と呼ぶようです。
マロングラッセは？
「マロン」の付く言葉ですぐに思いつくのは「マロングラッセ」ではないでしょうか。
マロングラッセ（仏：marron glacé ）
クリを砂糖で煮て糖衣した菓子。フランス語でマロン（marron）とはヨーロッパグリ(Castanea sativa MILLER)のこと、グラッセは氷（glacé）のようなつやを出す調理法のことである。
概要
殻をむいたクリを糖度20度のシロップで煮て、2日ごとに徐々に糖度をあげて最終的に32度まで高め、その後30度に落として仕上げる。その手間のかけ方から製作当初は注目されることが少なかったが、20世紀以降甘く口中で崩れる食感が評価されるようになった。現在の形に作り上げたのは、アントナン・カレームだといわれる。紀元前、マケドニアの英雄アレクサンドロス大王が最愛の妻ロクサネ妃のために作ったことから、ヨーロッパでは永遠の愛を誓う証として、男性が女性にマロングラッセを贈る習慣がある[要出典]。なお、トルコのケスターネシェケリ（kestane şekeri）もマロングラッセの一種だが材料にアルコール類を使用しない。
この説明の中でハッキリとマロングラッセとは「クリを砂糖で煮て糖衣した菓子」と書いてあり、そのクリは「マロン（marron）とはヨーロッパグリ(Castanea sativa MILLER)のこと」と記してあります。
ヨーロッパグリ
ヨーロッパグリ (学名: Castanea sativa)
ブナ科の顕花植物である。マロンと呼ばれる実（種子）がデンプンを豊富に含み食用になることで有名である。南東ヨーロッパのアルバニアから中東のイランにかけて自然分布し、2000年以上前からヨーロッパの地中海沿岸で栽培されている。本種の樹は耐寒性で長寿である。セイヨウグリとも言う。
概要
ブナ属やシイ属などの幅広い種類が含まれるブナ科の中のクリ属の木である。1768年にフィリップ・ミラーによって初めて記載された。
ヨーロッパグリはクリ。でも上記ではヨーロッパグリ＝マロンとしています。あれ？マロンとクリは違うのでは？？？
クリは大きく分けて4つ
ここで改めてクリの種類を調べてみました。
世界四大栗
クリはブナ科クリ属の落葉・高木性の植物で、その原生地はアジア、欧州、アメリカ、アフリカの四大陸にまたがり、北半球の温帯域の山野に広く分布・自生しており、世界には十二種類ほどのクリが存在します。これらのクリの産地は12℃の等温線を中心に分布しており、温帯の中～北部に存在します。果樹として栽培されている栗には、大きく分けて、日本グリ（和栗）、西洋栗グリ、中国グリ、アメリカグリの四種類があります。栗は英語で「chestnut」、フランス語で「marron」や「châtaigne」の名を持ち、学名のCastaneaは、ギリシャ語の castana（栗）に由来するラテン語です。これが転じ、栗を意味する「chest」という単語が生まれ、その実（nut）ゆえにchestnut（栗の実）と呼ばれるようになりました。フランス語では本来、マロンはマロニエの実を指す単語でしたが、マロングラッセを栗で作るようになってから栗もマロンと呼ぶようになったとされます。食用にアク抜きが必要なマロニエの実は、現代ヨーロッパでは常食されていません。余談ですが、フランスでは果皮の中に大きな栗が入ったものをマロン、複数の実が入ったものをシャテーニュと使い分けています。
･･･かなり複雑になってきました。
まずクリは、
- 日本グリ（和栗）
- 西洋栗グリ
- 中国グリ
- アメリカグリ
の4つの種類があり、
クリ＝栗（和栗）
＝英語 ：chestnut（チェスナット）
＝フランス語：marron（マロン）
＝フランス語：châtaigne（シャテーニュ）
＝ギリシャ語：castana（カスターナ／カスターニャ）
とそれぞれの言語で言い表すようです。
日本グリ（和栗） Castanea crenata
日本原産。野生のシバグリ（柴栗、芝栗）を品種改良したもので、果実が大きく風味が良いのが特徴。一方、甘みはやや少なく、渋皮が剥がれにくく果肉は割れやすい。果肉の色は黄色。品種は早生・晩生をあわせて100種ほど。筑波、伊吹などがあり、古来より名高い丹波栗も和栗に含まれます。栗は同じ品種でも気候や風土でもその味は大きく変わります。和栗は原産地である日本国内だけではなく、古くから朝鮮半島などのユーラシア大陸東部にも自生しており、産地が日本ではない和栗も市場に流通しています。また、変種も多く存在します。
※音衛門では
「天（和栗・国産丹波栗）」や「山清（和栗・韓国産）」といった栗のテリーヌや栗いっぱいのパウンドケーキ、栗納豆などに、この種の和栗も使用しています。contents :: こだわり素材 :: 世界には四大の栗があります。 - 足立音衛門 公式オンラインショップ
西洋グリ Castanea sativa
南東欧ないし西アジア原産といわれ、現在はイタリア、フランス、スペインなど欧州広域に分布している欧州を代表する栗です。一般に「マロン」と呼ばれる実を結び、古代ローマ時代には幾つかの品種が作られていたと言われます。日本栗よりやや小さく、渋皮が剥きやすく果肉がしまっていますが、粘り気は少ないのが特徴です。栗粉で作るポレンタといった料理や菓子に広く使われますが、大栗は代表的菓子である「マロングラッセ」の原料に、小栗は焼き栗としての食べ方がよく知られています。病気や害虫に弱く、日本国内ではあまり栽培されていません。
※音衛門では
marrone dolce、マロンいっぱいのパウンドケーキ、マロングラッセやマロンコンフィをはじめとして、栗のテリーヌ類になどではこの種の西洋グリも使用しています。contents :: こだわり素材 :: 世界には四大の栗があります。 - 足立音衛門 公式オンラインショップ
アメリカグリ Castanea dentata
北米原産。別名「アメリカンチェスナット」。果実の品質が良く、木材としても優れた品種でしたが、1904年にニューヨークから発生した「焼き枯れ病（胴枯病）」で壊滅。現在でも北米の一部で栽培されているものの、市場では殆ど流通していません。病気に弱く日本国内での栽培は困難です。渋皮は剥きやすく、果肉は粉質で甘味が多く、クリ属の中でも香気に優れます。アメリカグリとは別種の北米野生種に、ドングリに似た実のチンカピン（チンカピングリ/Castanea pumilla，ワイ性チンカピン/Castanea alnifolia，Castanea ashei，フロリダチンカピン/Castanea floridana，Castanea paupispina）も存在します。contents :: こだわり素材 :: 世界には四大の栗があります。 - 足立音衛門 公式オンラインショップ
中国栗
チュウゴクグリ（中国栗）は、中国で栽培され日本に輸入されているシナグリの俗称。中国では板栗と呼ばれている。日本では広東栗または広東甘栗と呼ばれている。主に夜店や祭りなどで焼き栗として販売されているが、時々これらとは種を異なる栗を広東甘栗と称している場合がある。中国大陸を原産とする種にはこの他にヘンリーグリ、モンパーングリが有るがシナグリと種を異とする。
さらに複雑になった気がします。
火中の栗を拾う
クリに関することわざが残されています。
火中の栗を拾う
火中かちゅうの栗くりを拾ひろう
- 《猿におだてられた猫が、いろりの中の栗を拾って大やけどをしたという、ラ‐フォンテーヌの寓話ぐうわから》自分の利益にならないのに、他人のために危険を冒すたとえ。
- 自分の利益にならないのに、危険をおかすことのたとえ。また、危険を承知で、あえて問題の処理や責任ある立場を引き受けることのたとえ。
あまり喜ばしい話ではないですね。
さるかに合戦
昔話、それもかなり有名で代表的な話なので、どこに「クリ」が出てくるのかは知っていると思いますので省略。
猿蟹合戦（さるかにがっせん）
あらすじ：:蟹がおにぎりを柿の種と交換した猿と争う話です。
栗の役割：:栗は、猿を懲らしめるための仲間の登場人物の一つとして登場し、物語の展開に深く関わります。
さるかに合戦（さるかにがっせん）
日本の民話の一つ。ずる賢い猿が蟹を騙して殺害し、殺された蟹の子供に仕返しされるという話である。地域や時代によって「さるとかに」、「かにむかし」、「さるかにばなし」、「蟹の仇討ち」などの別名もある。
こちらのクリもぱちんっ！と弾けています。
クリの全国の収穫量
クリの全国の収穫量
収穫量｜収穫量ｔ ｜比率
- 茨城県｜ ３８００｜ ２４．４％
- 熊本県｜ ２２１０｜ １４．１％
- 愛媛県｜ １３００｜ ８．３％
- 岐阜県｜ ６８５｜ ４．４％
- 埼玉県｜ ５８１｜ ３．７％
- 宮崎県｜ ５２７｜ ３．４％
- 栃木県｜ ４５５｜ ２．９％
- 長野県｜ ４５１｜ ２．９％
- 兵庫県｜ ４１７｜ ２．７％
- 千葉県｜ ３６３｜ ２．３％
その他｜ ４９１１｜ ３１．３％
全国計｜１５７００｜１００ ％
茨城県が圧倒的ですね！
日本各地のクリ
茨城県：全国有数の生産量を誇る「笠間栗」
茨城県は、栗の生産量が全国でトップクラスです。これは、県北部の筑波山麓地域が栗の栽培に適した温暖な気候と水はけの良い土壌を持つためです。この地で栽培される栗は「笠間栗」として知られ、とくに品質の高さで評価されています。笠間栗は、粒が大きく、甘みが強いことが最大の特徴です。この甘みは、収穫後の追熟によってさらに増し、糖度がメロンや柿に匹敵するともいわれています。また、実がしっかりと詰まっており、ホクホクとした食感が楽しめます。主な旬の時期は9月から10月にかけてです。栗ご飯や渋皮煮はもちろん、甘露煮や栗きんとんなどの和菓子にも広く用いられています。岐阜県：丹波栗系統の「東美濃の栗」
岐阜県は、とくに東美濃地方で栗の栽培が盛んです。この地域で栽培される栗は、古くから高級栗として知られる丹波栗の系統を汲むものが多く、高い品質を誇ります。「東美濃の栗」は、きめ細やかな肉質と上品な甘み、そして豊かな香りが特徴です。とくに栗きんとんの材料として有名で、そのなめらかな舌触りと自然な甘みは多くの人々を魅了しています。この地域の栗の旬は9月中旬から10月下旬にかけてで、栗きんとん専門店が軒を連ねる恵那市や中津川市では、旬の時期には多くの観光客で賑わいます。熊本県：西日本を代表する栗の産地
熊本県は、西日本を代表する栗の産地の一つです。温暖な気候と肥沃な大地が栗の栽培に適しており、安定した生産量を誇ります。熊本県では、「筑波」や「利平」など様々な品種が栽培されており、それぞれの品種が持つ風味や食感が楽しめます。熊本県産の栗は、実が大きく、しっかりとした食感と深い甘みがあることが特徴です。栗ご飯や栗のお菓子作りに適しており、家庭料理からプロの料理人まで幅広く利用されています。また、近年では品質向上に向けた様々な取り組みが行われ、全国的なブランド力の向上が図られています。愛媛県：品質の高い「中山栗」が有名
愛媛県は、四国地方における主要な栗の産地です。とくに中山地域で栽培される「中山栗」は、その品質の高さで全国的に有名です。標高が高く冷涼な気候と、水はけの良い斜面地が栗栽培に適しています。中山栗は、粒が大きく、ホクホクとした食感と、濃厚な甘みが特徴です。その優れた風味は、様々な料理や菓子に活かされており、愛媛県を代表する特産品の一つとなっています。旬の時期は9月から10月にかけてで、渋皮煮や甘露煮、栗ご飯など、栗本来の味を楽しむ料理におすすめです。長野県：冷涼な気候が育む風味豊かな栗
長野県は、標高が高く冷涼な気候が栗栽培に適しており、風味豊かな栗が育ちます。とくに小布施町は、江戸時代から続く栗の産地として知られ、栗と栗菓子文化が深く根付いています。長野県で主に栽培されるのは、「小布施栗」をはじめとした在来種です。これらの栗は、他の産地の栗に比べてサイズはやや小ぶりですが、風味がとくに豊かで、濃厚な味わいがあります。この特徴から、モンブランや栗羊羹など、栗の風味を活かした菓子に多く用いられています。京都府（丹波栗）
古くから高級栗として知られ、大粒で風味が良いことが特徴です。山口県
温暖な気候を活かして栽培が行われており、比較的早く収穫できる早生種が中心です。宮崎県
品質の高い栗が生産されており、とくに「みやざき栗」としてブランド化が進んでいます。これらの産地ごとの特徴を理解することで、栗をより深く楽しむことができます。
日本一の栗の木は2本あるの？！
「桃栗三年柿八年」という言葉があるようにクリは3年程で実がなる程度に成長するようです。ところがその後もすくすく？！育って国内には数百年も生きているクリの樹があるそうです。
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日本一の栗の木が山形県にある
「桃栗三年柿八年」といわれているとおり、栗の木は成長が早く、すぐに大きく育ちます。樹齢20年で幹の太さが20センチメートルから30センチメートル、樹齢100年では太さが1メートルを超える巨木にまで。「全国巨樹・巨木林の会」の調査により、日本一の木と確認されたのは、山形県西川町にある「大井沢の大栗」。樹齢は300年以上と推定され、一説には800年ともいわれています。高さが15メートルで幹まわりが8.5メートル（断面を円形とすると太さ2.7メートル）にもなる巨大な木です。
日本一のクリ
【秋田県仙北市】
田沢湖抱返（だきがえ）り県立自然公園内。紅葉で有名な「抱返り渓谷」の切り立った断崖上の地形に生育する。数ある巨木の中でも、天然のクリの大径木は稀少で、幹周り8．1メートルが日本一と評されている。近くには、「日本一のブナ」も存在し、付近一帯は急峻な地形と古木の存在が象徴的である。
幹周り 8.1メートル
樹高 22メートル
樹齢（推定）200年から300年
さて、どちらが日本一なのでしょうか。いずれにせよ、大きな長生きなクリの樹、ということですね。
クリに関する全国のお祭り
日本全国にはクリにまつわるお祭りがあるそうなので調べてみました。
かさま新栗祭（茨城県笠間市）
栗の栽培面積・収穫量で日本一を誇る茨城県。県内を代表する栗の産地・笠間市で行われるのが「かさま新栗祭」です。2023年は9月29日から10月1日、初めて3日間にわたって開催されます。さまざまな栗料理や菓子の販売、栗ハンドメイド商品の販売、栗拾い体験、栗ダーツ・栗ゴルフなどのゲームなど楽しみが目白押しです。ステージでは市特別観光大使のボーイズグループ「斬波」のステージも開催されます！
日時：9月29日（金）～10月1日（日）9時～15時
場所：笠間芸術の森公園（茨城県笠間市笠間2345）
やまえ栗まつり（熊本県球磨郡山江村）
熊本県は栗の生産量2位。中でも南部の山江村は、日本を代表する栗の産地の一つです。2023年9月24日、この山村が栗を中心に賑わいます。「やまえ栗まつり」では、九州中の名店が集結！とびきりの栗スイーツが味わえます。また、生栗販売や、栗の掴み取り、栗イガ投げなどのゲームも楽しめます。話題のゆるキャラ「やまえ栗平」にも会えますよ！
日時：9月24日（日）9時半～15時
場所：山江村役場前広場（熊本県球磨郡山江村山田甲1356−1）、山江村体育館
なかやま栗祭（愛媛県伊予市）
栗の収穫量第3位の愛媛県は知る人ぞ知る栗の名産地です。中でも伊予市中山は、幻の栗とも呼ばれるブランド「中山栗」の故郷です。中山では、9月23日に「なかやま栗まつり」が開催されます。小学3年生までを対象にした「栗ひろい大会」のほか、1回100円の「栗のつかみどり」、ゆで栗・イガ栗のプレゼント、栗果実品評会（表彰式・オークション）も実施されます。2023年は演歌の大御所・鳥羽一郎さんによる歌謡ショーも！必見です。
日時：9月23日（土・祝）10時～16時
場所：栗の里公園野外音楽広場（愛媛県伊予市中山町中山戌723）
大國魂神社「秋季祭くり祭」（東京都府中市）
武蔵野の地は、栗の名産地でした。保存食として重視され、徳川将軍家にも献上される上質な栗を楽しむ祭が「大國魂神社 秋季祭くり祭」です毎年9月27・28日の日程で行われ、260本の行燈が灯される境内は幻想的な雰囲気です。また、境内に栗販売の露店が立ち並び、和やかな賑わいが味わえます。当日は二つの太々神楽も奉納されています。
日時：9月27日（木）～10月1日（日）9時～21時
場所：大國魂神社（東京都府中市宮町3丁目1）
すき栗祭（宮崎県小林市）
昼夜の寒暖差が激しい風土で甘味豊かに育つ小林市須木の栗。「須木栗」のブランド名で全国に知られています。須木の大型レジャー施設「すきむらんど」では、9月23日・24日の日程で、「すき栗まつり」が開催されます。栗を使ったジャムや洋菓子はもちろんのこと、自然豊かな里の山菜やキノコを楽しむ出店もあります。すきむらんどでは、古民家コテージへの宿泊もでき、フィンランド式サウナを備えた天然温泉もあります。
日時：9月23日（土・祝）、24日（日）10時～15時
場所：すきむらんど かじかの湯駐車場（宮崎県小林市須木下田412−6）
意外と全国でクリに関するお祭りがあるようです。
クリの栄養
クリ（くり類）日本ぐり生 100 g
水分・・・・・・・・・・・・・58.8 g
熱量・・・・・・・・・・・・・147 kcal
たんぱく質・・・・・・・・・・2.8 g
脂質・・・・・・・・・・・・・0.5 g
炭水化物・・・・・・・・・・・36.9 g
飽和脂肪酸・・・・・・・・・・0.09 g
n-3系脂肪酸・・・・・・・・・・0.05 g
n-6系脂肪酸・・・・・・・・・・0.2 g
糖質・・・・・・・・・・・・・32.7 g
食物繊維・・・・・・・・・・・4.2 g
ビタミンA・・・・・・・・・・・3 µg
ビタミンK・・・・・・・・・・・1 µg
ビタミンB1・・・・・・・・・・0.21 mg
ビタミンB2・・・・・・・・・・0.07 mg
ナイアシン・・・・・・・・・・1 mg
ビタミンB6・・・・・・・・・・0.27 mg
葉酸・・・・・・・・・・・・・74 µg
パントテン酸・・・・・・・・・1.04 mg
ビオチン・・・・・・・・・・・3.9 µg
ビタミンC・・・・・・・・・・33 mg
ナトリウム・・・・・・・・・・1 mg
カリウム・・・・・・・・・・・420 mg
カルシウム・・・・・・・・・・23 mg
マグネシウム・・・・・・・・・40 mg
リン・・・・・・・・・・・・・70 mg
鉄・・・・・・・・・・・・・・0.8 mg
亜鉛・・・・・・・・・・・・・0.5 mg
銅・・・・・・・・・・・・・・0.32 mg
マンガン・・・・・・・・・・・3.27 mg
セレン・・・・・・・・・・・・3 µg
モリブデン・・・・・・・・・・2 µg
灰分・・・・・・・・・・・・・1 g
クリの注目したい栄養素
ビタミンB1：糖質やアミノ酸の代謝をサポート
ビタミンB1は糖質やアミノ酸の代謝をサポートする栄養素。別名チアミンと呼ばれる水溶性のビタミンで、糖質を代謝するために欠かせません。糖質をもやしてエネルギーにかえるため、白米をメインにしている日本人は積極的にとりたい栄養素です。ほかにも疲労回復や、神経、筋肉の機能を正常に保つ働きを持っています。栗はビタミンB1が豊富で、100gあたり0.21㎎が含まれてています。推奨量は1日あたり1.1～1.3㎎が指定されている中、通常の食事では足りないことが多いビタミンB1。そこで、ビタミンB1が豊富な栗を間食にとりいれると、栄養の不足分を補えます。タンニン：老化やガン予防につながる抗酸化作用
タンニンはレザーのなめしにも使われている、渋み成分のことです。ポリフェノール化合物の1つで、栗の渋皮部分には多くのタンニンが含まれてています。タンニンには抗酸化作用があり、血管が老化によってかたくなる動脈硬化対策にも注目されている成分です。老化やガン予防などに役立つため、健康維持のために食事にとりいれましょう。また、肌につけると毛穴をひきしめる収れん作用も期待できるため、さまざまな化粧品にも配合されています。ビタミンC：肌トラブルのケア
ビタミンCは水溶性ビタミンの1つで、レモンやオレンジなどの柑橘系に多く含まれてています。実は栗にも100gあたり33㎎のビタミンCが配合されています。ビタミンCは1日あたり、成人の場合1日あたり100㎎程度の量を接種することが理想です。日本栗は1粒につき、可食部が20～25gのため、約5粒食べると33㎎ものビタミンCをとれる食材です。15粒も食べれば、1日に必要なビタミンCをとれると考えると、柑橘類のフルーツに負けないくらい、豊富なビタミンCをふくんでいることがわかります。ビタミンCは、抗酸化作用があり、肌のターンオーバーをサポートする栄養素です。ニキビや肌荒れなどのトラブルをケアしてくれるため、健康にも美容にもおすすめの食材です。食物繊維：便秘解消・腸内環境を整える
栗は100gあたり4.2gの食物繊維をふくんでいます。食物繊維は消化酵素では分解されず、消化や吸収されません。食物繊維には水に溶ける海藻などの水溶性食物繊維と、そのまま消化吸収されない不要性食物繊維があります。栗は消化吸収されず、腸内にある老廃物の排出をサポートする不溶性食物繊維です。そのため、腸内の老廃物のお掃除や便秘解消におすすめの食材です。また、胃腸にとどまることから、血糖値の急激な上昇がおこりづらい食材でもあります。カリウム：むくみ解消・高血圧予防
カリウムは体内にたまったよけいな老廃物や水分を排出するはたらきがあります。むくみ対策の栄養素として人気があり、塩分をとりすぎたときや、立ち仕事による足のむくみなどになやんでいる方におすすめです。また、カリウムは血圧を正常にたもつ働きを持っています。塩分の過剰摂取は高血圧の原因になりますが、カリウムをしっかりとることが、体内の余分な塩分を外においだし、血圧の上昇を予防する手助けになるのです。栗は栄養満点のスーパーフード！期待できる健康効果とおすすめの食べ方を徹底解説 | ふるなび公式ブログ ふるさと納税DISCOVERY
★にょろにょろポイント★
最後に。クリを使ったお菓子として有名なものをもうひとつ。モンブランがあります。
モンブラン（Mont Blanc aux marrons）
栗などを原料とするクリームを生地の上面に絞りかけたケーキ。名前はアルプス山脈のモンブランから。
と、いうことなのですが、
モンブランと栗は、関係ない
勘違いされやすいのですが、ケーキの“モンブラン”は、栗とは関係ありません。フランス語で“モン”は山、“ブラン”は白という意味です。ケーキが山のような形をしていることから、イタリアとフランスの国境にあるアルプス最高峰の山“モンブラン”にちなんで名付けられたといわれています。
なんだそうですよ？！ということで
ホンモノのクリをぜひ、旬のこの時期にお楽しみください。
↓私もちゃんと味わいます。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 （こぞのあゆみ）
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
