今週のお題「チャレンジしたいこと」

運動は健康を作り維持するために欠かすことができません。手軽な運動としてウォーキング、カジュアルにお散歩を愉しんでいる人も多いと思います。
そんな歩く勢のみなさん、歩数を意識していますか?どれくらい歩くのを目標にしていますか?よく「1日1万歩を目標に」という話は聞いたことがあると思います。しかし、1日1万歩を実現しようとすると、たとえば、1000歩を10分で歩くペースだと100分=1時間40分になります。ということは余裕で2時間かかります。もちろん朝昼夜の3回に分けて30分〜40分強のウォーキングを3回で達成します。でも毎日となると続けるのが難しいという人もいると思います。
そこで今回は歩数に関する記事を紹介します↓

理想は「1日1万歩」ではなかった! 医師が教える「科学的に証明された健康にいい歩数」
ウォーキングは特に年配の方に重要なテーマ
運動はいろんな形式がありますが、とくにご高齢な方にとっては、ウォーキングこそが最も好まれる運動様式です。ゆっくり歩くくらいだとそこまで心肺への負荷は大きくありませんが、その健康の利益ははっきりしています。歩数と健康の関連性をみた論文は多くあり、それをまとめた報告によれば、1日7500歩程度までは、多ければ多いほど死亡や心臓病のリスクが低いことが示されています(※1)。一方で、どのようにウォーキングするのが最も効果的なのか調べた研究はほとんどありませんでした。どのように、というのは、例えば「週1~2回、ウォーキングする時間を決めてしっかり取り組む」ことや、「毎日の歩数が増えるよう意識する」ことだったりします。これを直接比較するため、高齢女性のデータを使って研究を行いました(※2)。研究では、Women’s Health Studyという大規模なデータを用いました。このデータの中で、心臓病の既往のない高齢女性1万3547名を対象に、1週間アクチグラフというウェアラブルデバイスをつけてもらい、運動時間や歩数を測定しました。その後彼女らを11年追跡し、死亡や心臓病の発症を検証しました。このデータを使い、「歩数の目標値を1週間のうち何日達成したか」が死亡や心臓病発症とどれくらい関連性があったのかを調べました。歩数の目標値は、1日4000、5000、6000、7000歩という4パターンを検証しました。年齢や併存疾患などを調整した統計モデルを使いました。
4000歩を週1~2日でも大きな健康効果
すると、面白い結果が大きく2つ得られました。
1つ目は、1日も4000歩を達成しない人と比較し、1~2日でも4000歩を達成した人は、死亡リスクが26%、心臓病リスクが27%も低かったのです。つまり、ほとんど歩かない方と比べ、少しでも歩く習慣があると、病気のリスクはかなり減ることが期待される、ということが示されました。
2つ目は、平均歩数で調整したとき、その関連性は完全になくなったことです。これはどういうことかというと、健康を考える上では、「1週間のなかでどのように歩くか」というパターンよりも、結局平均歩数のほうが重要であることを示しています。
少しでも歩くこと、そして目標は平均歩数であること。高齢の方を対象とした場合、運動と健康を考える上でこのような知見は重要です。特に車社会で歩く頻度が少ない方は、1週間に数日でも少しでも歩く習慣をつけることで、大きな健康効果が期待されます。
以上が私が行った研究のまとめですが、ほぼ同時期に似た研究が発表されました(※3)。これはUK Biobankというヨーロッパのデータを使い、平均62歳くらいの方を対象としたもので、1回のウォーキングの持続時間が健康と関わるかを検証したものです。この研究では、平均歩数で調整した後も、1回のウォーキングの持続時間が長ければ長いほど死亡率が低いことを示しています。なお、この比較は1回5分未満/5~10分/10~15分/15分以上という「かなり少ない持続時間」での分け方です。この研究が示唆していることは、1日の中で「しっかりとウォーキングの時間をとること」が重要であるということで、これは平均歩数では示しきれない「運動習慣の良い側面」を示しているということかと考えられます。しかもこれは平均歩数を加味した上でも追加的な恩恵があるかもしれないということ。歩く習慣をつける際には、1回のウォーキングの時間をしっかり確保することは大事なようです。日々のウォーキングの習慣を振りかえろう
一方で、人によって効果が異なることも重要です。特に歩数と健康の関連性は年齢によって大きく異なることが示されています。上2つの研究も対象年齢の平均の差が10歳程度ある点は注意する必要があります。また、どちらの研究も運動量を1週間しか測定しておらず、時間がたって運動習慣が変化することについては考慮できていません。さらに、どちらの研究も「ウォーキングをしていた人が死亡率が低かった」という関連性をみたものであり、直接に因果関係(「ウォーキングをすると死亡率が減る」ということ)を主張しているものではありません。
例えば、具合が悪いから歩数が少ないという逆の因果関係を捉えている可能性もあります。ただ、それを考慮したような解析を行っても同じような結果が得られており、因果関係を一部捉えられていると考えています。
以上をまとめると、因果関係がはっきりしない点もあるものの、少しでも運動する健康のメリットはかなり大きいことが言えます。1日1万歩でなくても、たとえば4000歩を週1~2日でもいいので、ウォーキングの習慣をつけることで心臓病や早期死亡の予防が効率的にできるかもしれません。
ぜひこのようなエビデンスを参考に、日々のウォーキングの習慣を振りかえってみてください。

★ユニコーンポイント★

1万歩歩けるなら歩く。歩けなければ無理のない範囲で歩く。つまり「歩くことを続けること」が大事ということではないかと私は考えました。
小さい子から高齢者、男女、仕事や勉強、家事などなど、ひとりひとり事情や環境が違います。その違った中でも歩く時間を積極的に見つけるという意識、そしてそれを続ける意識が健康への路へと繋がっていると感じました。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・糖尿病病態栄養専門管理栄養士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
