東京オリンピック2020。毎日熱戦が報じられていますね。仕事が終わって自宅に戻ってテレビを付けているとオリンピックの試合がやっていて、さほど興味がない(というかあまり知らない競技でも)ついつい観てしまいます。期待していた競技なんかは見入ってしまって、気づくと結構な深夜に。やはり世界のトップアスリートたちの競技はどれも素晴らしいです!
ということで、私も声援を贈りたい!ガンバレ、ニッポン!
*↑私が作ったお弁当ではありません。
多くの競技で日の丸の旗がなびいていました。白地に赤マルで日の丸。白いご飯の上に紅い梅干しを載せた日の丸弁当。オリンピックでは世界各国の国旗が表示されますが、日本の国旗はとてもシンプル。群を抜いてむしろ目立つような気がします。
日の丸弁当(ひのまるべんとう)
日本の弁当の一つ。弁当箱に詰めた飯の中央に副食として梅干し1個だけを乗せたもので、日本の国旗(日の丸)のデザインに似ていることが名の由来である。特に戦時中、興亜奉公日(毎月1日)の食事に奨励されたことで知られており、戦時中の代表的な食べ物の一つとも考えられている。
と書かれていますが、そこは管理栄養士として栄養面が気になります。
栄養
栄養学の観点から見ると、米と梅干しだけという構成はタンパク質やビタミンを欠いており、一見するとカロリーも不足しているが、この米と梅干しは様々な面で有用であると考えられている。
まず酸性食品とアルカリ性食品の考えにおいては、米は酸性食品に分類されており、梅干しは体内に入るとアルカリ性に変わることから、米の酸と梅干しのアルカリにより、体内で酸とアルカリのバランスを保つことのできるとの意見がある。また、梅干しのアルカリが米の酸性を中和することで、米のカロリーのほとんどを吸収させる役割を果たすとして、食べてすぐにエネルギーに変わる、労働のための理想的な食事との評価もある。
また梅干しの酸味成分は、ウメの実に豊富に含まれているクエン酸によるものだが、食べ物のカロリーがエネルギーとして消費される際にクエン酸が必須であるとして、米が無駄なくエネルギーとして消費されるとの分析もある。
このほか、梅干しが強力な殺菌効果や解毒効果を持つことから、飯の腐敗や食中毒の防止にも繋がる合理的な食事だともいい、疲労回復の効果を持つことからも労働食にふさわしいともいわれる。こうした梅干しの効果から、海で漂流しても日の丸弁当の梅干しの種を捨てなければ飢えや渇きを凌げるとの意味で、「梅干しの種を捨てるな時化になる」ということわざもある。
もっとも殺菌・解毒効果については、普通の日の丸弁当では梅干しの周囲の飯にしかそうした効果が得られないことから、梅干しを細かくちぎって飯全体に混ぜ込むべきとも意見されている。
なんだかものすごく高評価、ですね。ということで、今回は梅干しの話をしていこうと思います。
まずはこちらをよーーーーーーくご覧ください↓
どうですか?口いっぱいに唾液が溢れてきませんか?梅干しを食べるとみんなこんな顔になっちゃいますよね↓
もしかして、あの有名なウサギさんも梅干しを食べているのかしら?
と話が脱線してしまいました。
梅干しを観ると唾液が出る、この反応でパブロフの犬という言葉を思いだした人もいると思います。
イワン・ペトローヴィチ・パブロフ(露: Иван Петрович Павлов、1849年9月14日(グレゴリオ暦9月26日) - 1936年2月27日[2])
帝政ロシア・ソビエト連邦の生理学者。
犬を使った実験
一般的に「パブロフの犬」としてよく知られる実験である。犬のほおに手術で管を通し、唾液の分泌量を測定した。ベルを鳴らしてからエサを与える事を繰り返した結果、ベルを鳴らしただけで唾液を出すようになった。さらにベルだけを鳴らし続けると次第に反応は消えていくが、数日後同様の実験をしても犬は唾液を分泌する。前者を『消去』と言い、後者を『自発的回復』と言う。なお「パブロフの犬」というと単数の印象を受けるが、実際には数百頭いたらしい。
↑実際実験に使ったとされているわんちゃんの剥製がパブロフ博物館に残っているそうです。
このパブロフが実験で見つけた反応は条件反射と云うそうです。
条件反射には
- 条件反射
- 無条件反射
の2種類あって簡単に説明すると
条件反射 =経験などにより後天的に身につけたもの
無条件反射=生物として刺激に対して勝手に反応するもの
となるようです、と云われても判りにくいので具体的な例を挙げると、
条件反射 =梅干しやレモンなどを観ると唾液がでる。
無条件反射=熱いものに触れると手を引っ込める。
=転びそうになって手をつく。
という感じなんだそうです。
ではパブロフの犬はどうでしょう。
実験内容
パブロフが行なった実験は、以下のようなものである。
- イヌにメトロノーム(ベル・ホイッスル・手拍子・足踏みと言う説もある)を聞かせる。
- イヌにえさを与える。イヌはえさを食べながらつばを出す。
- これを繰り返す。(上記の二つのプロセスを条件付けという)
- すると、イヌはメトロノームの音を聞いただけで、唾液を出すようになる。
これがいわゆる学習と異なるのは、つばの分泌が無意識的で自動的な調節に依存している点である。
犬はメトロノームの音を聞くとその後にエサをもらえることを覚えているので唾液が出るようになった、つまり「条件反射」ということになりますね。
梅干しを観て唾液が出るのは条件反射だった、のです。
唾液が出るのは梅干しが酸っぱいからですよね。レモンを観ても酸っぱいからです。まず「酸っぱい」という言葉の意味を調べてみましょう。
酸っぱい、すっぱい
酸味があるという意味の形容詞で、「酢い」を強めた言い方。わかりやすい話をすると、強烈な酸味の梅干しを食べたとき、その感覚を言い表すのに「酢い」ではものたりず、「すっぱい」とか「すっぱ!」などと、口をほそめ、顔にしわをよせながらこういう。
「酢いっ!」では足りないから「酸っぱい!」になった???その真相には触れないとしても、酸っぱいものを前にすると唾液がでるのは事実です。
では唾液とはどんな働きを持っているのでしょう。
唾液の働き
唾液には、食べやすくするだけでなく、口を通して外部から入ってくる細菌などから体を守るための、免疫機能という重要な働きもあります。
消化を助ける
唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)が、食べ物に含まれるでんぷんを分解し、胃で消化されやすい状態にします。
口の清潔を保つ
口の中の食べカスを洗い流し、口の中をきれいにして虫歯や口臭を防ぎます。
味を感じやすくする
舌にある味蕾(みらい)に唾液が味のもととなる物質を運ぶことで、食べ物の味を感じることができます。
食べ物を飲み込みやすくする
かたくパサパサしたものでも、唾液とまざることで、まとまって噛みやすく飲み込みやすい物性になります。
口の健康を保つ
唾液が口の中の粘膜全体を覆って保湿・保護します。唾液に含まれるカルシウムやリンなどは、歯の再石灰化を促し虫歯になりにくくします。
全身の健康を保つ
口から入ってくる細菌の増殖を防ぐ「抗菌作用を持つ」、がんの原因にもなる「活性酸素を減少させる」、なども報告されています。
こうしてみると唾液ってとても大切な働きを持っているんですね。
2021年6月の下旬頃、今年の私の「うめしごと」を報告しました↓
シロップやジャムだけでなく今回は梅干しも作ってみました。作ったのは2種類、「普通の梅干し」と「ちょっと甘くて食べやすい梅干し」です。
▲2021年6月1日の状態(左は氷砂糖、右は塩)
▲2021年7月22日の状態(左は氷砂糖、右は塩)
作り方はこちらを参考にしました↓
▲普通の梅干し
▲ちょっと甘くて食べやすい梅干し
食べてみました。
普通の梅干し・・・・・とにかく酸っぱい!というか塩っぱい!
食べやすい梅干し・・・酸っぱさも塩っぱさも抑えられてちょうどいい感じ
という感想です。
たくさん作った分けではないのですが、そう一度にたくさんは食べられないし、梅干しは保存が利くので、時間をかけて愉しみたいと思っています。色や味に変化が出てきたら楽しいなっと。塩分も、甘い方は糖分も高めなので、たくさん食べるのは注意ですね。
★モゥー!ポイント★
酸っぱい梅干し。なので梅干しは酸性なのですが、体内に入るとアルカリ性になるんです。不思議。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。