食べものの中には、食べるための調理をすることで、元とは違った様子になるものがあります。特に「色」に注目して身近な食べものについてみていきたいと思います。
▼前回「ワカメ」
エビとカニ
色が劇的に変わると言えばやはりエビやカニではないでしょうか。
鮮やかな朱色、オレンジがかった赤色はとても食欲をそそります(個人の感想)。
エビ、カニの元の色
エビ(海老・蝦・魵)
節足動物門・甲殻亜門・軟甲綱・十脚目(エビ目)のうち、カニ下目(短尾類)とヤドカリ下目(異尾類)以外の全ての種の総称である。すなわち、かつての長尾類(長尾亜目 Macrura)にあたる。現在、長尾亜目という分類群は廃止されており、学術的な分類ではなく便宜上の区分である。十脚目(エビ目)から、カニ・ヤドカリという腹部が特殊化した2つの系統を除いた残りの側系統であり、単系統ではない。この定義では、ザリガニもエビに含まれる。
カニ(蟹)
十脚目短尾下目(たんびかもく、Brachyura、別名:カニ下目)に属する甲殻類の総称。タラバガニやヤシガニなどは十脚目異尾下目(ヤドカリ下目)に属するが、これらも漁業・流通等の産業上、「カニ」として扱うことがある。また分類学において、本分類以外の水産節足動物で「カニ」の名を与えられているものも多い。
赤茶色というか、こうしてみると結構複雑な色合いをしています。暗い黄土色だったり、濃い紫だったり、焦げ茶だったり。種類にもよりますが、エビとカニって元の色は意外と違うんですね。
エビやカニをゆでると赤くなる理由
調べたらすぐに見つかりました↓
加熱すると赤くなる理由
もともとエビやカニは赤色ではありません。エビやカニが加熱によって色を変える理由は、彼らが持つ殻(から)に含まれる色素に不思議が隠されているからです。エビやカニの殻には、青いクラスタシアニンというタンパク質と、餌由来の赤いアスタキサンチンという色素が含まれています。これら2つの色素は体内で結合しているため、生きているうちは赤い色素の影響は見た目には出ていませんが、この結合は加熱によって分解されます。すると、隠れていたはずの赤い色素が表に現れるため、茹でることでエビやカニはアスタキサンチン本来の色である赤色になるのです。また、茹でずに焼いた場合には、タンパク質から離れたアスタキサンチンがさらに空気中の酸素と結びつくことで、茹でた時よりも鮮やかな赤色のアスタシンに変化します。
本来は持っていない色素
ちなみにこのアスタキサンチン、実はエビやカニの体内で生成されているわけではありません。自然界でアスタキサンチンを生成できる生物は、ヘマトコッカスなどの藻類だけです。アスタキサンチンを作り出す藻類をプランクトンやオキアミなどの甲殻類が食べ、それをエビやカニが食べるという食物連鎖に沿って、アスタキサンチンは上位の生き物の体内に蓄積されているのです。
「エビ」や「カニ」が加熱で赤くなる理由 アスタキサンチンとは? | TSURINEWS
○Topic3:エビはゆでるとどうして赤くなるの?
エビは、アスタキサンチンなど数種のカロテノイドを含みます。生きているエビの色はアスタキサンチンとタンパク質が結合した物質の色。そのため、緑・紫・褐色などさまざまな色合いになります。加熱によってタンパク質が変化し、アスタキサンチンとの結合が切断されることによって、アスタキサンチン本来の赤い色になるとされています。
ワカメの時も出てきましたカロテノイド。エビやカニの場合はアスタキサンチンのようです。
アスタキサンチン (astaxanthin, astaxanthine [æstəˈzænθɪn] アスタザンスィン)
1938年にリヒャルト・クーンらにより発見された色素物質である。β-カロテンやリコピンなどと同じくカロテノイドの一種で、キサントフィル類に分類される。ザリガニにより構成される属のアスタクス属より名付けられた。IUPAC名は 3,3'-ジヒドロキシ-β,β-カロテン-4,4'-ジオン。尚、キサントフィルの由来はギリシャ語の "yellow flowers" であるが、アスタキサンチンの色は赤色である。
★がぉー!ポイント★
答えとして、
食べている餌に赤色を示すアスタキサンチンが含まれていて、普段は結合しているため目立たないが、加熱されると結合は解かれてアスタキサンチンの本来の色=赤色が目立つ様になる
ということでしょうか。
確かフラミンゴのピンク色もエサ由来だったはず。
調べてみると、エビやカニなどをフラミンゴは食べているそうです。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。