今週のお題「最近おいしかったもの」
今週のお題「元気を出す方法」
毎月季節の魚介を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役魚」。
私は健康なカラダづくりに役立つ海の幸・魚介類を【役魚やくぎょ】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える魚たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。2月の役魚はヒラメです。
ヒラメ
ヒラメの旬は10月から2月です。
ヒラメ(鮃、英名:Bastard halibut、学名:Paralichthys olivaceus)
カレイ目カレイ亜目ヒラメ科に属する魚の一種。広義には、ヒラメ科とダルマガレイ科に属する魚の総称である(「ヒラメ類」の項を参照)。
ヒラメの由来
ヒラメは漢字一文字で書くと「鮃」。
ヒラメの名前の由来
「ひら」は「平たい」の意。「め」は魚の接尾語で「平たい魚」の意。
平たい魚、まさにヒラメにぴったりの名前ですね。
ヒラメは他にも地方によって呼び名が変わるようです。
地方名に
- オオクチ
- オオクチガレイ
- オヤニラミ
- カッタイガレイ
- カルハ
- ゴオソガレイ
- サカムカイ
- ソゲ
- テックイ
- トイタ
- バカレイ
- ハスガレイ
- バンゴ
- ヒダリグチ
- メビキ
- モンバス
- モンゾウ
- ヤイトガレイ
などがある。東京湾では1kg以下のものをソゲと呼ぶ。
たくさんありますねー。でも意外に「カレイ」が着く言葉が多いですね。
ヒラメに似ている魚と言えばカレイ。ヒラメとカレイの簡単な見分け方があります。それが↓
左ヒラメに右カレイ
ヒラメもカレイも平べったい魚ですが、どちらを向いているかで見分けられます。
有眼側(目のある方)が体の左側で、日本では「左ヒラメに右カレイ」といってカレイ類と区別する(後述)。また口と歯が大きいのが特徴で、ヒラメ類のことを英語ではLarge-tooth flounders という。
特徴
太平洋西部(千島列島、樺太、日本、朝鮮半島などの沿岸から南シナ海まで)に分布。最大で全長1m、体重10kgほどになる。他のカレイ目の魚と同じように左右に扁平な体型をしていてカレイと区別が付きにくいが、俗に「左ヒラメに右カレイ」と言われるように、ヒラメの目は両目とも頭部の左側半分に偏って付いているのが大きな特徴である。また、ヒラメはカレイと比べて口が大きく、歯も1つ1つが大きく鋭い。
以前「魚の方向」について記事を書きました↓
▼魚の方向について
ヒラメのエンガワ
ヒラメでも特に有名で美味しい部位、「エンガワ」。ところでヒラメのエンガワってどこのことでしょう。
ヒラメの縁側
カレイやヒラメの類は背・腹鰭の付け根部分(担鰭骨=タンキコツ)に、脂肪・ゼラチン質が蓄積していて一番旨い。魚体の端に当たるので「縁側」と呼ばれている。
具体的には↓
ヒレの付け根部分、になります。
ヒラメの栄養
ヒラメにはどんな栄養が含まれているのでしょうか。
ヒラメには「天然」ものと「養殖」ものがいますので両方比較してみます↓
ヒラメ 可食部100gあたり
天然 |養殖 |単位
エネルギー・・・・103 |126 |kcaL
タンパク質・・・・ 20.0 | 21.6 |g
脂質・・・・・・・ 2.0 | 3.7 |g
炭水化物・・・・・ ー | ー |g
カリウム・・・・・440 |440 |g
ビタミンD・・・・ 3 | 1.9 |µg
ビタミンE・・・・ 0.6 | 1.6 |mg
ビタミンB2・・・ 0.11| 0.34|mg
若干、養殖の方がエネルギーを始め数値が高いですが、大きな差にはなってないようです。
ヒラメに含まれる主な栄養
ヒラメに含まれる栄養とは?
タンパク質
ヒラメは、タンパク質がたっぷり含まれています。タンパク質は免疫機能の向上に関わる栄養で、不足すると感染症にかかりやすくなってしまいます。また骨や臓器はもちろん、皮膚や髪や爪などは、タンパク質なしには生成されないので、不足しないようしっかりと摂るようにしましょう。カリウム
ヒラメに含まれるカリウムは、体内のナトリウム量を調節して、細胞間の浸透圧を正常に維持する作用のある栄養です。余分な水分を排出する作用があるので、むくみを解消して高血圧予防にも効果が期待できます。さらに、筋肉の収縮を正常に保つなどの効果もある優れた栄養素です。セレン
体内の有害物質の排出を促す効果のあるセレンの多さにも注目です。ヒラメに含まれているセレンはグルタチオンペルオキシダーゼという酵素の構成成分にもなる栄養で、強い抗酸化作用があり、老化防止やガン予防に効果があります。ビタミンD
ビタミンDが大量に含まれていることでも知られています。ヒラメに含まれているビタミンDは、丈夫な骨と歯の形成に欠かせない栄養で、リンとカルシウムの体内吸収をサポートします。普段から外に出て習慣的に日光に当たっている人は心配ない栄養ですが、あまり外に出ない人ほど意識的に摂取してほしい栄養素です。ビタミンE
ヒラメには、ビタミンEが含まれているのも特徴です。ビタミンEには、血中のLDLコレステロールを軽減する作用がある栄養で、動脈硬化や脳梗塞の予防に効果があります。また、末梢血管を開き血行を促進させる効果があるので、冷え性に悩んでいる人にもおすすめです。ビタミンB2
ヒラメに含まれるビタミンB2は、3大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の代謝を促す働きがあります。また、体内の過酸化脂質の分解を促して血液のドロドロ化を防ぐ効能がある栄養のため、動脈硬化や心筋梗塞の予防にも期待できます。細胞の新生や成長に欠かせないため、ビタミンB2は別名「成長のビタミン」とも呼ばれることがあります。DHA
DHAの豊富な含有量にも注目です。ヒラメに含まれているDHAは、ドコサヘキサエン酸と呼ばれる不飽和脂肪酸の一種。血管の柔軟性を高めて血中の中性脂肪を減らすことで、動脈硬化や高脂血症などのほか、認知症にも効果が期待できます。また、イライラの改善や視力機能の向上にも効果が認められる栄養です。
ヒラメには白身で味は淡泊ですがたくさんの栄養が含まれています。
ヒラメは凶暴!?
なんとなーーーーく愛嬌があって憎めない感じの顔をしているヒラメ↓
ですが、ひょうきんに見えるその顔は海中で豹変するようです↓
ヒラメは
弱肉強食( じゃくにくきょうしょく ) の海で食物連鎖の頂点に位置する貪欲(どんよく)な魚で、夜間には視覚よりも嗅覚(きゅうかく)を働かせて餌を取る。8 ~9 年もすれば体長80cmと座蒲団(ざぶとん)程の大きさになり体重も10kg以上となる。
実は獰猛な魚、なのかも知れません。考えてみれば、海底に潜み狩りをするために、身体を大きく変形させた魚、なのですから。
誰もがヒラメを2匹飼っている
そんなヒラメですが、実は私たちは誰もが2匹のヒラメを飼っているんですよ?いや、冗談ではなく、本当に。
ヒラメ筋(ひらめきん、Soleus muscle)
ヒトの下肢の筋肉のひとつ。遅筋線維が著しく優位な抗重力筋のひとつで、足関節の底屈を行う。
腓骨頭と腓骨の後面上部1/3、脛骨のヒラメ筋線および腓骨頭と脛骨の間に張るヒラメ筋腱弓から起こり、強大な停止腱は腓腹筋の停止腱と結合してアキレス腱(踵骨腱)として踵骨隆起で停止する。
宇宙飛行士が無重力空間にて機能低下が進む筋肉のひとつである。
確かにっ!ヒラメに見えます。もうヒラメにしか見えません!
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
ヒラメの美味しい季節。エンガワだけでなく、身も楽しんでください。そして美味しく頂いた後は、いつもよりちょっと長くお散歩をして、足元にいる2匹のヒラメを鍛えてあげましょう!
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。