今週のお題「最近おいしかったもの」
今週のお題「元気を出す方法」
毎月季節の果物を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役果」。
私は健康なカラダづくりに役立つ果物を【役果やくか】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える果物が持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。2月の役果はイヨカンです。
イヨカン
イヨカンの旬は1月から3月頃です。
イヨカン(伊予柑)
日本列島の在来種の柑橘類であり、タンゴールの1種である。果実の皮が濃いオレンジ色で、果汁と香りが豊かで、甘く濃厚な味わいがある。
イヨカン=伊予柑=伊予の柑橘
イヨカンは伊予国の柑橘という意味だというのは予想できます。でも伊予国ってどこでしたっけ?
伊予国(いよのくに)
かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。愛媛県にあたる。
愛媛県(えひめけん)
日本の四国地方に位置する県。四国地方では最も人口が多い県。県庁所在地は中核市指定の松山市。都市規模は、計量特定市指定の今治市・新居浜市が続く。令制国の伊予国に当たる。
伊予国=愛媛県。
でも、実はイヨカンは愛媛生まれではないのだそうです!
イヨカンは山口生まれ
イヨカンの原産地
山口県の原産で、主に愛媛県で栽培されている品種であり、21世紀初頭における日本で栽培されている柑橘類では、ウンシュウミカンに次ぐ収穫量であった。
イヨカンの歴史
1885年に山口県阿武郡東分村(現:萩市)の蚕業指導員・中村正路が発見した。当初は紅みかん、穴門みかん(あなとみかん)などと呼ばれていた。中村所有の苗木を、1888年に愛媛県温泉郡持田村(現:松山市)の養蚕家・果樹園芸家であった三好保徳が購入し、愛媛県でも栽培を開始した。これを愛媛県から出荷を開始した当初は、かつての令制国の名であった伊予国にちなんで「伊予ミカン」として販売したものの、それでは従前から愛媛県で栽培してきたウンシュウミカンなどと紛らわしく混同される恐れが有ったため、結局「イヨカン(伊予柑)」という名称に変っていった。
なるほど!山口県で発見され、愛媛県で栽培した伊予ミカンが誤解をなくすために、イヨカンに改めた、ということなんですね。
イヨカンの産地
では、現在イヨカンの産地はどうなっているのでしょうか。
イヨカンの産地
日本におけるイヨカンの収穫量は、2005年が107,500 トン、2010年が53,886 トンであり、その約9割が愛媛県で収穫された物だった。なお、愛媛県内における主産地は、興居島(松山市)、中島(同)、北条(同)、保内(八幡浜市)などだが、近年は他品種への転換が進みつつある。
また、21世紀初頭における日本の果樹栽培は、減少傾向にあり、イヨカンの栽培面積も、2005年までの10年間で約35%減少し、収穫量は同じく45%減少した。
イヨカンの90%が愛媛産。やはりイヨカンですね!ただ、栽培面積が徐々に減っているというのが気になります。
イヨカンの家系図
山口で発見された!とありますが、イヨカンの系統図・家系図はどうなっているのでしょうか。
愛媛県は温州みかんに中晩柑類(ポンカンや不知火など)を加えた、柑橘類の収穫量・品目量ともに、全国一の柑橘王国です。
交配種の誕生までには10年以上の年月を要すると言われていますが、近年ではみかんとオレンジの交雑種であるタンゴール類の代表的品種の「清見」から、数多くの交配種が誕生しています。
その中でも、「紅まどんな(愛媛果試28号)」や、「甘平」などは愛媛県で誕生したオリジナルの新品種で、県内でのみ生産されている稀少な柑橘です。それぞれの柑橘の「家系」をたどっていくことで、柑橘のかたちや色、味、香り、食感などの特徴が受け継がれていることがなんとなく見えてくるかと思います。
皆さんの知っている品種を、ぜひ見つけてみてください。
イヨカン、見つけられましたか?下の段にあります。
この図表では「偶然実生」とありますが、最近判ったようです↓
遺伝子解析
イヨカンは、ウンシュウミカンとオレンジ、あるいは、ウンシュウミカンとブンタンの交雑種などと考えられていたが、柑橘類のゲノム解析により、カイコウカン(海紅柑)とダンシー(大紅みかん)の交配種だったと判明した。
イヨカンのブランド
イヨカンと言ってもいくつかのブランドがあるようです。
ブランド
- 宮内伊予柑
弥生紅(やよいべに) - 愛媛で栽培され3月まで成熟させた宮内伊予柑で、糖度11.5度以上の高品質の物を「弥生紅」と名付けて2003年から毎年出荷している。3月のみ市場に出回る。- 大谷伊予柑 - 覗き込めば顔が写り込む程に、その果皮がツルツルであるため、ダイヤ柑の異名を持つ。
- 勝山伊予柑
- 沢田伊予柑
- 山田伊予柑
- 野本伊予柑
ミヤウチイヨカンが有名ですよね。
ミヤウチイヨカン
ミヤウチイヨカンは昭和30年(1955年)に、宮内義正氏が経営しているミカン園のイヨカンの1株の中、1枝から発見し、この枝を元に、接木によって苗木の育成を行い、栽培に努力した結果、非常に優良な形質を持つ芽条変異であることがわかった。その後さらに愛媛県果樹試験場および温泉青果農業協同組合の調査によっても、その優秀性が確認されたので、昭和41年(1966年)には「宮内伊予柑」として農林省に種苗登録がなされ、全国的に注目されるようになった。その特性は、在来の伊予柑に比して、豊産である、隔年結果が少ない、20日ぐらい早く熟成する、結実が多い、果実は大きい、果肉はやわらかく果汁も多い、また果皮は薄く濃い橙色で光沢があり美しい、さらに種子の数も少ないなどである。
宮内伊予柑は、愛媛県内はもちろん、他県の各地でも栽培され、好評を博している。
イヨカンの栄養
イヨカン(100 gあたり)
- エネルギー・・・・・・46 kcal
- 炭水化物・・・・・・・0.1 g
- 水分・・・・・・・・・86.7 g
- 灰分・・・・・・・・・11.8 g
- たんぱく質・・・・・・0.9 g
- ナトリウム・・・・・・0.5 g
出典:五訂食品成分表より
イヨカンの栄養成分
【いよかんの栄養価】
なんと言ってもビタミンC!
柑橘類とあって、やはりビタミンCが豊富です。ビタミンCは歯肉炎の改善や、免疫力をアップして風邪などの感染症を予防する効果があります。体内で生成する事が出来ない物質であり、喫煙やストレスで消費されてしまうので、意識的に摂るようにしましょう!クエン酸で疲れ知らず☆
柑橘類や梅干しなどの酸味成分のクエン酸。クエン酸は疲労物質である乳酸の分解に作用する事で、素早く疲労を回復する効果が得られます。疲れ気味の方や激しい運動をされる方に特におすすめの成分です。シネフィリンとビタミンCのダブルの力で風邪を撃退!
シネフィリンは気管支を緩める効果があり、のどに起こる風邪に有効とされています。ビタミンCとの相乗効果で、風邪対策もばっちりです!
イヨカンの味
イヨカンを食べた私の感想
イヨカンを食べた感想を動画にしています、イヨカンのところからスタートします↓
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
ジューシーで美味しいイヨカン。旬の今ならより安く手に入ります。ぜひ、見かけたらイヨカン、食べてみてください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。