今週のお題「夏野菜」
今週のお題「この夏のプラン」
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。8月の役菜はシソです。
シソ
シソの旬は6月〜9月です。
シソ(紫蘇、学名: Perilla frutescens var. crispa)
シソ科シソ属の植物で、芳香性の一年生草本である。中国大陸原産で、各地で広く栽培されている。
シソ=オオバ?
私はベランダで野菜を育てているのですが、その中のひとつにオオバがあります。
シソとオオバって同じものでしょうか。
シソには品種が多く、それらの総称を「広義のシソ」、基本品種である P. frutescens var. crispa f. crispa (チリメンジソ)や代表的な品種であるアカジソ P. frutescens var. crispa f. purpurea を「狭義のシソ」という場合がある。本稿において特に明記しない限り「紫蘇」または「シソ」とは、「広義のシソ」の意味である。食用にする葉の色により赤ジソと、その変種の青ジソがあり、大葉は青ジソの別名である。
大葉(おおば) - 青紫蘇のこと。
オオバ(大葉)は青ジソの別名、なんです。
シソの名前の由来
シソは漢字で「紫蘇」と表記します。シソの名前の由来ってどこからきたのでしょうか。
シソの由来
漢名(中国植物名)では「紫蘇」で、和名の「シソ」は漢名の読みに由来する。「紫蘇」は伝説で若者が蟹による食中毒を起こし死にかけた時に、シソの薬草を煎じて飲ませたところ回復したことから、紫の蘇る草の意味でついた。もしくは、蟹を食べて食中毒になり死にかけた子供に、紫のシソの葉を食べさせたところ蘇ったため、この草を「紫蘇」と呼ぶようになったとも伝えられている。漢字の「紫蘇」は、もともと赤ジソに由来する。
蟹を食べて食中毒した時に赤ジソを煎じて飲ませたら治った、という話から赤ジソ=「紫」+蘇生したから「蘇」で紫蘇、ということらしいです。
シソの種類
シソには色々な種類があります。よく見かける身近なシソ3種を紹介します。
オオバ(=青シソ)(大葉種)
- 芳香性;非常に高い
- 葉色 ;濃緑
- 葉形 ;大型平滑
- 出穂 ;遅い
- 特徴 :濃緑で香りがよい。出穂も遅いので長く楽しむことができます。
- 用途 :みそ汁・薬味
ちりめん青シソ(ちりめん青種)
- 芳香性;高い
- 葉色 ;緑
- 葉形 ;中型ちりめん
- 出穂 ;中くらい
- 特徴 :鮮やかな緑色のちりめん葉は市場性も高い。大葉種より葉裏が赤くなりにくい。
- 用途 :刺身のつま
赤シソ(=ちりめん赤シソ)(ちりめん赤種)
- 芳香性;低い
- 葉色 ;濃赤
- 葉形 ;中型ちりめん
- 出穂 ;中くらい
- 特徴 :赤色の発色が良く、暑さに強く生育旺盛。作りやすく多収。
- 用途 :梅干しやショウガなどの色付け
なるほどっ!って感じですよねー。
エゴマもシソ?!
実はエゴマもシソの仲間?!なんです。
エゴマ(荏胡麻、学名: Perilla frutescens)
シソ科の一年草。シソ(青紫蘇)とは同種の変種。東南アジア原産とされる。日本では本州から九州にかけて自然分布し、荒れ地、河原などに生えるが、葉と種実を食用、または実からエゴマ油を採るために栽培される。シソ(青紫蘇)とよく似ており、アジア全域ではシソ系統の品種が好まれる地域、エゴマ系統の品種が好まれる地域、両方が栽培される地域などが見られるが、原産地の東南アジアではシソともエゴマともつかない未分化の品種群が多く見られる。
エゴマの名前の由来
シソとエゴマって見た目は似ていますが、エゴマという名前に違和感感じますよね。
エゴマの由来
古名、漢名は、荏(え)。名称に「ゴマ」とつくが、ゴマ(ゴマ科ゴマ属)とは別の種の植物である。和名の由来は、小粒のゴマのような種子を食用にするところから「エゴマ」とよばれるようになったものである。荏原、荏田などの地名は、かつて群生地の名残である。
地方名にジュウネンがあり、食べると十年長生きできるという謂れから。地方によっては香りの違う群もあり、レモン臭のあるものは「レモンエゴマ」と称する。
ゴマとあるが、ゴマとは別、だそうです。ただ、エゴマの種子がゴマのようだったか、という事のようです。ちなみにエゴマの種子はこんな感じ↓
確かに「ゴマ」のように見えますね。
エゴマ油って?
確かにゴマに似たエゴマ。でもエゴマと言えば「エゴマ油」が有名ですよね。
えごま油とは?
オメガ3脂肪酸が豊富で良質な油
シソ科植物の「えごま」種子を搾った油です。
現代人の食生活に不足がちなオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富に含まれ、健康的な食生活に欠かせない油として注目されています。えごま油の脂肪酸のうち、約60%以上がオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)で、食用油の中でも豊富に含まれることが特徴です。えごま油はダイエットや毎日の健康生活をサポートするオイルです。
油が取れるところも、ゴマに似ていますね。しかもエゴマ油は身体によい栄養素が詰まっています。
オオバの栄養
オオバ 可食部100gあたり
- エネルギー・・・・・・・32 kcal
- タンパク質・・・・・・・3.9 g
- 脂質・・・・・・・・・・0.1 g
- 炭水化物・・・・・・・・7.5 g
- カリウム・・・・・・・・500 mg
- カルシウム・・・・・・・230 mg
- マグネシウム・・・・・・70 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・1.7mg
- β-カロテン・・・・・・・11,000 µg
- ビタミンK・・・・・・・690 µg
- ビタミンB2・・・・・・・0.34 mg
- 葉酸・・・・・・・・・・110 µg
- ビタミンC・・・・・・・・26 mg
- 食物繊維・・・・・・・・・7.3 g
シソの注目したい栄養素
カルシウム
カルシウムは、人体ではおもに骨や歯の材料となります。一部は、筋肉や血液・神経内にも存在しており、筋肉の興奮を抑えたり、血液の凝固に関わり出血を予防したりしています。β-カロテン
β-カロテンとは、自然界に広く存在する黄・赤色の色素の一種です。β-カロテンを摂取すると、その一部はビタミンAに変換されて働きます。ビタミンAは、皮膚や目などの粘膜の健康を保ち、抵抗力を維持するために必要です。ビタミンB2
ビタミンB2は、髪・肌・爪などの健康維持や健全な成長に関与し「発育のビタミン」と呼ばれています。糖質・タンパク質・脂質の代謝と、エネルギー産生に欠かせない成分です。ペリルアルデヒド
ペリルアルデヒドは、しそ特有の香り成分です。胃の健康の維持と殺菌作用があるため、食中毒予防の効果が期待できます。
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
育ててみると判るのですが、シソって意外と強い?というかしっかり育ってくれます。そしてシソって意外と使えます。
そして暑い真夏の8月に旬を迎えるシソ。ぜひ、シソをお楽しみください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。