今週のお題「自分の好きなところ発表会」

毎月季節の魚介を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役魚」。
私は健康なカラダづくりに役立つ海の幸・魚介類を【役魚やくぎょ】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える魚たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。2月の役魚はワカサギです。

ワカサギ
ワカサギの旬は11月から3月の冬から春にかけてです。

ワカサギ(公魚、鰙、若鷺、学名:Hypomesus nipponensis)
キュウリウオ目キュウリウオ科の魚類の一種。北太平洋のアジア沿岸と北米沿岸に分布する体長17cmまでの冷水性の硬骨魚で、食用魚として利用されている。水温、塩分等に対する適応範囲の広さ、富栄養化に対する強さから、日本全国の湖沼や人工湖などに移殖され、導入された湖沼も100ヶ所近い。成熟が早く繁殖力も高く、中国においても多くの水域で生息し獲られている。

公魚
ワカサギを漢字で表すと「公魚」。おおやけのお魚?その由来について調べてみました。

魚類は漢字で表記すると魚偏の漢字が多い中、ワカサギは「公魚」と表記します。これは、江戸時代に常陸国の藩主が「11代将軍の徳川家斉」に年貢としてワカサギを献上していたことに由来しているのだとか。当時、江戸幕府の代名詞として使われていた「公儀」という言葉から、御公儀用の魚だったワカサギが「公魚」と呼ばれ、その名残が今でも漢字に残っているようです。
ワカサギとは?由来や特徴、旬の時期について解説 | クラシル
ワカサギは、霞ヶ浦北浦を代表する魚で、茨城県の淡水魚にも選ばれています。漢字では「公魚」と書きますが、これは江戸時代に麻生藩の藩主が徳川家に焼きワカサギを献上したところ、大変喜ばれ、それ以来献上が続けられるようになり、御公儀の魚(将軍家御用達の魚)とされたことに由来しています。
将軍もさぞかし喜んだことでしょう。想像できます。

そもそもなんでワカサギ?
公魚の由来は判りましたが、そもそもなぜ「ワカサギ」なのでしょう?「サギ」と言えば鳥のイメージが強いですよね?

命名
鮖、公魚、若鷺などの字をもって「ワカサギ」に当てているが、いずれも呼名の語意を表わしていない。「ワカサギ」は、「ワカ=幼い・清新」と「サギ=細魚・小魚」の合成語であり、その語意は「清新な小魚」という意。
ワカ・・・若い
サギ・・・小魚
=若い小魚。ワカサギは成魚でも15cm程度だそうなので、小さな魚という意味でぴったりですね。

ワカサギはサケの仲間
小さなお魚だからワカサギですが、サケの仲間なんだそうです。

大きな分類では、おにぎりやお弁当でおなじみのサケの仲間に分類されます。正確にはサケ目・サケ亜目・キュウリウオ科・ワカサキ属 に分類されていて、日本にはヨーロッパや北米に自然生息する種類(日本名イシカリワカサギ)と諏訪湖や霞ヶ浦に代表される種類の2種類が生息しています。
サケと言えば大きな魚。意外ですね。

ちなみにサケについては以前書きました↓

ワカサギの魚生は短い。
河を遡上する力強いサケの親戚?!なワカサギですが、その人生ならぬ魚生はとても短いそうです。

ワカサギの寿命は一般的にサケと同じく産卵までの命で、ワカサギは1年程度といわれていましたが、福島県檜原湖の産卵調査から産卵に参加するワカサギの92%が満2歳魚で、残りの8%が満1歳魚と満3歳魚との報告があります。
魚生1年と言われていたそうですが、調査により「2年、もしくはそれ以上」」だそうです。いずれにせよ、あまりにも短く感じますね。

ワカサギ釣りが冬に盛んなわけ
ワカサギと言えば凍った湖の上で氷に穴を開けて糸を垂らして釣る「氷上ワカサギ釣り」が有名ですね。でもなぜワカサギ釣りは冬に盛んになるのでしょうか。それには理由があるそうです。

1年中ワカサギがいる湖もあるのに、なぜ冬にワカサギを釣るのか?それは、ワカサギの一生に関係しています。ワカサギの産卵期は冬から春。その期間に水中に生えている水草に卵を産み付けるのですが、ワカサギの平均寿命は1年と短く、卵を産んだ成魚のほとんどは死んでしまいます。そのため、冬になる前のワカサギたちはまだ成長途中の小さな個体ばかり。ワカサギ釣りのシーズンはおおむね10〜3月ですが、釣っておいしくいただきたいなら、やはり繁殖期の脂の乗った冬がベスト!というわけです。特に脂の乗った旬の時期は、2月下旬~3月上旬といわれているので、ぜひその時期を狙って釣りに行きましょう。
短い魚生、だからこその冬場のワカサギ釣り、なんですね。

ワカサギ釣り

色々なワカサギ釣りについて調べました↓

ワカサギにとても似ている魚
ワカサギに似ている魚に「チカ」がいるそうです。
チカ(学名:Hypomesus japonicus)
キュウリウオ目キュウリウオ科に分類される魚。別名はツカ、オタポッポなど。食用とされ、同属のワカサギとよく似ている。そのため、両種が区別されずに流通していることもある。北海道及び三陸海岸以北の本州、朝鮮半島、カムチャツカ半島、樺太、千島列島の沿岸に生息する。
確かにワカサギとチカ、似ていますね。両者の見分け方として、
カサギとチカの見分け方
ワカサギとよく似た「チカ」という魚が存在します。一見して見分けるのが困難と言われていますが、チカよりもワカサギの方が市場価値が高いので間違えないようにしたいところです。ワカサギ
- ワカサギの尾びれの前方端は背びれの端よりも前にある
- ワカサギは海から汽水域、淡水でも生きていける
チカ
- チカは尾びれの前方端が後方にある
- チカは淡水域には侵入できない純海産種
- チカは淡水域では生きることのできない「純海産種」であるため、汽水域や淡水域で獲れるものはワカサギだけになります。
とは言え、似ていることには違いないですね。

ワカサギは海でも生きられる!?
凍った湖で釣る氷上ワカサギ釣りがあまりにも有名なので、ワカサギ=淡水魚というイメージがありますが、どうやらワカサギには秘められたポテンシャルがあるようです。

ワカサギは、日本の内湾や湖に生息する魚で、冷たい水を好みます。天然のワカサギの分布は、太平洋側は千葉県よりも北に、日本海側では島根県より北に生息。また、ワカサギはロシア、アメリカなどの海外にも生息しています。ワカサギは、氷に穴をあけて釣るイメージが強いため、北海道などの寒い地域にしか生息していないと思っている方もいるかもしれません。
しかし、それは間違った認識です。
本来は冷水に適した種ですが、幅広い温度に適応できる魚です。さらに、水温に対応できるだけでなく、富栄養化した水などにも強い耐性をもっています。また、食用需要も大きいことから、積極的に放流がされ、生息域を拡大しています。水質汚染にも強いため、ワカサギがいる湖だから水質が良いという認識を持っているのであれば、認識を改めたほうが良いかもしれません。
ワカサギは、群れを作って回遊する魚で、主に動物プランクトンを食べる肉食の魚です。動物プランクトンなどのほかには、魚の卵や小さな稚魚も捕食します。ワカサギは、小型の魚のため、ブラックバスやニジマスなどのフィッシュイーターからすれば、格好の餌となってしまいます。
色々な環境にも対応出来るポテンシャル。小さな体に可能性をいっぱい詰め込んだのがワカサギ、なんですね。

ワカサギの栄養

ワカサギ 100gに含まれる主な栄養素
- エネルギー 71 kcal
- たんぱく質 14.4 g
- 脂質 1.7 g
- 炭水化物 0.1 g
- カルシウム 450 mg
- リン 350 mg
ワカサギは、小さなものなら1尾あたり10g程度なので、10尾食べてようやく71kcalほど。骨も丸ごと食べられることからカルシウムも豊富で、脂質には人の体内ではほとんど作り出すことができない、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)もしっかり含まれているため、体にうれしい栄養成分をまとめて摂取することができます。
※参照:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ワカサギの注目したい栄養素

カルシウム
ワカサギに含まれる栄養素のひとつが、カルシウムだ(※1)。カルシウムは日本人の食生活の中で最も不足しがちな栄養素である。毎日の食事で意識して摂取しないと不足しやすい。99%が骨と歯に含まれており、残りは筋肉や細胞、血液内に存在している。カルシウムを摂取することで期待できる効果は筋肉の収縮・弛緩やホルモンの分泌、血液の凝固などだ(※2)。ビタミンA
ワカサギに含まれるビタミンAには、視機能を改善したり、粘膜や皮膚を健康に保ったり、動脈硬化を予防したり、ガン予防と抑制する効果が期待できる。逆に不足するとおこる症状は、目が見えにくくなる。目の角膜と粘膜がダメージを受け、光を過剰にまぶしく感じてしまう(※1、3)。ビタミンB12
ワカサギの栄養素のひとつであるビタミンB12は、核酸の生合成に関与しており、すべての細胞の健康維持に必須な栄養素だ。不足すると肝臓に障害がおこり、貧血の症状があらわれる可能性がある(※1、4)。ビタミンB2
ワカサギに含まれるビタミンB2は不足すると、髪のトラブルや肌荒れが起こり、とくに口のまわりの粘膜に症状が現れる(※5)。ビタミンB12を摂取することで期待できる効果は脂質をエネルギーに変えたり、脳と肝臓の働きに関与したり、過酸化脂質の分解に関与する(※1、6)。亜鉛
ワカサギの栄養素の亜鉛は、皮膚を守って妊娠を維持し、アレルギーを抑制して成長を促す効果が期待できる。逆に不足すると成長が障害されて低身長となり、性腺発育不全がおこる(※1、7)。セレン
ワカサギに含まれるセレンは、老化や病気から身体を守り、ガンを予防・抑制する効果が期待できる。ちなみにビタミンEと一緒に摂取すると、より効果が高まる。逆に不足するとフケが増加して髪が抜け、白内障にかかりやすくなり、シミが増えて筋力が低下する、(※1、8)。オメガ3
ワカサギに含まれる栄養素のひとつが、オメガ3脂肪酸のDHAやEPAだ。DHAは脳と神経組織の発達・機能維持に重要な役割を果たす。EPAは血液中の血小板の凝集を抑制して、血栓を溶解させて血管を拡張する働きがある(※9)。

★にょろにょろポイント★


文字通り凍った湖でも元気に泳ぐワカサギ。氷上ワカサギ釣り、やってみたいです(寒いのはとても苦手)。ぜひ、旬のワカサギを釣りも含めてお楽しみください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
