糖尿病の治療は、薬物・運動・食事の3つの治療方法が基本です。決められた用量・用法で薬を使って、適度にカラダを動かし、自分に合った量と内容の食事を摂り、定期的に医療機関でカラダの様子を検査する、これらを長い間続けることが大切です。
今ではスマートフォンを使った健康管理アプリもたくさんリリースされています。血圧・血糖値の測定や薬の飲み忘れ予防、毎日の歩数などを記録してくれてとても便利。あなたも何か健康づくりに役立つアプリを使っているかも知れません。
今回はそんなスマートフォンのアプリを使う医療保険のお話です。
医療保険(いりょうほけん、Health Insurance)
医療機関の受診により発生した入院費や手術費といった医療費について、その一部又は全部を保険者が給付する仕組みの保険である。
高額の医療費による貧困の予防や生活の安定などを目的としている。長期の入院や先進医療による治療などに伴う高額の医療費が、被保険者の直接負担となることを避けるために、被保険者の負担額の上限が定められたり、逆に保険金の支給額が膨らむことで保険者の財源が圧迫されることを防ぐため、被保険者の自己負担割合や自己負担金が定められていたり、予め保障範囲が制限されていたりすることが多い。
保険というと、将来起こるかも知れない「悪いこと」のために、予め主に資金を準備する、そんなイメージがありますが、今回SONPOひまわり生命社から発売された医療保険『ブルー』は少し違うようです。
SOMPOひまわり生命が今回発売する商品は、高齢化で増加が見込まれる糖尿病患者に対して、重症化予防と保障提供を同時に実現する新しい医療保険だ。糖尿病などの慢性疾患の患者が活用できるアプリを提供する台湾のH2社の協力も得て、構想から約2年かけて商品化にこぎつけた。
新商品には糖尿病の治療継続を支援し、重症化を予防するいくつもの仕掛けが組み込まれている。
仕掛けとはどんなことなのでしょう。
(1)還付金(HbA1c管理支援還付金)をお支払い
各測定対象期間※3の満了時に、つぎの条件をすべて満たすとき、還付金をお支払いします。
①各測定対象期間中に測定したHbA1c値が7.5%未満となったことがあること
②各測定対象期間の満了時までの保険料が払い込まれていること
※3 「測定対象期間」とは、契約日以後に到来する1年ごとの契約応当日の前日までの1年間のことです。(2)入院一時金・手術給付金
入院や手術の際に一時金をお支払いします。糖尿病の悪化や合併症による入院・手術はもちろん、糖尿病以外の病気にも幅広く対応しています。心疾患または脳血管疾患による入院・手術の場合はプラスで一時金をお支払いします。(3)通常の医療保険への移行(別紙1-3)
5年間の保険期間満了後、所定の条件を満たせば、当社の通常の医療保険に移行することができます。
・保険期間(5年間)満了後の更新契約の取扱いはありませんが、満了時に告知をいただくことなく保険期間が終身の他の保険に移行することができます。
・限定告知型の医療保険には無条件で移行することができます。
・当社所定の条件をすべて満たす場合は、通常の医療保険に移行することができます。(4)加入年齢
糖尿病の治療中でも40歳から69歳までお申し込みいただけます。(5)ネット専用
スマートフォン、タブレットでの申込み専用の商品です。
詳しい情報は調べて頂くとして、例えば(他の条件に加えて)
HbA1c7.5%未満になったことがある
という条件が組み込まれていること。そして
専用のアプリで計測・記録すること
などが組み込まれていることです。
考え方を変えれば、日々、薬を飲み、カラダを動かし、食事に気をつけている、糖尿病をきちんと治療している人を想定しているという点です。つまり、糖尿病があったとしても、糖尿病合併症を起こさない=悪化しないように、しっかり治療している人を想定していることです。
そしてスマートフォンアプリを活用している点も大きいです。最早スマホは日常生活に欠かせません。誰もが肌身離さず持っているスマホに日常のモニター役+記録係をやらせることで、煩わしさを無くすだけでなく、普段の生活の細かな記録は、より効果的な診察や治療に欠かすことのできない情報になります。
生活改善とは生活をよりよくすること。よりよい生活はカラダとココロを豊かにしてくれます。豊かな生活、幸せな毎日を送ることではないでしょうか。
★ぶー!ポイント★
私はこの保険を勧めているのではありません。ただこのような新しくて面白い保険商品があるという情報を伝えるために書きました。
生活習慣は人それぞれ。生活習慣を改善する方法も人それぞれ。このような保険やシステムを利用した方がより頑張れる人も、逆に頑張れない人もいます。
自分には何が合うのかを知ることはとても大切です。もし自分に合うのがなかなか見つからない場合は、私たち管理栄養士や医師、医療スタッフに相談してみるのもひとつの方法です。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。