今週のお題「ベストアイス2023」
今週のお題「自由研究」
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。8月の役菜はゴーヤです。
ゴーヤ
ゴーヤの旬は6月〜9月頃まで。
ツルレイシ（蔓茘枝、蔓荔枝、学名: Momordica charantia var. pavel）
ウリ科の植物の一種、およびその果実である。おもに未熟な緑色の果実を野菜として利用する。一般的には、ニガウリ（苦瓜） もしくはゴーヤーと呼ばれる。
ゴーヤと言えば？
やはり、あの独特の「苦味」ですよね。
あの強い苦味が苦手っていう人、結構いるのではないでしょうか。特に子ども達にとってはかなり厳しい感じですよね。
↑中にはむしろ得意なお子さんもいるようですが･･･。
しかも生で、、、これだけのゴーヤに囲まれていて嫌な表情ではないことから、日常的に食されていると推測されます。
さらに笑顔で食べる少年らしき画像も発見↓
この画像の後のシーンが気になります。
ゴーヤの苦味成分
あの独特な苦味の原因って何なのかというと、
栄養成分
ニガウリ（ゴーヤー）は淡色野菜に分類されるが、ビタミン類やミネラルをバランス良く含み緑黄色野菜に匹敵する量のビタミンCを含有する。特にビタミンCなどの水溶性ビタミンを多く含むことや、苦味成分（モモルデシン（英語版）、チャランチン（英語版）、コロソリン酸（英語版）、ククルビタシン）を含むことが知られている。
なんと、4種類もの食べると苦く感じる成分が惜しげも無く含まれている模様。しかもその解説はすべて英語版のみ。しかも聞き慣れない成分名の上に、声を出して読むと、ちょっと楽しくなっちゃうような名前っていうのも面白いですね。（一応英語版にリンクをかけてあります）
日本語で解説があったものを以下に紹介します。
ククルビタシン
ククルビタシン (cucurbitacin)
ウリ科植物に特有のステロイドの一種であり、トリテルペンに属する。
概要
キュウリ、メロン、スイカなどのへたに近い部分に含まれるが、通常は含有量が少ないため苦味までは感じない。その一方で、ゴーヤには多く含まれ、加えて他の苦み成分であるモモルデシン (momordicin) も含まれているため、強烈な苦味の元になっている。また、ヨーロッパに生息するキノコの一種 Leucopaxillus gentianeus の苦味成分としても知られる（成分はククルビタシンB）。
ヘチマやユウガオなどの一部の株において、まれにククルビタシンを多く産生するものが混じって流通することが知られており、自家栽培したものなどを苦味を我慢して食べたことによる食中毒事例（おう吐や下痢等）もある。異常に苦いものは、食べるのをやめるのが無難である。食中毒事例には、他にヒョウタンやズッキーニによるものもある。なお、モモルデシンには食中毒を引き起こす毒性はない。
怖いことが書かれています。整理しましょう。
ククルビタシンは、
- キュウリやメロンやスイカなどのウリ系に含まれる。が、含まれる量が少ないので、苦味を感じない。
- ゴーヤはたくさん含んでいる、しかもモモルデシンという他の苦み成分まで入っている。
- ゴーヤの他にもヘチマ、ユウガオ、ヒョウタン、ズッキーニなどは多く含む場合がある。
- 苦いと思いながらも食べてしまうと食中毒を引き起こす場合がある。
ということのようです。
モモルデシン
ククルビタシンの説明にも登場したもうひとつの苦み成分、モモルデシンについて。
モモルデシン
ゴーヤに含まれる苦味成分で、20種類以上のアミノ酸でできている栄養素です。胃の粘膜を保護したり、胃腸を刺激して消化液の分泌を促進させて食欲を増進させる効果があると言われています。ただし、食べすぎると胃腸を刺激しすぎて胃が荒れてしまう原因になるので、食べすぎには注意をしましょう。他には、血糖値や血圧を下げる効果や疲労回復、肝機能を保護する役割もあるとされています。
モモルデシンは、
- 胃の粘膜を保護する。
- 消化液の分泌を促進する。
って、あれ？？？身体にとってよい成分では？？？
でも注意書きがあって、
- 食べ過ぎると胃が荒れる。
のだそうです。やっぱり食べ過ぎはダメってことのようです。
そして気になる点として、
- 血糖値を下げる
- 血圧を下げる
- 疲労回復
- 肝機能を保護
などの効果が期待できるとしています！
ゴーヤは血糖に作用するの？
血糖に対する作用
- ラットでの動物実験で血糖降下作用が認められているが、ヒト（人）に換算すると9.5kg/bodyという非現実的摂取量であった。
- 人に対する3つの無作為化比較試験のメタ解析では、ニガウリの摂取によりII型糖尿病の改善を認めなかった。
- カナダでの健康な男性5名を対象とした単盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験でも、血糖低下や食欲抑制などの効果は無かった。
- ツルレイシの消費量が多いはずの沖縄県での2000年の糖尿病死亡率は県別で男女とも2位であったことも指摘されている。
- ただし小児においてニガウリ茶の摂取において低血糖性による昏睡や痙攣があったという報告もある。
この結果から判断するならば、
ゴーヤは血糖を効果させる作用があるのです、ただし、「ヒト」ではなく「ラット」だから。しかもその効果はヒトに換算して9.5kg食べた場合のラットだった、ということです。
そう、先程もあったように、ゴーヤは食べ過ぎると食中毒を引き起こす可能性があります。どう考えても9.5kgは食べ過ぎです。
血糖値は下がるかもしれないけど、その分食中毒になってしまう、という。なので非現実的、ということです。
ここにも「小児において」とありますね。
（一部↑のような画像の子たちを除いて）子どもが食べにくい「苦味」があるのはもしかするとゴーヤからの強いメッセージかも知れません。
ゴーヤさんたち：食べるとお腹痛くなっちゃうからなっ！
くれぐれも子どもたちが食べ過ぎないように気を付けてください。
苦味の少ないゴーヤの選び方
見た目で苦味の少ないゴーヤが判るそうです↓
右と左どっちのゴーヤーが苦いかわかりますか？
— 青髪のテツ｜野菜のプロ (@tetsublogorg) 2022年7月23日
答=苦いのは右側。
イボが小さくて色が濃いゴーヤーは苦いんです。理由はまだ未熟だから。
苦すぎるゴーヤーが苦手ならイボが大きくて色が薄い左のような見た目のゴーヤーを選びましょう！ pic.twitter.com/rClRrGtY7u
これは試してみる価値あり！
ゴーヤあれこれ
これまでに私のブログで登場したゴーヤたちの一部を紹介。
▼ゴーヤ、2022年に引き続き、私の部屋のベランダ農園で育成中です。
★ぴょん！ポイント★
最後は「ゴーヤとネコ」です↓
なぜこんなにネコさんたちはゴーヤのニオイを嗅ぐのかは判りません。
ゴーヤに対して何だかマイナスなイメージが付いてしまったら、それは間違いです。ゴーヤに限らずどんなものでも食べ過ぎ、飲み過ぎは身体によくはありません。適量を食べる分にはゴーヤはビタミンCを始め栄養豊富。
ゴーヤを「適量」食べて、2023年の猛暑を乗りきりましょう！
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 （こぞのあゆみ）
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
