2022年5月18日水曜日、オンライン「zoom」で行われた糖尿病診断スキルアップセミナー〜糖尿病診療のニューノーマルを目指して〜で講演させて頂きました。
特別講演１
松田拓朗先生（福岡大学病院 リハビリテーション部 健康運動指導士）による「新たな視点で考える糖尿病の運動療法」
特別講演２
「適材適食」をメインテーマにサルコペニア予防に対する栄養指導の関わり方について、私から講演させて頂きました。
以下今回の講演で私が使用したスライドから一部を掲載します。
特別講演３
野見山崇先生（国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌科学 教授／国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・内分泌代謝センター長）による「糖のながれのその先へ〜糖尿病治療薬処方のトリセツ〜」
▼野見山崇先生のエッセイ最新版
そして総合座長を務める野口雄一先生（のぐち内科クリニック 院長）によるディスカッション「糖尿病診療明日からできる事」を行いました。
質問頂いた内容について以下に改めて記載します。
Ｑ）患者が『1日2食にしたい』など、流行の食事療法など興味を示したときはどのようにアドバイスするのか？
Ａ）まず、患者がみずから『健康になりたい』と思って情報収集していることを評価します。その上でその情報を精査し、患者の健康を害するものでなければ「短期間」実施してみるようにアドバイスします。逆に健康を害するものである＝危険と判断した場合はリスクの説明を出来る限り患者が理解し納得するように丁寧に説明します。
患者自身が試してみたいと思っているものを否定してしまうと、患者から相談することがなくなりますし、あったとしても否定されてしまうことを恐れ、本当のことを話さなくなるという大きなリスクがあります。中には『止めて欲しい』と思っている場合もあるので、まずは患者から話を詳しく訊くことが最も大切ではないかと考えます。
Ｑ）当講演会の参加者に何かアドバイスを。
Ａ）糖尿病の患者は「食べてはいけない」という思い込みが強い人が多く、そのため必要なタンパク質量も減らしている患者が多く存在しているという現実が院内アンケートを取ったことで判ってきました。栄養指導の際に食事のタイミングや何を減らすべきなのか、何をプラスするべきなのかをより判りやすく患者に伝えること、伝えるだけでなく、本当に患者が理解し、実行できるのかまで考え抜く必要があると感じています。
★がぉー！ポイント★
食事・運動療法は大事。
新型コロナウイルス感染症流行で私たちの生活、毎日は大きく変わったってしまいました。が、すでにそれがいつのまにか当たり前の日常となっています。私たち医療スタッフのするべきことは「コロナだからできない」ではなく「コロナでもできること」を提案すること。そしてそれらを患者に単に伝えるだけでなく、しっかりと理解し、そして実行し、続けることができるのかまでを考えることが今の糖尿病治療で最も大切なことなのではないかと私自身再確認した講演会でした。
最後になりましたが、
野口 雄一 先生（のぐち内科クリニック 院長）
松田 拓朗 先生（福岡大学病院 リハビリテーション部 健康運動指導士）
野見山 崇 先生（国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌科学 教授／国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・内分泌代謝センター長）
そして
本日参加頂いた医療従事者のみなさま、
講演会のスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
▲福岡発信チーム？の松田拓朗先生と私。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 （こぞのあゆみ）管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
