今週のお題「何して遊ぶ?」
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。5月の役菜はキクラゲです。
キクラゲ
キクラゲの旬は5月〜9月頃まで。
キクラゲ(木耳、木蛾、学名:Auricularia auricula-judae)
キクラゲ目キクラゲ科キクラゲ属のキノコ。春から秋にかけて、広葉樹のニワトコ、ケヤキなどの倒木や枯枝に発生する。主に日本列島、中国大陸、台湾島、朝鮮半島などの東アジアやミャンマーなどで食用とされている。また、中米のベリーズでは、マヤ系先住民族のモパン族が食用とする2種のキノコのうちの一種である。
ただし、現在の学名は変更される可能性が高い(後述)
クラゲという言葉が入っていますが、クラゲと何か関係あるのかと思えば↓
キクラゲの名称
学名の内、属名はラテン語の「耳介」に由来する。種小名は「ユダの耳」を意味し、ユダが首を吊ったニワトコの木からこのキノコが生えたという伝承に基づく。英語でも同様に「ユダヤ人の耳」を意味するJew's earという。この伝承もあってヨーロッパではあまり食用にしていない。
日本では、従来A. auricula (Hook.) Underw.という学名が用いられていたが、実際には上記の学名が優先権を持つことが判明した。日本語では漢名「木耳」(ムーアル、拼音: mù‘ěr)の熟字訓で「きくらげ」と読ませるが、木に生えるクラゲ(水母)のような食感の食材という意味である。日本における地方名には、沖縄本島のみみぐい、沖永良部島(鹿児島県)のみんぐそ、奄美大島(鹿児島県)のみんぐり、宮崎県西臼杵郡のみみなばなどがあり、いずれも自生するアラゲキクラゲを耳と関連付けて呼んでいる。ベトナム語では、「猫のきのこ」を意味するnấm mèo(ナムメオ)、または、木耳をベトナム語で音読みしたmộc nhĩ(モッニー)という。マヤ系のモパン語ではlo'lo'(ロロ)という。
というくらい世界でもキクラゲを「耳」として認識しているそうです。ちなみに耳介とは↓
耳介(じかい、pinna)または耳殻(じかく)
動物の耳のうち、外に張り出て飛び出している部分のこと。外耳の一部。音を集める機能の他、動物によっては体温調節の機能などを担っている場合もある。なお、厳密な定義では耳には耳介以外の部分も含まれているのだが、一般生活においては耳介の部分を指して「耳」と呼ぶことが多い。
似て、、、る?似てなくもないですけど・・・。食感の方は納得。確かにクラゲのようなコリっとした感じは似ていると思います。やっぱり「色」が全然違うからかなーなんて思っていたら↓
黒木耳と白木耳
キクラゲには黒いのと白いのがあります。白いのはというとこんな感じ↓
なんか、コレって白というより透き通っていますよね。で、収穫したものがこちら↓
なんだか一気に「クラゲ」感がアップ↑↑↑した感じになりました。
黒木耳と白キクラゲの違いを調べてみると↓
きくらげと白きくらげの違い
きくらげ
全体は耳型または波形で、屈曲してナラの枯れ木などに群生します。全体的に暗褐色で、表面にかすかに短い毛が生えています。主にコリコリ、プリプリとした食感が特徴。白きくらげ
ゼラチン質で半透明の白色です。乾燥白きくらげを十分に水で戻し、軸の硬いところを取り除くと、軟らかな口当たりになります。きくらげ栄養!白きくらげとの違いや、椎茸との栄養比較まとめ|カゴメ株式会社
黒きくらげと白きくらげの違いは?
黒きくらげと白きくらげはそもそも違う品種で、舌触りや食感・味、さらには効能にも違いがあります。白きくらげは、黒きくらげの表面にある産毛状のものがなくツルツルしていて、味はほぼありません。効能を簡単に言うと、黒きくらげが「血(けつ)を補う補血作用(ほけつさよう)」を持つのに対して、白きくらげは「津液(しんえき)を補う補陰作用(ほいんさよう)」を持ちます。補血作用・補陰作用について詳しく知りたい方は第41回をご参照ください。
つまり同じ仲間だけど種類が違うって感じなんですね。
キクラゲはキノコの仲間
何となく木から生えている画像から「キノコの仲間かな」と判ると思いますが、キノコです。では、キノコの仲間のキクラゲにはどんな栄養が含まれているのでしょうか。
キクラゲの栄養
乾燥きくらげの栄養量を、同じ乾燥食材である干し椎茸と比較しました。中でもカルシウム310mgやビタミンD85.4μg(マイクログラム)、食物繊維57.4gは、干し椎茸よりも多く含みます(可食部100g当たり)。
乾燥させたきくらげのカロリーは167kcal、白きくらげは162kcalと、ほぼ同程度ですが、含まれる栄養量は違います。きくらげは、ビタミンD85.4μg、葉酸87μgを白きくらげよりも多く含みます。一方、白きくらげは、カリウム1400mg、ビオチン86.9μgをきくらげよりも多く含みます(可食部100g当たり)。
カリウムを多く含むのがキクラゲの特徴。カリウムは体内の塩分を排出を助けるので血圧を下げる効果があります。
↑表をみると判るように「乾燥」させたキクラゲの方が栄養がぎゅっと詰まっています。これはシイタケでも同じなのです。
乾燥キクラゲの戻し方
乾燥キクラゲの上手な戻し方について動画つきで判りやすいサイトを紹介します↓
水で戻す方法
ボウルにきくらげを入れ、きくらげが浸かる程度の水を注ぎます。6時間程度浸け、ザルにあげて水気を切ります。ぬるま湯で戻す方法
ボウルにきくらげを入れ、40℃程度のぬるま湯をきくらげが浸かる程度注ぎます。15~30分程浸け、ザルにあげて水気を切ります。きくらげの中心部に固い石づきがある場合は、包丁で切り落とし、食べやすい大きさに切ります。
キクラゲはどこで売ってるの?
さて、乾燥キクラゲはどこに売っているのでしょうか?そ、乾物売り場です。
ちなみに「キクラゲ専門店」もあるようです!↓
★ぴょん!ポイント★
キクラゲと言うと、つい「中華」をイメージしてしまいますよね。もちろん中華丼やラーメンなど中華料理のキクラゲも美味しいのですが、あの独特の食感を活かした中華以外の何か新しい料理を思いつくかも知れません。旬のキクラゲで何か新しいものに挑戦してみてはいかがでしょうか?
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。