今週のお題「30万円あったら」
今週のお題「朝ごはん」
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。7月の役菜はオクラです。
オクラ
オクラの旬は6月〜9月頃まで。
オクラ(秋葵、英: okra、学名: Abelmoschus esculentus)
アオイ科トロロアオイ属の植物、またはその食用果実である。原産地はアフリカ北東部(エチオピアが有力)。原産地や熱帯では多年草で、何年も繰り返し果実をつけるが、日本では越冬できないため一年草である。角オクラは10センチメートル、丸オクラは15 - 20センチメートルくらいに成長した段階の若い果実を食用とし、日本でも広く普及している。大きくなりすぎると繊維が発達して食感が悪くなり、食品価値を失う。
これまでに登場したオクラ
オクラと言えば、絶賛私の部屋のベランダ農園で栽培しています。
▼育成中
下の方にぶら下がるようになるのかと思っていたのですが、空に向かって育っていくオクラは不思議です。
▼収穫
手塩にかけたオクラを美味しく頂きました。
他にもオクラについては何度か取り上げてきました↓
オクラについてのアレコレは既にお話しているので、今回はちょっと違う話をしたいと思います。
オクラはボツネタ?
「おくらいり」という言葉、使うと思います。もちろん「オクラの入った食べもの=オクラ入り」ではなく、よいと思われるけど使わないみたいな意味で使うことが多い言葉だと思います。「おくらいり」の意味を調べてみました。
お蔵入り(おくらいり)
計画されていた事柄が何らかの理由により中止・取り止めとなり、世間の目に触れないまま棚上げになる状況をさす。
やはりそうでした。さらに調べてみると、
お蔵入り(おくらいり)
① 戦国・江戸時代、将軍(幕府)、大名(私藩)の直領(じきりょう)で、年貢、諸役を直接収取する領地。家臣に分与する領地を給知(きゅうち)というのに対して蔵入地といい、その収納米を御蔵米といった。領主の生活費や諸役人の給料はこの蔵米から支出された。御蔵入地。
② 上演予定の歌舞伎狂言、または映画などが上演取り止めになること。転じて、計画が実行に移されなくなること。
※壺中庵異聞(1974)〈富岡多恵子〉七「或る出版元に渡してあったのが、ずっとオクラ入りしていた」
単に「蔵に入れてしまう」ということだけでなく、将軍や大名が持っている家臣達に支給する年貢で取り立てた米を貯蔵している蔵を「御蔵」と呼んでいたようです。なるほど。
日の目を見ないことを逆手に取って?
「おくらいり」を逆手に取った作品があるそうでSNSで話題となっていました↓
これぞ、正真正銘の“オクラ”入り? ボツネタを捨てるゴミ箱に「面白い」の声、制作者に聞く
オクラの形や色を再現した「ごみ箱」がSNS上で話題となっています。「オクラ」と「お蔵(オクラ)入り」を掛けたユニークなアイデアに、「面白い」「うまいこという」「ホテルオークラで採用してほしい」といった声が寄せられています。ごみ箱を作った男性に話を聞きました。
ボツネタを泣く泣く捨てる時に発想
ごみ箱は鮮やかな緑色。上部には、オクラの切り口をイメージした5つの穴があります。ごみを「ボツになった企画」と想定すれば、ここに入れることで確かに「お蔵入り」したことになります。作者はペンネーム「よしだ」さん(22)。多摩美術大の4年生で、グラフィックデザインを学んでいます。
さすが美大生!折角のアイディアを書き記した紙もお蔵入りとなった瞬間紙くずとなり、ポイとゴミ箱へ。そのゴミ箱のカタチは「オクラ」という発想も造形も素晴らしいですね!でもこれは「おくらいり」というよりも「オクラ入れ」って感じですね。
オクラで書いたホテル
以前も紹介しましたが、オクラで「ホテル」の文字を描いたホテルオークラ。見事SNSでバズりましたね↓
ホテルオークラ pic.twitter.com/shQRb3OPYK
— kinari farm | 食卓に色を届ける農園 (@kinarifarm) 2021年8月4日
誰もが考えつきそうですが、それを実際にやるってところがさすがホテルオークラです。
オクラの栄養
オクラには身体が喜ぶ栄養素がたくさん詰まっています。
オクラに含まれている栄養素とその効能
オクラに含まれる栄養素は水溶性のビタミン類、β-カロテン、カリウム、カルシウム、食物繊維があります。水溶性のビタミン類は代謝や肌の健康に関わり、β-カロテンは免疫力を高めます。カリウムやカルシウムは不足しがちなため、毎日取り入れたい栄養素です。オクラの特徴である粘りは食物繊維のペクチンでできています。ここではそれぞれの栄養素の詳しい働きを解説します。美容に効果的な水溶性ビタミン
オクラに含まれる代表的な水溶性ビタミンは、ビタミンB1、B2、葉酸、ビタミンCです。ビタミンB1は食べた糖質をエネルギーとして使うのを助け、ビタミンB2は美容のビタミンと呼ばれ、肌の健康を保ちます。葉酸は貧血予防になり、特に妊娠中に大切な栄養素です。ビタミンCはコラーゲンをつくるときに必要になります。肌の張りを保ちたい場合は積極的に摂りましょう。いずれも水溶性で体内にためておけないため、毎日少しずつでもこまめに摂ることが大切な栄養素です。免疫力を高めるβ-カロテン
オクラに含まれるβ-カロテンは体の中でビタミンAに変えられて使われます。ビタミンAは目や肌、粘膜の健康を守る栄養素です。不足すると薄暗いところで目が見えづらくなるほか、肌や粘膜が荒れたり乾燥したりします。粘膜が荒れると外からウイルスや細菌が入りやすい状態になるため、注意が必要です。ビタミンAは1日の上限量が決められていますが、植物性のものから摂るβ-カロテンは過剰症の心配がありません。免疫力を高めたいときには特に積極的に取り入れるようにするとよいでしょう。不足しがちなミネラル
オクラにはカリウム、カルシウムも含まれます。カリウムは塩に含まれるナトリウムと一緒に体の中の水分の濃度を調整する栄養素です。不足するとナトリウムの排泄が滞り、血圧が高くなるなど、生活習慣病のリスクが上がります。むくみの解消にも役立つ栄養素です。濃い味つけを好む方やアルコールをよく飲む方は必要量が増えるため、意識して取り入れましょう。カルシウムは骨や歯の健康に関わるミネラルです。不足すると足りない分は骨を溶かして補うため、骨がもろくなります。子供の場合は成長不良、大人は骨粗しょう症の原因のひとつといわれます。また、神経の伝達にも関わり、ストレスをやわらげる働きも持つ栄養素です。子供から大人までしっかり摂取するようにしましょう。腸内環境を整える食物繊維
オクラは水溶性と不溶性どちらの食物繊維も含みます。独特の粘りは水溶性のペクチンによるものです。ペクチンは腸の中で善玉菌のえさとなり、腸の環境を整えてくれます。また、糖質の吸収を緩やかにすることから、食後の血糖値が急激に高くなるのを抑えるのにも効果的です。一方不溶性の食物繊維は腸の中で便のかさを増し、腸を刺激して動きを促すことで便通をよくしてくれます。老廃物をからめとって排泄することから同じく腸内環境を整えるのに役立ちます。
★ぴょん!ポイント★
何かと地味に話題豊富なオクラ。食卓の主役にはなかなかなりませんが、でも五角形の中には私たちの身体を元気にしてくれるたくさんの栄養素がぎっしりと詰まっています。これからますます暑くなります。夏バテ防止のためにも夏野菜のオクラを楽しんでみませんか?
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。