今週のお題「30万円あったら」
2023年7月。今年の梅雨はかなりピンポイントで大雨が降っていますね。線状降水帯という言葉をよく聞きます。九州でも福岡より南、熊本はかなりの雨が降っているようです。被害が出ないことを祈るばかりです。
線状降水帯という言葉と同じように夏になると聞くのがエルニーニョ現象。単語としてよく耳にはしますが、どういう意味なのか今回調べてみました。
エルニーニョとは
まずはWikipediaから引用します↓
エルニーニョ(スペイン語:El Niño 語意は「神の子」)またはエルニーニョ現象(エルニーニョげんしょう)
エルニーニョ・南方振動(ENSO) での温暖な局面を指す用語で、南米の太平洋岸沖合を含む中央太平洋および東中部太平洋の赤道域(概ね日付変更線と西経120度の間)にて発達する暖かい海流が関与しているもの。
ENSOとは、中央太平洋および東太平洋の熱帯域で発生する海面水温(SST)が上昇しては下降する振動である。その温暖局面にあたるエルニーニョは西太平洋に高い気圧をもたらし、東太平洋には低い気圧をもたらす。エルニーニョの状態は数年にわたって続くことが知られており、記録ではその周期が2-7年継続することが示されている。エルニーニョの発達時期は、9月から11月にかけて降雨が発生する。対してENSOの寒冷局面はラニーニャ(スペイン語で「女の子」の意)と呼ばれ、東太平洋の海面温度が平均を下回り、東太平洋で気圧が高くなって西太平洋では低くなる。エルニーニョとラニーニャの双方を含むENSOの周期が、気温と降雨における世界規模の変化を引き起こしている。
とりわけ国境を太平洋と接しており農業と漁業に依存する発展途上国が、一般的に最もその影響を受ける。この局面になると、南米付近の太平洋にある暖水域が多くの場合クリスマス頃に最も暖かくなる。元々のフレーズ「El Niño de Navidad」は数世紀前に生まれたもので、ペルーの漁師がキリスト降誕祭にちなんでこの気象現象を命名した。
ちょっと、難しい、ですね。ただ太平洋の海面温度が引き起こす現象、という事はなんとなく判ります。
エルニーニョ 概要
もともと「エルニーニョ」という用語は、クリスマス時期にペルーとエクアドルの沿岸を南に流れる毎年の小規模な暖かい海流を指すものだった。しかし、歳月が経つにつれてこの用語は進化し、現在ではエルニーニョ・南方振動での温暖かつ好ましくない局面および中央太平洋と東太平洋の熱帯域における海面の温暖化や平均を上回る海面水温を指すものとなっている。この温暖化が大気循環の遷移を引き起こしており、インドネシア、インド、オーストラリア上空では降雨量が減少し、太平洋熱帯域の上空では降雨量が多くなって熱帯低気圧の形成も増加する。海面辺りを吹く貿易風は、平年だと赤道に沿って東から西に吹いているが、これが弱まったり他の方角から吹くようになる。
「エルニーニョ」という言葉は元々ペルー付近を流れる温かい海流という意味だったようです。
言葉だけではわかりにくいので、画で判るものを探したところ、気象庁にもエルニーニョに関する解説ページがありました↓
エルニーニョとラニーニャ
エルニーニョの他に「ラニーニャ」という状態もあります。ここでは両方説明しています。
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられています。
具体的に太平洋の水温を画像化したもので説明すると↓
エルニーニョ/ラニーニャ現象
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられています。
▼エルニーニョ現象発生時
▼ラニーニャ現象発生時
図1↑は典型的なエルニーニョ現象及びラニーニャ現象が発生している時の太平洋における海面水温の平年偏差の分布を示しています(平年値は1981〜2010年の30年間の平均;赤が平年より高く、青が平年より低く、色が濃いほど平年偏差が大きいことを表します)。左の図は、1997/98エルニーニョ現象(1997年春に発生、1998年春に終息)が最盛期にあった1997年11月における海面水温の平年偏差、右の図は1988/89ラニーニャ現象(1988年春に発生、1989年春に終息)が最盛期であった1988年12月における海面水温の平年偏差です。日付変更線(経度180度)の東から南米沿岸にかけての赤道沿いで、赤あるいは青の色が濃く、海面水温の平年偏差が大きくなっています。
エルニーニョ発生時は、太平洋の赤道あたりに南米から明らかに海水温が高いことを示す赤い帯が日本方面に向かって伸びています。
逆にラニーニャ発生時は、同じ水域が海水温が低いことを示す青い帯になっています。
この地球規模でダイナミックな自然現象のことを指す言葉で、エルニーニョとラニーニャは真逆の状態だ、というのが一目で分かります。
さらに詳しい説明も転載します↓
エルニーニョ/ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動
▲平常時の状態
太平洋の熱帯域では、貿易風と呼ばれる東風が常に吹いているため、海面付近の暖かい海水が太平洋の西側に吹き寄せられています。西部のインドネシア近海では海面下数百メートルまでの表層に暖かい海水が蓄積し、東部の南米沖では、この東風と地球の自転の効果によって深いところから冷たい海水が海面近くに湧き上っています。このため、海面水温は太平洋赤道域の西部で高く、東部で低くなっています。海面水温の高い太平洋西部では、海面からの蒸発が盛んで、大気中に大量の水蒸気が供給され、上空で積乱雲が盛んに発生します。▲エルニーニョ現象時の状態
エルニーニョ現象が発生している時には、東風が平常時よりも弱くなり、西部に溜まっていた暖かい海水が東方へ広がるとともに、東部では冷たい水の湧き上りが弱まっています。このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも高くなっています。エルニーニョ現象発生時は、積乱雲が盛んに発生する海域が平常時より東へ移ります。ラニーニャ現象時の状態
ラニーニャ現象が発生している時には、東風が平常時よりも強くなり、西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなります。このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低くなっています。ラニーニャ現象発生時は、インドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生します。
海水の温度の変化が大きく気象の影響を及ぼすことがよく判りますね。しかも海面だけでなく海底まで関係しているとは驚きです。
エルニーニョの時、日本はどうなるの?
- エルニーニョ現象・・・南米ペルー沖の海面水温が平年より高い状態
- ラニーニャ現象・・・・南米ペルー沖の海面水温が平年より低い状態
この海水温の高低によって南北アメリカ大陸と太平洋を挟んだ西側にある日本にはどのような影響があるのでしょうか。
エルニーニョ現象、ラニーニャ現象の日本への影響
エルニーニョ現象が起こると日本付近では、夏季に太平洋高気圧が北に張り出しにくく、気温が低く、日照時間が少なくなる傾向にあります。【冷夏】
西日本の日本海側では降水量が多くなる傾向があります。冬季では西高東低の冬型の気圧配置が弱まり、気温が高くなる傾向にあります。【暖冬】
ラニーニャ現象が起こると日本付近では、夏季に太平洋高気圧が北に張り出しやすくなり、気温が高くなる傾向にあります。【暑夏】
冬季では西高東低の冬型の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向にあります。【寒冬】
まとめると、
- エルニーニョ現象・・・【冷夏】【暖冬】
- ラニーニャ現象・・・・【暑夏】【寒冬】
となる傾向が高いそうです。
2023年日本の夏は?
では、2023年今年の日本の夏はどうなると予想されているのでしょうか。
どうやらエルニーニョが発生する予想になっているそうです。ただし、ただのエルニーニョではなく「スーパーエルニーニョ」と呼ばれるものなんだそうです。
スーパーエルニーニョ
専門家「経験したことがないことが起こる可能性も」…今年の夏は「スーパーエルニーニョ」に警戒を 豪雨に猛暑で台風も
2023年の夏は #スーパーエルニーニョ 現象に警戒が必要です。
ペルー沖の海面水温が高く、フィリピン沖の海面水温が低い状態が1年ほど続く #エルニーニョ現象 が起きると日本は冷夏で多雨になる傾向があります。気象庁は5月に、夏までにエルニーニョ現象が発生する可能性を80%と発表しましたが、ペルー沖もフィリピン沖も海面水温が高くなる #スーパーエルニーニョ現象 が起きる可能性もあるということです。スーパーエルニーニョ現象が起きると、日本は猛暑で豪雨の傾向になりますが、専門家は「経験したことのないことが起きる可能性もある」と警鐘を鳴らしています。スーパーエルニーニョとは
気象庁は6月9日にエルニーニョ監視速報を発表しました。6月の速報で注目されたのは、「 5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.1℃で、基準値より高い値となった 。エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の3月の値は+0.3℃で、上昇傾向が続いている。海洋はすでにエルニーニョ現象の状態になっていることを示している。今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)」と予測しています。また、現在の予測では規模の大きなエルニーニョである「スーパーエルニーニョ」になる恐れもあるとも報じられています。 スーパーエルニーニョとは、海面水温が平年に比べて1.5~2℃以上高くなるなど、水温上昇が大きいものを指します。エルニーニョとは海面水温の基準値との差を、ある月とその前後2カ月の計5カ月の平均値(5カ月移動平均値)としてとったときに、その平均値が6カ月以上続けてプラス0.5℃以上となった場合を指すことからもスーパーエルニーニョの規模の大きさがわかります。実は、今年は冬まで「ラニーニャ現象」が起きていました。冬にラニーニャ現象、夏はエルニーニョ現象が起こるとなると、47年ぶりの現象となります。こういう場合は、ラニーニャ現象の影響が残っているためエルニーニョ現象が起きても、この夏に日本は気温が下がらず、暑い夏になる可能性もあるようです。
通常エルニーニョが発生した場合の日本は【冷夏】【暖冬】となる傾向にあります。しかし、2023年の夏は、
- 2022年の冬はラニーニャだったため、日本付近の海水温は高いまま。
- 通常のエルニーニョに比べてさらに海水温の高いスーパーエルニーニョが発生する。
- 海水温が高い日本付近はそのままスーパーエルニーニョに突入。
- 日本付近の気温は上昇、冷夏とはならない。
- それだけでなく、海水温が高いため台風が発生しやすい。
- 条件が整っているので超大型の台風が発生する可能性も高い。
ということのようです。
大雨による被害は人命に関わります。気象庁の発表する最新の情報に注意する必要があります。
夏に旬を迎えるものたちへの影響
夏に旬を迎える野菜・水産物への影響、夏だけでなく秋収穫のものへの影響することでしょう。どうか影響のないことを祈るしかありません。
今年の夏は熱中症だけでなく、天気予報にも注意が必要です。出かける前にみた予報だけでなく、スマホのお天気系のアプリでリアルタイムに確認することも重要です。
★ぴょん!ポイント★
何だか怖い話ばかりになってしまいました。最後に「エルニーニョ」「ラニーニャ」の由来についてお話します。
エルニーニョ現象、ラニーニャ現象の語源
エルニーニョ(El Niño)とは、スペイン語で『男の子』を意味します。エルニーニョは男の子を意味しますが、単に普通の男の子ではなく、幼子イエス・キリストを指しています。もともとは、ペルー北部の漁民がクリスマス頃に現れる小規模な暖流のことをエルニーニョと呼んでいました。この言葉がペルー沖で数年に一度起こる海水温の高くなる現象に使われるようになりました。
ラニーニャ(La Niña)とは、スペイン語で『女の子』を意味します。海水温の低くなる現象なので、海水温の高くなる現象であるエルニーニョの対をなすという事でアンチエルニーニョとされていましたが、エルニーニョはイエス・キリストを意味しており語感が悪いため、お男の子の対である女の子が提唱され、定着していきました。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。