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2078食目「熱中症と低血糖」症状が似ているので暑い日には特に気を付けたい!

今週のお題「30万円あったら」

「熱中症と低血糖」症状が似ているので暑い日には特に気を付けたい!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

2023年、夏。今年も暑い夏がやってきました。暑い日を過ごす上で気を付けたいのが「熱中症」です。

熱中症とは?
熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のこと。

「熱中症について」:みんなの医療ガイド | 公益社団法人全日本病院協会

熱中症もその対策もみなさん知るところとなりました。ですが、毎年毎日、暑い季節になってくると、熱中症で倒れ病院に搬送される人がたくさんいます。

総務省消防庁発表のデータによると、

 総務省消防庁報告データによると、全国で6月から9月の期間に熱中症で救急搬送された方は、2010年以降大き く増加し、特に非常に暑い夏となった2018年は92,710人、次いで2019年が66,869人、2020年が64,869人と近年多 くなっています。年齢層別では、2008 ~ 2009年は全体の40%前後であった65歳以上の高齢者の割合が、2010 ~ 2017年は40 ~ 50%、2018 ~ 2021年は48 ~ 58%と、増える傾向にあります(図1- 5)。  また、図1-6に、11都道府県の2008年から2021年までの各年の熱中症救急搬送数(率)(10万人あたり)の推移を示しました。

https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_1-3.pdf

「熱中症と低血糖」症状が似ているので暑い日には特に気を付けたい!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

熱中症による救急搬送数(各年6月〜9月)

  • 2018年 92710人
  • 2019年 66869人
  • 2020年 64869人

となっているそうです。ここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響で外出を控えていたにも拘わらず、6.5万人が熱中症で搬送されている、とのことです。

気を付けたいですね。

ですが、気になる記事を見つけたので紹介します。暑い日には熱中症だけでなく「低血糖」にも気を付けないといけない!という記事です↓

その前に一応、低血糖について。

低血糖とは
低血糖とは、糖尿病を薬で治療されている方に高い頻度でみられる緊急の状態です。
一般に、血糖値が70mg/dL以下になると、人のからだは血糖値をあげようとします。また、血糖値が50mg/dL未満になると、脳などの中枢神経がエネルギー(糖)不足の状態になります。その時にでる特有の症状を、低血糖症状といいます。人によっては、血糖値が70mg/dL以下でなくても治療などによって血糖値が急激に大きく下がることでも、低血糖症状がでることがあります。逆に、血糖が70mg/dLより低くなっても、症状が出ない方もいますので注意が必要です。

低血糖 | 糖尿病情報センター

糖尿病を治療している人なら必ず耳にしたことのある「低血糖」。この低血糖と熱中症についての話です↓

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熱中症と思ったら…実は「低血糖」 判断ミスで命の危険も 糖の代謝能力が低い子供は要注意【福井発】
糖尿病患者だけでなく、子供や健康な大人でも発症する症状に「低血糖」がある。目まいや発汗といった症状が出るが、これらは熱中症の症状と似ている。専門の医師は「熱中症と判断を誤り正しい治療をしないと、命に関わる危険がある」と注意を呼びかける。

熱中症と間違いやすい低血糖の症状
発汗や目まい、頭痛など、熱中症と同じ症状が出るのが「低血糖」だ。福井大学病院の内分泌・代謝内科、藤井美紀医師は次のように指摘する。通常、食事で糖類を摂取し血糖値が上がると、膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが分泌され血糖値を下げる。このサイクルが働くことで、体内の血糖値は常に一定に保たれる。低血糖は発汗、冷や汗、手足の震え、動悸(どうき)が主な症状だ。重症になると目まい、頭痛、集中力の低下を引き起こす。さらに進むと意識障害を引き起こし、昏睡状態に陥る恐れもある。

低血糖を発症しやすい人は?
低血糖を発症するのは、大多数が糖尿病患者だ。国内では、患者とその予備軍を含めると2,000万人がそれに該当する。実に6人に1人の割合だ。

ただ注意が必要なのは、糖尿病患者だけではない。
特に子供は糖の代謝能力が大人より低いため、低血糖になりやすい。例えば疲れて夕食をとらずに寝てしまった翌朝は要注意。発熱や胃腸炎などで十分な食事がとれない場合も注意が必要だ。健康な大人でも不規則・不健康な食生活を続けていると、膵臓からインスリンが過剰に分泌され、低血糖を引き起こす恐れがある。食事の量やカロリーを考え、決められた時間に摂取することが重要だ。

低血糖になった時の対処法
では、低血糖になってしまったらどう対処すればいいのだろうか。

藤井美紀医師:
低血糖になった場合、ブドウ糖を摂取すれば15分程で回復することが多い。ブドウ糖がないときは、ブドウ糖を多く含む飲料水か、多めの砂糖を摂取するといい。ただし、意識障害や昏睡が起きている場合はすぐに救急車を呼んでほしい。糖尿病の方は症状や対策について家族や職場の人に伝えておくことが大切。判断に迷った場合は医療機関を受診するようにしてください

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「熱中症と低血糖」症状が似ているので暑い日には特に気を付けたい!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

熱中症と低血糖

熱中症と低血糖の主な症状を書き出してみると↓

低血糖と熱中症の主な症状
症状 |低血糖  |熱中症  |
================
軽症 |発汗   |発汗   |
軽症 |冷や汗  |めまい  |
中等症|めまい  |     |
中等症|頭痛   |頭痛   |
中等症|集中力低下|集中力低下|
重症 |意識障害 |意識障害 |
重症 |昏睡   |昏睡   |

と大変似ていることが判ります。似ているということはパッと見で判断するのが難しいことを表しています。

そして、夏場になるとまず「熱中症」がイメージされる程浸透しているので、つい低血糖であることを見逃してしまう可能性があるのです。

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「熱中症と低血糖」症状が似ているので暑い日には特に気を付けたい!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

低血糖になりやすい条件

以下の場合、低血糖状態になりやすくなります。

  • インスリンや経口薬の量や種類を間違えた時
  • 食事を抜いたり食事が遅れた時
  • 食前に激しい運動や労働をした時
  • 空腹時に入浴した時

とあるように糖尿病治療中の人は注意が必要です。特に医療機関で「低血糖に注意を」と声かけられている場合は、より気を付ける必要ああります。

ーーー糖尿病はないけど。

ほとんどの人の場合、低血糖になることはありません。身体が血糖値のコントロールをしっかりできるからです。とは言え、糖尿病のない人でも低血糖になる可能性があります。しばらくの間、飲食もしない状態で、炎天下激しく身体を動かすことを長時間続け、そのあと入浴するという場合は低血糖になる可能性が高まります。もちろん熱中症も発症する可能性も忘れてはいけません。

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低血糖対策

血糖値が下がりすぎてきて低血糖状態になった場合は、ブドウ糖を摂ることで改善します。薬局などで「ぶどう糖」と明記した商品が簡単に入手できます。中身は概ねこんな感じです↓

「熱中症と低血糖」症状が似ているので暑い日には特に気を付けたい!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

そもそもブドウ糖って何かと言うと↓

ブドウ糖(ぶどうとう)/ グルコース / glucose /
自然界に最も多く存在する代表的な単糖類。動植物が活動するためのエネルギーとなる。脳がエネルギーとして利用できる唯一の物質で、人体にとっても重要な栄養素。
グルコース(glucose)は果物や穀類などに多く含まれ、自然界に最も多く存在する単糖類です。日本語ではぶどうから発見されたためブドウ糖と呼ばれます。
糖類の中で最も基本的な単糖類(糖の最小単位)の代表的なもので、他の単糖類である果糖やガラクトースと(あるいはブドウ糖同士で)結びついてショ糖・乳糖・でんぷんなどを構成しています。食べ物から摂取された糖質は、消化吸収を通して最終的にはぶどう糖に分解され、エネルギー源として利用されます。脂質よりも早く分解吸収されるため、激しい運動で消耗した時や糖尿病などインスリンの異常で血糖値が低くなり過ぎた場合、素早くエネルギーを補給し血糖値を上げるのに適しています。特別な場合を除いて、脳がエネルギーとして利用できる唯一の物質で、人体にとっても重要な栄養素です。血液中では血糖として存在し、インスリンによって濃度がコントロールされています。血液中のブドウ糖濃度が上がるとインスリンの働きで中性脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。このためブドウ糖を多く摂り過ぎると結果として肥満を招き、生活習慣病にも関係します。

ブドウ糖 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

ということです。

具体的な低血糖対策についてはいくつかサイトを紹介しておきます↓

https://www.matsue.jrc.or.jp/files/libs/1246/201609291506149517.pdf

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熱中症対策

熱中症対策についてもいくつかサイトを紹介しておきます↓

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★ぴょん!ポイント★

今回、熱中症と低血糖についての話題を取り上げたのは、

ーーー熱中症だと思ったら低血糖のこともある

という事を知って頂きたかったからです。

熱中症対策のために水分を。汗で不足する塩分も補給。そして糖分も忘れないように

ですが、

ーーー低血糖怖いし、熱中症も怖いから、水分と糖分と塩分を「たくさん」摂らなくちゃ!

ではなくて、水分・糖分・塩分を「適量に」摂るということです。

例えばスポーツドリンクは水分・塩分の補給に最適ですが、糖分が多く含まれているものがあります。よかれと思ってがぶ飲みしていると、知らず知らずに太ってしまうなんて事もよくある話です。

「熱中症と低血糖」症状が似ているので暑い日には特に気を付けたい!【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

熱中症も低血糖も、睡眠、運動、食事などなど、普段から生活環境や習慣に気を付けて過ごせば怖くありません。

心配なことがあれば、医療機関でお訊ねください。

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。