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適材適食 -てきざいてきしょく-

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2258食目「第73回福岡糖尿病セミナー 」世話人として参加しました。

「第73回福岡糖尿病セミナー 」世話人として参加しました。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

2023年12月16日土曜日。第73回福岡糖尿病セミナーが開催されました。私は世話人として参加させて頂きました。

▼これまでの福岡糖尿病セミナー関連

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第73回福岡糖尿病セミナー

テーマ 糖尿病とサルコペニア

一般公演
座長)

渡邊 哲博 先生(九州医療センター 代謝内分泌内科
中島 理恵 先生(福岡赤十字病院

演者)

1)糖尿病患者における体組成の実態とそれを考慮した食事および運動療法
武井 涼子 先生(福岡市健康づくりサポートセンター 医師)

2)サルコペニアのスクリーニングと療養指導~管理栄養士の立場から~
林 裕子 先生(岡田内科クリニック 管理栄養士 )

3)サルコペニア・身体的フレイルに対する運動機能評価とトレーニング
溝口 雅之 先生(済生会福岡総合病院 理学療法士)

4)    オーラルフレイルから始まる全身への影響~その兆しに気付いて~
樋口 敬洋 先生(樋口歯科医院 歯科医師)

「第73回福岡糖尿病セミナー 」世話人として参加しました。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

特別講演
座長

井口 登與志 先生(福岡市健康づくりサポートセンター

「第73回福岡糖尿病セミナー 」世話人として参加しました。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

演者)

福井 道明 先生(京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学 教授

サルコペニアの予防も見据えた糖尿病診療

ADLを維持するため、転倒リスクを減らすために大腿四頭筋を保つことが大事。
大腿四頭筋は70歳の人は30歳の人の1/2以下になっている。

サルコペニア予防にはエネルギーとタンパク質をしっかりとることが大事。

 

糖尿病におけるエネルギー摂取量の目安

目標体重

  • 65歳未満=身長(m)²×22
  • 65~74歳=身長(m)²×22~25
  • 75歳以上=身長(m)²×22~25

エネルギー係数

  1. 軽い労作:25~30
  2. 普通の労作:30~35←日常診療での患者
  3. 重い労作:35~

若年者と比べ高齢者は同じタンパク質を摂っても筋タンパク合成が少ないという報告あり。=高齢者は筋肉がつきにくいという状態。

タンパク質摂取が少ない人は筋肉量が減っていたという報告あり。
タンパク質摂取量だけでなく、摂取タイミングも重要。
同じ量のタンパク質でも夕食にたくさんタンパク質をとるのではなく、朝食=昼食=夕食と均等にとったほうが筋肉合成がアップする報告あり。

1食のタンパク質摂取量

  • 若年者 0.24g/体重で筋肉の合成が一定になる
  • 高齢者 0.4g/体重(=体重50㎏の人で20gのタンパク質が必要)

※実際の現場では夕食で20gのタンパク質はとれているが、朝食や昼食で20gとれていない人が多いので、朝食や昼食でもっとしっかりタンパク質をとるようにアドバイスするべき。

ロイシン
若年者はロイシンが減っても筋肉の変化ないが、高齢者はロイシンが減ると筋肉低下がみられるため、ロイシンを積極的に勧めるべき。

ロイシンは鶏肉や魚に多く含まれる

タンパク質量を増やすときに注意することとして腎機能の状態。
CKD2以上の人はタンパク質の摂取が多くなると腎機能悪化するという報告があるが、タンパク質の質について注目すると動物性タンパク質は腎機能が悪化するが乳タンパク質や植物性タンパク質は腎機能が悪化しないことが判っている。
※タンパク質の量だけでなく質も考えて指導すべきである

高齢者は脂質が少ないという報告があり、脂質摂取には中鎖脂肪酸がオススメ
中鎖脂肪酸は水に溶けやすいので消化管で吸収されて門脈を通って肝臓に到達するのでエネルギーとして使われやすいと言われている。
長鎖脂肪酸を中鎖脂肪酸に置き換えたところ筋力が優位に増えたという報告あり。
上手に中鎖脂肪酸を活用すべき

一般的にはエネルギーやタンパク質摂取がサルコペニア予防に注目されるが食物繊維も注意すべき成分。
年々日本人の食物繊維の摂取量が減少している
穀物の繊維も減少している。
穀物のひとつ「大麦」に食物繊維が豊富にふくまれており特に水溶性食物繊維が多いことが特徴。大麦は白米の19倍、玄米の3倍の食物繊維を含んでいる。
白米だけと比べると白米+大麦で食後の高血糖を優位に改善することが報告されている。

腸内細菌にも注目すべき
食物繊維の摂取量が減ると腸内細菌叢が変わる。
短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸、プロピオン酸)が減ると大腸がんリスク増の可能性あり
短鎖脂肪酸の働き=腸管粘膜のバリア機能を保つ、GLP-1の分泌促進、脂肪蓄積抑制
水溶性の食物繊維を摂取することにより短鎖脂肪酸が増える
疫学研究では、食物繊維を多くとる人は血糖値が低い、インスリン抵抗性が低いことが言われているが、筋肉量が多い、筋力が強いことも判った。

マウスの研究

①普通食

②食物繊維なし

③食物繊維なし+水溶性食物繊維を添加

の3つのグループで8週間経過をみると③のグループで血糖上昇抑制することがわかり、インスリン感受性を高めることができた。体重当たりの内臓脂肪を減らし、脂肪肝が優位に改善した。
便中、血液中の短鎖脂肪酸が水溶性の食物繊維を摂取した群で最も高かった。
さらに、腸管における炎症抑制、筋肉の炎症抑制、筋肉の異化の抑制することも判った。
「水溶性食物繊維摂取」が腸内環境をかえ、腸内環境を変え、筋肉を増やすことにつながると言える。

発酵食品にも注目すべき
味噌は塩分を含んでいるが、味噌に関しては血圧上昇することがないことがヒト、動物研究で報告されている。

DM味噌汁1杯/日程度オススメ
マウスに味噌をとらせることによって、同じ量の餌を与えるにも関わらず、体重増加を抑制し、内臓脂肪の重量を優位に減らすことが報告されている。
筋肉量を増やし、筋力アップしていた。
※発酵食品も筋肉を増やすことにつながると考えている。

 

【サルコペニア予防の食事療法ポイント】

  1. 適切なエネルギーをとること(エネルギー制限ではない)
  2. 朝・昼・夕、3食均等に食べる
  3. ロイシンを多く含む魚や鶏肉をとる 腎機能悪化しないように大豆たんぱくを活用する
  4. 中鎖脂肪酸を使う
  5. 水溶性食物繊維をとる
  6. 発酵食品をとる
  7. 負荷のかかった運動を行う

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★ぴょん!ポイント★

最後になりましたが、

渡邊 哲博 先生九州医療センター 代謝内分泌内科

中島 理恵 先生福岡赤十字病院

武井 涼子 先生福岡市健康づくりサポートセンター 医師)

林 裕子 先生岡田内科クリニック 管理栄養士 )

溝口 雅之 先生済生会福岡総合病院 理学療法士)

樋口 敬洋 先生樋口歯科医院 歯科医師)

井口 登與志 先生福岡市健康づくりサポートセンター

福井 道明 先生京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学 教授
並びに、本日参加頂いた医療従事者のみなさま、セミナーのスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。参加頂いたみなさま、ありがとうございました。

「第73回福岡糖尿病セミナー 」世話人として参加しました。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

福井 道明 先生と私。

お忙しい中、お話する時間を頂きました。

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。